THE GO AND MO'S 『黒川の旅 vol.6~広島』
公演終了報告
日時
2022年6月10日(土) 18:30開演
会場
(音楽喫茶ヲルガン座 上階)
料金
1,000円(+1ドリンク)
クレジット
脚本・演出・出演/黒川猛
構成/中川剛、黒川猛
音楽/Nov.16
制作・他/丸井重樹
京都芸術センター制作支援事業
主催・企画製作/THE GO AND MO'S
ラインナップ
漫談DX…
今年になってから研ぎ澄ませている「二択」と「ドラえもん」を上演。
アウェイでどアタマで、どうしても固くなる客席を、いわゆるネタで、
どのようにほぐしていくのか、今後も課題です。
今回は特にお客さまとの距離があまりに近く、
ちょっと黒川も硬かったですね。
講談師「斎藤紋之丞」…
これまでの上演してきたネタの中から、
「わらしべ長者」と「SMクラブ」をリクリエーション。
初めてのお客さまにはこの二本が鉄板です。
さすがの安定感でした。
公衆便所でキョロキョロしていた男に訪れる怒涛の1週間と、
齢50を過ぎて初めてSMクラブにやってきたお父さんの話。
「体操のお兄さん」「体操のお兄さん~finale」…
GOMOの鉄板ネタ「体操シリーズ」。
初めての土地ということで、「コンチン体操」と
「チンチン!カーニバル」を。
過去一狭い舞台で、ピアノを横目に踊りました。
なお、公式サイトで「Nov.16 Works」始めました。
Nov.16の楽曲を1曲単位で販売しています。
よろしければ覗いてください。体操の曲も売ってますよ。
創作落語「巌流島」…
7月末に坂口修一さんに上演してもらう演目「巌流島」。
かの有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の闘い、
本当はどんなだったのか・・・をバカバカしく描く。
この「巌流島」を含め、黒川落語の上演会「黒川寄席DX」は、
7月30日(日)大阪心斎橋のウイングフィールドにて。
「コイコイ詐欺」…
入場料を取っておきながら、気に入ったコントにお金を入れてもらう、
という詐欺。
結果はこちら。
第1位 講談「わらしべ長者」 1,800円
第2位 創作落語「巌流島」 1,457円
第3位 講談「SMクラブ」 300円
第5位 「体操のお兄さん」 200円
第5位 「体操のお兄さん~finale」 200円
第7位 漫談「二択」 100円
第7位 漫談「ドラえもん」 100円
合計 4,157円
(被害額累計 306,214円)
広島の皆さんは目が肥えてらっしゃいますね。
そして下ネタは苦手だということがわかりました・・・。
上演時間
約60分
動員
13名(内関係者2名)
今回の動員の9割以上は、広島で演劇制作を手掛けていらっしゃる、
舞台芸術制作室 無色透明の岩崎きえさんのご協力でした。
本当にありがとうございました!
- 2023/06/27(火) 00:31:51|
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THE GO AND MO'S 『黒川の笑 その25』
公演終了報告
日時
2023年4月9日(日) 14:00開演
会場
伏見いきいき市民活動センター 会議室305
料金
500円(終演後面白かったら追加歓迎)
クレジット
脚本・演出・出演/黒川猛
ゲスト/F.ジャパン(劇団衛星)
構成/中川剛、黒川猛
音楽/Nov.16
制作他/丸井重樹
協力/株式会社リコモーション
主催・企画製作/THE GO AND MO'S
京都芸術センター制作支援事業
ラインナップ
漫談DX…
年明けから取り組んでいる新漫談2本。
フリートークのような体裁でいながら、
ネタとして演じられる一人語り。
お客さまのリアクションを全身で受けながら、
絶妙な間とスピードをその場で調整していく。
緊張と緩和、瞬発力と持続力。
これはもう、お笑いのF1かもしれない。
コント「R.ジャパン」…
今回のゲスト、F.ジャパンさんによるコント。
というかラップ。というか、究極の自己紹介。
THE GO AND MO'Sのテーマソングに合わせて、
普段はけして明かさない秘密までがあからさまに!
