【 家族の異変 】自分は何も喋っていないのに、妻の如月 康代と娘の如月 真由美が勝手に話を進めてくる。
まるで、もう一人の自分がそこに存在し、康代と真由美がその人を父親だと思っているような趣で。
この異変に気付いた如月 (康代の夫 ⇒ 以下、如月) は不思議に関する相談をしてくれる夢使いの居る所、
童遊斎おもちゃ店を訪れた。
何と、以前に塔子たちが安村さんの事件を解決したことをどういう経緯か解らないが知り、
それで童遊斎おもちゃ店へ訪れたと如月は言う。
塔子は如月に依頼内容を詳しく訊こうとするが、如月は?
何かがおかしい?と
曖昧な内容の表現でしか示せなかった。
それにより、塔子は
『 困りましたねぇ?。 』 と頭を悩ませてしまう。
そんな塔子を見た燐子は
『 スト???ップ! お客さん、困ってるでしょう!? それに、百聞は一見に如かず!
ウダウダ話を聞いてるぐらいなら、行っちゃった方が早いわよ! 』 と塔子に言った。
その後、燐子は如月に向かって、自分が今回の依頼を受けると言い出し、
翌日、如月家へと赴くことになった。
【 如月家 ?隠された謎? 】燐子は如月家を訪ねると呼び鈴を鳴らし、
『 ごめんくださ?い。 』 と丁寧な挨拶でインターホンに叫んだ。
すると、玄関から如月家の娘の真由美が現れ、
『 どなたですかぁ? 』 と訊ねる。
それに対し、燐子は
『 夢使いでぇ?す! 』 と微笑んで応えると、真由美は夢使いって何?といった顔をしていた。
その後、真由美は家を調査したいという探偵であることを悟り、燐子を家の中へと招いた。
真由美は燐子に夢使いは探偵と同じであるのかと訊いてみた。
燐子は言った。
『 夢使いは、人の心が引き起こす不可解な事件を解決する現代の遊部なの! 』真由美はまたもや頭にクエスチョンマークを出し、燐子の言っていることがまるで解らなかった。
それを他所に燐子は真由美にどんどん質問をしながら、家の中を案内させる。
暫くして、燐子は一通り調べ終えるが、何も異変を感じる場所は存在していなかった。
だが、最後に燐子の目に?
仏壇の上にある姫ダルマ?が映り、それを手に取ってみた。
真由美はヒメダルマを見ると、それが何なのかと初めて見たような口ぶりで燐子に訊ねた。
『 姫ダルマよ。 昔の玩具。 (転がして) ほらっ! 面白いでしょ? 』 と燐子は説明するが、
真由美は
『 ふぅ?ん。 』 と子供にしては無関心な表情をした。
それから、真由美は姫ダルマのことより、自分の部屋に行ってゲームをしようと燐子を強制的に連れて行った。
燐子は少し待つようにと真由美に言うが、引き止めることが出来ず、仕方なくゲームで遊ぶことにした。
この時、燐子は?
仏壇?に注目していた。
【 塔子 & 美砂子 ?世捨て人? 】燐子が今回の依頼を調査している頃、童遊斎おもちゃ店の庭ともいえる畑にて、塔子と美砂子が話をしていた。
塔子は自分が育てた畑のトマトを摘みながら。
美砂子 『 ねぇ、塔子。 昨日の依頼、本当に夢絡みの事件なのぉ? 』
塔子 『 だと思いますよぉ。 』
美砂子 『 そうは見えなかったけどなぁ?。 』
塔子 『 そうですかぁ?? 』
美砂子 『 だって、はっきりとした異変も無いんでしょ?? 』
塔子 『 まぁ、燐子に任せましょう。 何てったって、スーパー小学生ですから。 頼りになります♪ 』
美砂子 『 そうね! ぁ? 』
塔子 『 (トマトを渡して) 食べます? 』
美砂子 『 年頃だっていうのに…すっかり、?世捨て人?になっちゃって…。
(トマトを食べて) はむっ。 (―――まぁ、気持ちは解るけどねぇ…) 』塔子は父親の童遊斎が亡くなった時から、世捨て人となった。
そして、女性としての服装に無頓着になった。
美砂子は、そんな塔子の辛い過去の想いをきちんと解っていた。
世捨て人の塔子は今日も笑顔で生きていく。
【 頼子が生み出した世界 ?操り人形? 】燐子は如月家にて夕食を摂ることになった。
如月 、康代、真由美を含めた4人での夕食。
燐子は早速、依頼人の如月に調査をした所、何も異変はなかったと報告した。
だが、如月はそんな言葉を無視して、
『 康代、今日の?煮物?は上手いな。 』 と妻の康代に言った。
康代は
『 そうでしょう? 出汁を変えたのよ?。 』 と言い、続いて真由美が
『 真由美、お芋だ?い好き♪ 』 と言った。
それを見た燐子は、一家団
欒の家族であると認識し、自分たちとは根本的に違う家族と心の中で思った。
それも束の間、如月は
『 今日の煮物、上手いな。 』 と再び、言い出し、康代も
『 出汁を変えたのよ。 』 と
真由美も
『 真由美、お芋だ?い好き♪ 』 と同じ感覚で何度も繰り返す三人。
燐子は、これが異変の前兆だと悟り、時計の針がないことに気付いた。
そして、仏壇に目を向けると、今回の依頼者の母親であろう人が映っている写真立てに注目した。
すると突然、その写真の人物が写真の中で驚いた表情をしたのである。
それを見た燐子が目を疑った時、彼女はその写真に吸い込まれてしまった。
綺麗な夢の世界の異界へと入った燐子は、?
