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旭川市いじめ問題 第三者委員会の結論と市長直属の第三者委員会について

 旭川市のいじめ問題でようやく第三者委員会が結論を出しました。
旭川中2いじめ再調査へ 第三者委最終報告書、自殺の因果不明確」(北海道新聞2022年9月21日)
「旭川市教委は20日、広瀬さんが受けたいじめ問題を調べていた市教委第三者委員会の最終報告書を公表した。いじめを早期に認知しなかった当時の学校や市教委の対応を強く批判したが、いじめと自殺の因果関係については明確に記載しておらず、アンケートで判明した校内での無視などはいじめと認定しなかった。」

いじめの重大事態に係る調査報告書」(公表版)
 かなりの部分がマスキングされています。

 もちろん遺族側は不満だとは思います。
 これだけ待たせてその結論なのかという気持ちになるのは当然のことでしょう。

 旭川市長は、この結論に不満があるからでしょうが、直属の第三者委員会を設置するとしています。
旭川いじめ再調査、市長直属の第三者委を11月設置」(北海道新聞2022年9月22日)
 直属の第三者委員会という意味が今ひとつ分かりづらいですが、こう言っては何ですが、結論ありきではあるのでしょう。

北海道新聞の社説
<社説>旭川いじめ報告 被害者視点で再調査を」(北海道新聞2022年9月22日)
「市教委は法や制度の理解を著しく欠き、学校を管理、指導すべきなのに必要な対応を怠った。
 学校や市教委が基本動作に忠実だったなら、最悪の事態はどこかで防げたと考えざるを得ない。」

 自殺との因果関係でいえば、学校や市教委がきちんと対応していれば、最悪の事態は防げたのではないかというのはその通りでしょう。
 しかし、いじめとの間の因果関係、特に法律的評価としての因果関係ということになるといじめとその後の経緯からみて、第三者委員会は因果関係を肯定することに躊躇したのではないか、そのように考えられます。報告書では精神的要因など多くの記述を割いています。その点は最初から問われていましたから、報告書はかなり意識して記述しているように思われます。

 無視にしてもそれがいじめなのかどうか、実際にどのような状況下でのことだったのかは現時点では状況把握ができず特定不能であり、いじめかとまでは言い切れないという認定はそれだけで不当なのかどうかということにはなります。
 時間が立ちすぎているというだけでなく、当時の関係者の調査への協力もままならなかったのでしょう。最初から限界を抱えた調査でした。

220919(美術館)③
2022年9月19日撮影


 なので、こう言っては何ですが、市長の直属の第三者委員会が自殺との間の因果関係を認定することは簡単なことです。市として自殺との因果関係を認めるのかどうかという判断だからです。
 もとよりそれによっていじめの加害者だった生徒たちへの法的な意味での損害賠償請求が可能かどうかは別問題です。
 旭川市に対する損害賠償請求であれば、旭川市が認めている以上、それに応じた損害額を算定することになります。裁判外で解決することでしょう。
 しかし、加害生徒に対する損害賠償請求ということになれば第三者委員会が検討したような判断を辿りますから、市長直属の第三者委員会が認めたからといって当然に因果関係ありということにはならないと思われます。それは行政の判断にすぎませんから、裁判所での判断は別になる可能性もあります。

 この問題では学校側、市教委の対応は酷すぎました。
旭川中2女子凍死事件 中間報告について

 いじめはどこでも起きる、それを前提に学校や教育委員会の対応が問われているわけです。その再発防止がどこまでできるのか、問われているのはその点です。




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コメント

市長が家庭教育支援条例を可決しようとしている街

家庭教育の第一義的責任は父母である。社会全体で子育て家庭を支えていく支援体制を整えようと、全国自治体で家庭教育支援条例制定の取り組みが進んでいます。これを推進しているのは、天皇陛下を文鮮明に土下座させる!と豪語するカルト・世界統一平和家庭連合です。
統一凶会がいう父母とは、天の父母である文鮮明・韓鶴子を意味します。朝鮮に対し永遠の罪を負った日本人は、本来収入を全て朝鮮に差し出さなければならない。我々の壺を買い、献金することにより、罪は赦される。献金額を収入の1割にまけてやるから、有難く思え!と年1000億円稼ぐ財閥が、あの悪名高い統一凶会です。年1000億円チョッパリから巻き上げる暴力団は、裏金の宝庫です。故人殺晋三を筆頭とする自民盗の走狗ほぼ全員、立犬民主党幹部も全員コイツらからカネ・票を貰っていました。
旭川市長も、選挙の前後に3回統一凶会を訪問しており、家庭教育支援条例を可決するよう厳命され、カネ貰ったに決まっています。旭川を壺の街にするか否かは、市民の良識にかかっています。