ちなみにFさんは「京都役者ラップの会」所属だそうです。
講談「斎藤紋之丞」…
再創作講談を2本上演。
「人生ゲーム」は、何故か手作りの人生ゲームを制作した
おじいちゃんの話。世界恐慌から日中戦争、太平洋戦争、
終戦から復興へ・・・。暗黒かつ混迷の昭和初期を生き抜いた、
おじいちゃんにとっての人生の喜びとは?
何度目かの再創作ですが、何度聞いても、
「笑い話に涙がいっぱい、涙の後にはまずおっぱい」
は名言だと思います(3回目)。
「アナと雪」は「疣痔」を改題して再創作。
祖母と暮らすアラフィフ独身のおっさんが疣痔と格闘する話。
アナ、鼻、ハナ、穴、イボ、祖母・・・。
これについては多くを語りません。(語れません・・・)
「これ何? 何の話?」と聞く黒川に、
「こっちのセリフや!」と突っ込んだ人が多かったのでは。
「MouTube #13」…
様々な俳優が「MouTuber」として映像を製作し、
それに黒川と制作の丸井が突っ込みまくるという映像コント
「MouTube」。
今回は急遽、シスターKこと、黒川の妹さんからの投稿をお届け。
姪の「ことちゃん」と、黒川のご両親が登場。
本当に黒川一族には笑いの神が宿っていますね・・・。
諸般の事情により、この映像は非公開です。あしからず。
これまでの「MouTube」はこちらから >>>
LINK
コント「未来」…
黒川とF.ジャパンさんによる新作コント。
未来からやってきた二頭身の猫型ロボットと、
大人になってなおそのロボットに助けられ続ける男の「未来」。
私たちのよく知るそのキャラクターたちの「未来」は、
しかし、決して明るい「未来」ではなかった・・・。
ユニット美人の二人と制作した「ノスタルジー」に続き、
アニメキャラのその後の予想を大きく裏切るという要素に加え、
いわゆる演劇やコントの「お約束」をも茶化して裏切る、
二重構造のネタになりました。さらなる深掘りが期待されます。
人間なのに二頭身を思わせる体型を悪用し、
おちゃめな猫型ロボットを演じたFさんの、
ちょこまかした動きが秀逸でした。
コント「ヒーローオブコント」…
とあるコントを上演するためにやってきた黒川とFさん。
Fさんのセリフが始まるも、黒川は「このコントやめよう」と
切り出して・・・。
「ティーパックマン VS Tバックマン」という、
まさに中2が考えるような醜悪なコントをめぐり、
黒川とFさんの丁々発止のやり取りが繰り広げられました。
Tバック姿の黒川に延々説教をするFさんのシーンは、
傑作であったと共に、アラフィフのおっさんたちが、
このコンプライアンス遵守絶対の時代にどのように生き残るのか、
考えさせられました。・・・嘘です。
コント「記者会見」…
お客さま参加型コント。
事前に考えていただいた「F.ジャパンさんへの質問」を、
「2024年度後期NHK朝の連続ドラマシリーズ主役・桃林伸雄」
に質問してもらう、というコント。
お客さまもFさんも、どういう人に対する質問かはその場で初めて聞きます。
この回には、客席に多数の俳優仲間が紛れており、
恐るべし質問が飛び交う中、アドリブで必死に朝ドラヒロイン(?)として
質問に答えてくれたFさん。
お疲れ様でした!!