虎の置き物?の悪夢と出くわすと、
それを?
レーザートマホーク?という技で退治する。
その後、燐子は如月 頼子というお婆さんに出会い、何故、亡くなった人が夢の世界に居るのかと疑問を抱いた。
徐々に頼子とやり取りをしていく燐子は、姫ダルマのことが好きで、その理由は職業柄であるということを話した。
それを聞いた頼子は燐子のことを良い子であると言うと、燐子は
『 良く言われます。 頭がいいとか、可愛いとか! 』 と笑顔で言った。
すると、頼子は燐子に笑顔の表情をしながら、強制的に現実世界へと戻させてしまった。
帰った燐子の目の前には、如月と康代、真由美が人形化していることに気付き、
今回の悪夢の不思議さを痛感した。
【 頼子の選択 ?消えた家族模様? 】燐子は童遊斎おもちゃ店へと戻ると、塔子と美砂子に如月家の実態を報告した。
塔子は今回の事の発端は、依頼者の母親である頼子にあると可能性を示した。
しかし、燐子は頼子は既に亡くなっていて、夢を見ることが出来ないと断言し、美砂子も続けて言った。
それに対して、塔子は
『 亡くなった人の夢は現実には現れない…。 でも、もしかして… 』 と頼子が現実に
まだ生きている可能性があることを呟いた。
そこで、美砂子は一が今回のことで聞き込みに出かけていることを塔子に訊くと、
塔子は
『 はい。 とりあえずは橘さんを待ちましょう。 』 といつものまったり口調で言った。
だが、燐子は早く真由美たちを助けたいということで、一人、今や悪夢に侵食された如月家へと突入する決意をした。
やがて、転装をした燐子は如月家邸宅へと辿り着く。
四次元ハサミを使って、異界に繋がっている玄関の先へと突き刺した。
『 夢の持ち主は、この家の誰かに決まってるわ! この夢の始末…私がつける! 』その言葉が通じたのか、四次元ハサミは異界を切り裂き、通常入れるような空間を露にさせた。
そして、燐子は夢の世界へと入っていった。
その頃、童遊斎おもちゃ店では…。
聞き込みを終えた一が転寝をしていた塔子に今回の事件の鍵が解ったことを告げていた。
<今回の事件の重要な要素>★如月家は三人の家族ではなく、四人の家族である。
★既に亡くなっていたとされる如月 頼子は現実世界にまだ生きている。全てを理解した塔子は?
姫ダルマ?を持って、夢殿に篭り、如月 、康代、真由美、そして頼子の顔が
映った?
曼荼羅?の炎が四つ出現していることにやっぱりと頷いていた。
そして、頼子の夢の中を覗き、彼女の悪夢の原因が何だったのかを知った。
・息子の妻の康代とは家庭内で上手く行っていなかった。
・虎の置き物、姫ダルマ、煮物、捨てられた真由美のズボン…全てが康代との葛藤を生み出したモノ。
・頼子は家族の為に尽くすことに喜びを感じていたが、それが返って康代への負担になっていることを知ってしまった。それにより、頼子は私のことが如月家には邪魔な存在であると自覚してしまい、自らが居なくなればいいと思い、
悪夢を呼び起こしてしまったのである。
これが事の発端。
一方、燐子は頼子と対面し、何故、このような事態になったのかを訊ねた。
しかし、頼子は何故、こうなってしまったのか自分でも解らないと呟いた。
そこで、頼子は自分の経緯を燐子に話し始めた。
その話を聞いた燐子は言い放った。
『 お婆ちゃん、間違ってるわよ! 居なくなっていい家族なんて、居ないわよ!
たとえ、それが?世捨て人 (塔子)?や?珍妙奇天烈な奴 (一)?だとしても!
家族って、そういうもんでしょ!? 自分が居なくなって皆、幸せだなんて良くないよ! 』燐子の言葉で頼子は自分の愚かさに気付いた。
だが、それと同時に傍に居た虎の置き物の悪夢が暴走し始め、燐子を突然、襲った。
燐子はすぐに回避するが、上の方から雷のようなものが落ち、虎の置き物の悪夢を玉砕した。
それを放ったのは日曜星の塔子、金曜星ほ一であった。
燐子を助けに、彼らは駆けつけていたのである。
その後、真の悪夢、?