記事で理解が深まりました

この事件は特異なものではなく、
今の社会に根深い深刻な問題の氷山の一角です。

これまで断片的な報道目にしても
よく理解ができなかったのですが、
今回の猪野先生の記事で解説いただいて、
マスコミ報道ではお目にかかれない点、
たとえば、一口に『第三者委員会』といっても
その設置主体によって結論の特性と
携わる方の難しさについて知ることができ、
あらためて報道を見て、市長のツイッターを読むと
より理解が深まりました。

関係者の方々の解明への尽力は必要で不可欠な大切なものとして
大切なのは、この件を日々大量にある事件のひとつとして
忘れてしまってはいけないことです。
先生の記事の最後の一文、

『いじめはどこでも起きる、
 それを前提に学校や教育委員会の対応が問われているわけです。
 その再発防止がどこまでできるのか、問われているのはその点です。』

・・・これこそがまさに大切で、
ひとりひとりの国民が関心を持って、
専門の方とともに解消の方向に
社会として取り組んでいく課題と思います。


いじめ側の人たち・・・・・

こうしたいじめ事件の報道を見るたびに、
苦しみの中で失われた命への哀悼の気持ちとともに、
私はいじめ側の人たちのありように関心を持ちます。
とはいっても、
興味本位で実名晒すような行為に加担するものでは決してありません。

いじめ側の人達は、
更生や処罰を課される者もいますが、
大部分はそうではない人生を歩んでいくのですが
今 そのことの是非を問う以外の別の関心があります。
純粋に、更生や処罰を課されなかった人たちの
事件への考えを知りたいのです。
ただ、それを紹介する記事や文献は
ないわけではないですが
一般人が目にするにはあまりに少ない
のではないでしょうか?
その多くの人達子どもたちは
まず自分も関わった事件の大きさにとても動揺したはずです。
その中で、それぞれの人生を進めるにあたって、
あえて大雑把に分類すると
①その重大さに自分の人生で受け止められないほどの念に押しつぶされそうな人
②重大さに気づき反省し、その後の人生では社会と人々にプラスに心がけて生きる人
③その後の人生では、事件は忘れ ただふつうに生きる人
④更生や処罰免れたことをラッキーとし、その後も延長線上の人生を生きる人
さて、
①の人たちには、心のケアの提供が必要でしょう
④は、言葉にして評価するまでもありません。
私が知りたいのは、②の人たちのその後のありようと考えです。
想像できないような後悔と葛藤のなかからの、
あとから事件を見る視点は、
猪野先生が文末に社会に向けて提言なされた
再発防止のための抜本的な取り組みに役立つものだと思います。

どの事件か誰の言葉かわからないように配慮して、
かつていじめに加担してしまった人からの意見が
特定の方向性を持った団体や集団などからではなく
公正第三者的な立ち位置のところから広く公表されてほしいなあ
と私は考えます。

No title

バウチャー制度
教育バウチャー(きょういくバウチャー、英: school voucher, education voucher)は、私立学校の学費など、学校教育に使用目的を限定した「クーポン」を子供や保護者に直接支給することで、子供が私立学校に通う家庭の学費負担を軽減するとともに、学校選択の幅を広げることで、学校間の競争により学校教育の質全体を引き上げようという私学補助金政策。

ちなみに、学校選択制 (School choice)という言葉は日本では公立学校の学区の緩和を意味するが、国際的にはバウチャーの支給によって私立学校への選択を容易にさせるという政策も含めた文脈で使われることが多い。

近年、日本においては学校教育だけでなく、塾、予備校、習い事、文化活動、スポーツ活動などに利用可能な学校外教育バウチャーの取り組みも行われている。Wiki引用


旭川市は、,公立中学、教育委員会共に機能していませんから廃止したらいかがでしょうか?