上演時間
約60分
動員
22名(内関係者1名)
※以下の、新型コロナウイルス感染症対策を行い、上演しました。
(公演パンフレットに記載)
・発熱や咳などの症状があり、体調の悪い方は鑑賞をお控えください
・受付にてアルコール消毒液を設置していますので手指の消毒をお願いいたします
・「三密」を避けるため、お客様同士が適度な距離をとってお楽しみください
・換気のため開場中はできるだけ扉や窓を開放し、上演中も空調機を作動させていただきます
・観劇後、2週間以内に新型コロナウイルスに感染したことが判明した場合は、制作(電話番号を記載)までご連絡ください
- 2023/04/24(月) 16:34:43|
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THE GO AND MO'S 『黒川の笑 その24』
公演終了報告
日時
2022年12月18日(日) 14:00開演
会場
伏見いきいき市民活動センター 会議室305
料金
100円(終演後いくらでも放り込んでください)
クレジット
脚本・演出・出演/黒川猛
ゲスト/
ユニット美人(紙本明子・黒木陽子)>>>LINK構成/中川剛、黒川猛
音楽/Nov.16
制作他/丸井重樹
主催・企画製作/THE GO AND MO'S
ラインナップ
漫談DX…
R-1 GP1回戦を目前に控え、最終調整の漫談2本。
「サイボーグ」と「二択」。
秋からこの2本に絞り、研ぎまくって繰り返しお客さまの前で上演して来ました。
演劇である一人芝居とも、トークイベントとも異なる、
限られた時間の中でいかに観客とのコミュニケーションを図れるか、
瞬発力と空気読みと正確性とセンスが究極的に求められる、
非常に奥深いジャンルだと、だんだんわかってきました。
もはやスーパーサバイバル格闘技ですな、これは。
来年も引き続きこの漫談には取り組んでいきます。
コント「ユニット美人でございま~す!」…
今回のゲスト、ユニット美人の持ちネタ。
遅れてきた上に没になったネタをやろうとする黒木さんに、
突っ込みまくる紙本さん。
喧嘩のテイが微笑ましい、二人の長年のコンビ愛を感じさせる、
ほっこりコントでした。
講談「斎藤紋之丞」…
新作講談を1本上演。
「橋の下」は、「斎藤記念美」で上演したネタを講談に再創作。
あえて橋の下で25年暮らす男性。その理由とは・・・。
日々の生活の中で度々見上げる先に見えるもの・・・。
執筆当時の心の闇を垣間見る、考えれば考えるほど気持ちの悪い話でした。
このコンプライアンス絶対の風潮でこのネタは、
ギリギリアウトか、セーフなのか・・・。
VAR判定やな。
「MouTube #12」…
様々な俳優が「MouTuber」として映像を製作し、
それに黒川と制作の丸井が突っ込みまくるという映像コント
「MouTube」。今回のMouTuberは、11月の黒川寄席でご一緒した、
玉田玉山さん。
一度も生で講談を見たことがないまま、オリジナル講談をやっている黒川に、
「また講談のようなものをやってますね!」と責める玉田玉山。
「今度講談演るので見に来てください!」と結局宣伝。
動画は公式サイトの映像Chで見れます。
コント「ノスタルジー」…
黒川とユニット美人による新作コント。
神妙な顔つきの男と女。そこに現れるもう一つの女。
女二人は男のかつての恋人と、今の嫁。
そして男は、その嫁とも離婚しようとしている。
二人の仲が悪くなったのは自分のせいなので、
仲直りしてほしいと切り出す男。・・・女二人は姉妹だった。
男の名は「カンタ」。