姫ダルマの悪夢?が到来した。
燐子と一は時間稼ぎをする為に、二人で姫ダルマの悪夢へと向かった。
その間に、塔子は頼子に自己紹介をしてから、形代に息を吹かせようと説得する。
塔子 『 現実に出てきた夢は、唯の夢へと還さねばなりません。 これ (形代) に息を。 』
頼子 『 お嬢さん、教えて下さる? どうして、こんなことになってしまったのか…。 』
塔子 『 夢は、?人の心の表れ?です。
家族に対する鬱積した想いが夢となって、この世に現れ、貴方の姿を消してしまいました。 』
頼子 『 いっそ、自分なんか居なくなってしまえばいいと思ったから…。 』
塔子 『 はい…。 でも、貴方は同時にもう一つ、別の想いを抱いていました。
それが、この悪夢の暴走を呼んだんです。 』
頼子 『 別の想い? 』
塔子 『 消してしまいたかったのは自分自身なんかじゃない。 自分を疎んだ家族の方。 』
頼子 『 !? 』
塔子 『 どうか、この形代に息を。 』頼子は形代に複雑な想いをしながら息を吹きかけた。
その後、塔子は姫ダルマの悪夢と応戦している燐子と一の元へと駆けつけ、ドリーム・サイクロンを使うと言った。
撃鉄は自分が、引き金は一、そして弾丸は燐子にするように指示をした。
そして、燐子は如月家を必ず救ってみせるという強い想いを込めながら、自らの弾丸を放った。
燐子 『 射干玉の闇より来りて、現実と化らんとする悪夢よ!
夜の禍と共に…夢へ還れ! 』姫ダルマの悪夢は滅びた。
その後、燐子はすぐさま、真由美の元へと行き、いつになっても起きない彼女を心配していた。
そんな燐子に一は、
『 大丈夫、気を失っているだけだよ。 』 と優しく語りかけた。
それを聞いた燐子は非常に安堵していた。
塔子は頼子に、ここまでが私たちの夢使いとしての仕事、あとの?
選択?は自分自身で行って下さいと告げ、
形代を手渡した。
形代を受け取った頼子は燐子の方へ身体を向け、
『 貴方たちは本当にいい?家族?ね、燐子ちゃん。 』 と
温かい口調で言った。
燐子は
『 もちろんよ! 』 と左手の親指をグッと立てた。
そんな燐子を見て、頼子は今までにない笑顔で頷いていた。
それから、塔子たちは童遊斎おもちゃ店へと戻って行く。
―――その途中。一 『 そういえばさぁ、燐子ちゃん。 あのお婆ちゃん、僕らのこと、?良い家族ね?ってぇ。
やっぱ、誰が見ても解るんだねぇ、僕らの仲の良さ… 』
燐子 『 (箒神を一の顔面に直撃させて) 解らないわよ! 』
一 『 だはっ…。 』
塔子 『 (燐子と一のやり取りを笑顔で見て) さぁ、早く帰りましょう。 もう、お腹がペコペコです。 』
燐子 『 ぁ…私もペコペコ! 』
一 『 (何事もなかったかのように) ならば、この橘 一にお任せを! 燐子ちゃんはフレンチトーストに
ブルーベリージャムを入れたロシアンティー。 塔子ちゃんは、漬物にお茶漬けだね。 』
塔子 『 私はその後、一眠りです。 』
燐子 『 ともかく、これで今回も?一件落着?ね! 』―――その日の夜7時―――如月家には、今までのような明るい雰囲気の光が全体的に灯っていなかった。
食卓を見つめるように、台所付近のテーブルに?
姫ダルマ?が置いてあった。
食卓には?
四人分?の食器が用意されていた。
しかし、そこには誰も居ない。
一方、頼子は暗い居間で独り、お茶をズズ?と飲みながら、笑顔で夜の
一時を楽しんでいた。
如月家に電気が点けられていたのは、食卓のあるフロアだけであった。
―――頼子が下した選択は、
?
自分だけを幸せにして、如月 、康代、真由美の三人を如月家から抹消した?というものだった。
果たして、この決断が頼子にとって、本当に良いものであったのだろうか。
だが、事実…燐子の頼子への想いは、ここで打ち砕かれてしまった。
?自分が居なくなって皆、幸せだなんて良くないよ?燐子の言葉は、確かに頼子に届いていた。
これを真摯に受け止めてしまったが故に頼子は、こういう決断をしたのかもしれない。
?皆が居なければ、自分が幸せ?燐子の言葉は、やはり、頼子の心には一つも届いていなかった。
しかし、これは頼子自身の選択…他人が介入する余地はない。
それが、夢使いとしての仕事なのだから…。
(終)<感想>うわぁぁぁ?、何でそういう選択をするのか…。
今回は頼子お婆さんに喝!!!ですね。
燐子の想いが可哀想すぎます。
事件を解決した意味すら、無くなったような気がします。
ふむ、私も夢使いになりたいなぁ。(ぇ
さて、次回タイトルは 『
夢の休日 』 です。
休日って塔子たちのですか?
どうせ、でっかい違う人たちの休日ですよね。( ̄ー ̄;
<OP曲/ED曲>