その分『教育バウチャー制度』を導入して、クーポンで予備校に行くのもよし、家庭教師を導入するのもよし。

子供が自殺するよりもいいでしょ。

教育委員会?
市民の支持を受けた存在ではなく、退職校長の天下り機関でしょ。

公教育の始まりは学制で、それは軍事組織の基本的存在ですからネ。

いじめがあっても学生を守らずに学制を守る。

医学的知見を徹底した再調査に期待する

>しかし、いじめとの間の因果関係、特に法律的評価としての因果関係ということになるといじめとその後の経緯からみて、第三者委員会は因果関係を肯定することに躊躇したのではないか、そのように考えられます。報告書では精神的要因など多くの記述を割いています。その点は最初から問われていましたから、報告書はかなり意識して記述しているように思われます。

 ああ、これが法律家の考えることか・・・。裁判のことを考えるからだろう。責任追及の段階になると深く踏み込めない。次の記事がわかりやすい。

旭川・中2凍死いじめ問題、最終報告書めぐり初会見…凍死といじめの因果関係不明などの理由説明、教育長は引責辞任
https://news.yahoo.co.jp/articles/f55b176dedde4a648141ad424a0a88432a99f28c

引用開始----
「私たちは弁護士なので、裁判のことを考える。裁判で使う『相当因果関係』という意味では、いじめと亡くなられたことについて因果関係があるとは言えない。ただ、それはあくまで裁判での損害賠償に関わる話のことなので、それ以外の部分で、いじめと死が無関係だったとは言えない」
引用終わり----

 医学的知見がない法律家に、いじめと自殺に因果関係の有無は判断できないということだろうか(それが裁判官ならいっそう問題だが。)。だが委員会には精神科医もいた。どんな意見が交わされたのか。委員会の報告には、「本件生徒が常日頃強固な自殺念虞を持ち続けて当日計画的に自殺行為に及んだとは考えにくく、自殺ではあるが、実際に既遂に至ったのには、途中で発見されて未遂に終わる可能性が十分にある行為の中での凍死であったということも考慮すると、偶発的な要素も加味されてのことであったのではないかと推測される(p149)。」としており、精神疾患にまで追い込まれた被害児童の希死念慮に対する見方が非常に雑だ。だから、「直前に本件生徒を自殺行為に駆り立てる何らかの契機や心境の急激な変化(p150)」を特別視するのだろう。相当因果関係を否定するための材料に過ぎない。
 そんな理屈は長時間労働により精神疾患を発症した自殺は、直前でなければ労働時間と因果関係がないとされるだろう。自殺をしたのは本人に問題があると。

 また、自殺は計画的に行うと考えるのも偏狭な見方だ。判断能力を失った中の行為は漠然としており計画性など考えにくい。その行為が未遂に終わることもあれば、そのまま死んでしまうこともある。だが、この事例は極寒に薄着で外出しており、その結果は明白だ。死に向かう強い意志がある。

 この委員会に遺族が希望した高度な専門的知見を持った委員は選ばれなかったという(注)。また委員会には十分な調査権限を持たせて情報を取得し医学的知見を十分踏まえた上で判断させる必要がある。再調査には問題点を整理して当たってもらいたい。

【注】
《旭川14歳少女凍死》「死んだ本人に話を聞けてないから推測の域を出ない」第三者委員会のイジメ調査“最終報告書”その驚きの詳細「イジメと自殺の因果関係は…」
https://bunshun.jp/articles/-/57132

〔参考〕
・いじめの重大事態に係る調査報告書について
https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/218/266/270/d076131.html
・第三者委員会の姿勢はどうだったか。こちらの記事に詳しい。
《旭川14歳少女凍死》“被害者母”が明かした学校や加害者への“言葉にならぬほどの無念”「娘は軽い気持ちで死を選んだわけじゃない」【最終報告書公表も再調査へ】
https://bunshun.jp/articles/-/57636

No title

秋風亭遊穂さん

 死亡との因果関係を認めるということの意味、わかってます?

 要は旭川市が認めるかどうか、というだけのことですよ。
 期待も何も既に旭川市長は結論を出しているという意味ですよ。

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猪野 亨(いのとおる)

Author:猪野 亨(いのとおる)
1968年生まれ
1998年弁護士登録(札幌弁護士会所属)
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