そして姉妹の名は「サツキ」と「メイ」・・・。
会うなり口汚く罵り合うサツキとメイ。
しかしそのうち、サツキがメイに真実を語り始め、
メイの心が氷解していく・・・。
「おねええちゃああああーーーん」「ばかメイ!」
抱き合う二人。唐突に流れ始めるあの主題歌。
踊りまくる二人。
「なんじゃこれ!?」
「コントだけど、コントじゃない!」
「コントや!!」
コメディエンヌとしての紙本さんの才能が爆発したコントでした。
コントとは思えない真面目な芝居から明らかなコントへのスイッチを
自ら作り出し、公演当日にアドリブ的に演じてみせたその技量は
素晴らしいものでした。
また一つ、名作コントが誕生した瞬間でした。
コント「体操のお姉さん」…
GOMOと黒川の鉄板ネタ「体操のお兄さん」と、
前回公演でも上演した「ファンタスティック歌劇団」へとつながる、
監督・黒川の無茶振りに応える出演者シリーズをかけ合わせたコント。
体操のお姉さんのオーディションに来た二人。
無理やり元気なキャラを捏造する二人に、
次々体操に不向きな曲を流して、体操をさせる黒川。
こちらでは黒木さんの天然ぶりが群を抜いていました。
「もうダメだ、オーディションは終了!」
「待ってください、もう1曲だけやらせてください!」
そしてまさかの「コンチン体操」が・・・。
かつて「チンチンカーニバル」を踊った女優はいましたが、
「コンチン体操」を嬉々として踊った女子二人は初めてです。
途中からは黒川もブルマ姿で参戦し、三人で組体操を披露しながら
終了しました。
・・・数年後に、ハラスメントで訴えられないことを祈っています。
コント「記者会見」…
お客さま参加型コント。
事前に考えていただいた「ユニット美人に対する質問」を、
「女性初のM-1グランプリで優勝した漫才コンビ」に質問してもらう、
というコント。
コンビ名は「卍固めレディース」。
M-1チャンピオンも、コンビ名も、ユニット美人の二人は初めて聞きます。
しかしその場で「卍固めレディースでーす、マンジ、マンジ!」と
ポーズすら決めてしまう抜群のコンビ力!
その後の観客からの質問にも、苦悩しながら回答。
お疲れ様でした!!
上演時間
約60分
動員
13名(内関係者1名)
※以下の、新型コロナウイルス感染症対策を行い、上演しました。
(公演パンフレットに記載)
・発熱や咳などの症状があり、体調の悪い方は鑑賞をお控えください
・受付にてアルコール消毒液を設置していますので手指の消毒をお願いいたします
・マスク着用のご協力をお願いいたします
・「三密」を避けるため、お客様同士が適度な距離をとってお楽しみください
・換気のため開場中はできるだけ扉や窓を開放し、上演中も空調機を作動させていただきます
・終演後の面会はできるだけ短い時間でお願いいたします
・観劇後、2週間以内に新型コロナウイルスに感染したことが判明した場合は、制作(電話番号を記載)までご連絡ください
- 2022/12/29(木) 00:44:38|
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THE GO AND MO'S 第34回公演『中村の嘘』
公演終了報告
日時
2022年10月
21日(金) 19:30
22日(土) 14:00/18:00
23日(日) 14:00
4ステージ
会場
THEATRE E9 KYOTO
料金
前売・予約 2,500円 当日 3,000円
**SNS割結果…8名の方が割引対象に。
最大2400円割引で、入場料100円の方がいらっしゃいました!
クレジット
脚本・演出・出演/黒川猛
出演/延命聡子(中野劇団)
大熊ねこ(遊劇体)
坂口修一
福田恵(劇団レトルト内閣)
二口大学
森本研典(劇団●太陽族)
構成/中川剛、黒川猛
音楽/Nov.16
制作/丸井重樹
舞台監督/北方こだち、長峯巧弥
照明/高木里桜
音響・映像操作/林実菜
衣装製作協力/鍵山千尋
当日運営アシスタント/永澤萌絵
記録写真/仲川あい
協力/(有)ライターズ・カンパニー、舞夢プロ
提携/THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
京都府文化力チャレンジ補助事業
KYOTO EXPERIMENT 2022 フリンジ「More Experiments」
京都芸術センター制作支援事業
主催・企画製作/THE GO AND MO'S
ラインナップ
「前説」…
第32回公演に続いて出演いただいている「前田セツ子」による前説。
今回は上演時間が告知よりも伸びたために、
開演時間より少し早めに前説を開始することに。
まだざわざわする会場を、それでも集中させて引き込む力は、
流石の一言でした。
「転校生」with 延命聡子(再創作)…
初演は「黒川の笑 その17」(2020年3月)。
その年の8月に開催予定だった「NAGOYA演劇SEKIGAHARA参」で
再演するために再創作していましたが企画がコロナで中止に。
今回の上演に際しても大幅に加筆修正しました。
大林宣彦監督の映画「転校生」
(その原作は、山中恒の小説「おれがあいつであいつがおれで」)
をモチーフに、15歳で心と身体が入れ替わった男女の15年後の話。
女子となった元男子は、男子になった元女子に告白しようと呼び出した。
しかし、元女子は元の自分の身体の中にはおらず、
更に別の人物と入れ替わっていた・・・。
元の自分の身体にはおっさんが・・・。
黒川得意のエセSFネタ。
誰と誰が入れ替わって、今誰の身体が誰なのか、
混乱につぐ混乱に加え、タイムリープも起こっていて、
本人を含めて訳がわからなくなったまま、勢いで煙に巻く。
「転校生」や「君の名は」などがもつ、
甘酸っぱさや爽やかさ、あるいは男女が入れ替わるデリケートさは微塵もない、
ドタバタコメディになった。
結局、男だったのか女だったのかよくわからない人物を、
延命さんが見事に体現。
「発見器」with 坂口修一(再創作)…
初演は「黒川の笑 その22」(2021年10月)。
とある取調室。「ウソ発見器」ならぬ「エロ発見器」で調べられる男。
次々と映し出される画像に対する反応を確認する刑事。
そのうち、どう考えてもエロくない画像に、過剰に反応する刑事・・・。
果たしてこれは何の捜査なのか。刑事の本当の目的とは?
取調室、明らかに怪しい機械、刑事と被疑者という、
コントの定番フォーマットに乗って、芸達者の坂口さんと黒川が、
丁々発止のやり取りで遊ぶ様が楽しい。
さんざんぱらふざけた後に待つ、どんでん返しが小気味よい作品。
余談ながら、初演時には単にパソコンだった「エロ発見器」は、
今回のテクニカルスタッフの手によってパトライトを搭載した
立派な機械になりました。
舞台監督をして「これが一番苦労した」そうです。
「奥さまは魔女です!」with 福田恵(再演)…
初演は「黒川の笑 その23」(2022年6月)。
こちらもコントの王道フォーマット、
アメリカンコメディ「奥さまは魔女」をモチーフにした作品。
奥様も旦那様もズラを被って、いわゆる「アメリカンコメディ」芝居。
しかし、コント中に差し挟まれる「ナレーション」に対して、
旦那様が突っ込むところで、世界が歪み、メタコントに。
登場人物には聞こえていない「てい」のナレーションに、
突っ込みまくる旦那さまと、とぼけまくる奥様。
やがて「ナレーション」と奥様が直接コミュニケーションを始め、
ますます突っ込む旦那様。
最後には「ナレーション」が<これがコントであること>をぶち上げて終わる、
コントの枠組みをぶち壊すコント作品。
「喜劇王 犬養チョップ」with 森本研典(再演)…
初演は第8回公演「白石の瓶」(2013年5月)。
その後、第22回公演「洋一の牙」(2016年4月)、
第23回公演「松村の右」(2016年10月)と再演を重ね、
今回が実に4度目の再演。
これは、黒川の一人コント「注文の多い風俗店」に次ぐ多さです。
(「体操のお兄さん」シリーズを除く)
黒川得意のエセ歴史ネタ。
戦前から戦後にかけて活躍した喜劇王・エノケンには、
実はライバルが存在した、という設定。
それが、森本さん演じる犬養チョップ。
オーソドックスなエノケンに比べ、マニアックでニッチな犬養チョップ。
それは、誰にでもわかる「笑い」でなく、常に新しい「笑い」を模索する、
THE GO AND MO'Sと黒川にも通じる要素です。
犬養チョップが製作した4本の映画を、黒川演じる活動弁士の語りで魅せる。
サイレント映画からトーキー映画に至る映画の歴史も駆け抜けながら、
驚くことにこのコント、森本さんの台詞は最後の最後に一言だけ!
(しかも英語で下ネタ)
これまで数々のGOMO作品に出演いただいている森本さんをして、
唯一「俺、この作品好きやねん」と言っていただいた作品の、
完成版となったと思います。
台詞を発さず、
<舐める(フリ)>、<飛ぶ>、<うどん食う>、<着替える>、<敬礼する>
だけであんなに面白い俳優を、他に知りません。
「ファンタスティック歌劇団」with 大熊ねこ(新作)…
本公演唯一の新作。元となったのは、過去の3作品。
第22回公演「洋一の牙」より「8代目スケバン刑事」(筒井加寿子さん出演)と、
その姉妹作品である第23回公演「松村の右」より「侍カンフー」(森本研典さん出演)。
そして、第10回公演「岩田の禁」より「デカチン刑事」です。
「8代目…」と「侍カンフー」は、
舞台上の俳優に、監督(演出家)である黒川が、無理難題を注文し、
それになんとかして応えようとする様を笑う、というものでした。
「デカチン刑事」は、身体の右側と左側を男女に分けて、
一人で2役演じるというネタで、初演後、第24回公演「斎藤の咳」では、
岡島秀昭さんが見事に演じきりました。
今回の「ファンタスティック歌劇団」は、この2つの要素をMIX。
ミュージカル作品のオーディションにやってきた俳優。
左をロミオ、右をジュリエットにして、
一人でロミオとジュリエットを演じきるところからスタートし、
演出家である黒川が、落選させるためにありとあらゆる難題をふっかけ、
それをなんとかこなそうとする、というネタになりました。
唯一の新作ということで、夏から始まった稽古は、
さながら大喜利だった(大熊さん談)。
そして滑りまくった(同)、そうです。
そうして<お題&その回答>の組み合わせの中から、
厳選したものが脚本化され、今回の上演に至っています。
とにかく、一人で二役を演じる、大熊さんの胆力!!
これがすごかったです。
なお、今回の作品に欠かせなかったのが、
ロミオとジュリエットを一人の身体で体現する「衣装」でした。
今ではプロの衣装さんとして活動している大学時代の後輩に連絡し、
大熊さんの宝塚歌劇団への<愛>を思う存分プラスして、
唯一無二の衣装が出来上がりました。
この衣装なくして、この作品はなかったと思います。
「魔法少女チヅコ」with 二口大学(再創作)…
初演はGOMO前進の劇団「ベトナムからの笑い声」による、
第17回公演「643ダブルプレー」(2004年11月)。
なんと、18年ぶりの上演です。
当時は劇団員だった堀江洋一と黒川の二人芝居。
黒川が父親、堀江が息子でした。
今回は、父親を二口大学さん、息子を黒川が演じました。
勉強している息子の部屋にやってくる父親。
なぜか突然、魔法少女になって困っている人を助ける、という。
息子の部屋で変身(着替え)し、窓から飛び出そうとする父親を、
わけも分からず必死に止める息子。
魔法?少女?チヅコ?
一つも意味がわからないまま、息子に魔法を試す父親。
ごく普通の家庭の、ごく普通の父親と息子ですら、
どうやってコミュニケーションをはかったらよいのかわからない、
現代の家族の肖像・・・なんてテーマには程遠い、
(もともとそんなもの無い)
ただただ、不条理な魔法少女とその魔法(?)に翻弄される息子の、
ドタバタコメディ。
二口さんにオファーするにあたり、この作品の上演しか考えられなかった、
という黒川の読み通り、二口さんが真面目に芝居をすればするほど、
面白さが増す。
今回の公演の感想に散見された、
「実はコントって芝居/演技力が重要」が最もハマった作品になったと思います。
ちなみに、この魔法少女の衣装も、「ファンタスティック歌劇団」の、
一人ロミジュリを製作したのと同じ人が創りました。
(18年前に黒川が着たものを使ってます)
そのモチーフは「美少女仮面ポワトリン」です。
「○○探偵○○!」with 全員 …
初演は「妄想コント」(2020年5月)。
その時は<妄想>でしたが、その後「黒川の笑 その18」(2020年6月)で、
大熊さんと黒川でリアル上演しています。
今回、念願のTHEATRE E9 KYOTOにて大人数での開催となりました。
黒川との二人芝居を終えた俳優たちが、その衣装のまま、
舞台に登場します。
開演前にお客さまから集めた「単語」を1枚づつ引き、
その「単語」を冠した探偵になって、なぞなぞを解く、という趣向です。
例えば「鉛筆」という単語を引いた俳優は、まずその場で自己紹介をします。
「どんな事件もスラスラ解決、鉛筆探偵トンボ!」とか。
その後は、その探偵のキャラでなぞなぞを解きます。
この作品、「即興で、あるキャラの探偵を演じる」ことに気が向きすぎて、
なぞなぞを解く方に頭が回らない、という事象が発生し、
そんなに難しくないなぞなぞのはずなのに、一向に解決しません・・・。
お客さまとしても、謎を解くというよりは、
俳優たちがどんなキャラを即興で演じるかの方に興味が向いてた、
と思います。
手練のゲスト俳優たち(二口さんは直前のコントに出演ということもあり、
俳優たちが引く単語の入った箱を持つ係でした、チヅコの衣装ですが)
は、さすがのキャラ作りと演技でしたが、
6本全ての二人芝居に出演した上に、
こういう即興ものが大の苦手の黒川は、
引いた単語の運もことごとく悪く、散々でした。
終演後 物販…
DVD『五輪』総集編(800円)
DVD『英雄』総集編(800円)
DVD『格闘』総集編(800円)
(DVD『身体』総集編(800円)完売)
朗読CD『斉藤記念美』(500円)
サントラCDmini『中と俺』(200円)
サントラCD『丸と俺』(500円)
サントラCD『黒と俺』(500円)
上演時間
約120分
(告知では90分としており、ご迷惑をおかけしました・・・)
動員
208名(内招待14名・関係者13名)
目標だった200名はかろうじて突破。
しかし、招待と関係者を除けば、181名で、
前回の京都公演と似たりよったりの動員数に留まりました・・・。
残念です。
オファーして出演が決定、7月に顔合わせを行って以来、
この豪華メンバーが集結することはもう二度と無いし、
THEATRE E9 KYOTOで単独公演出来る機会も、
おそらくもう無いだろう(今回は提携公演で特別条件でした)、
と思っていたので、前回の京都公演同様、
「今回だけは万難を排してご来場ください!」と、
告知に力を入れてきましたが、
黒川や制作の周りだけでも、ご来場いただけなかった方が多数いました。
重ね重ね残念です・・・。
引き続き精進します。
公演の出来としては、
それぞれの作品のクオリティ、順番を含めた構成、
これまでのGOMOの、ベストアクトだったと思います。
また、全ての二人芝居に出演した黒川は、
気力・体力を含め、最後まで走りきれるか心配でしたが、
落ちることなく、よくやったと思います。
今回の公演で浮き彫りになった課題は、
これまでもそうでしたが黒川の「演出力」です。
全てに出演し、かつ相手が手練の俳優だったことで、
現場としては相手役の俳優とああでもないこうでもないと相談しながら
創作できた、ともいえると思いますが、
最後の最後、全体を俯瞰して「どうするか」であるとか、
脚本家・演出家としての個性や譲れないニュアンスを活かしたまま、
観客に届けるにはどうすればよいのか、についてのスキルを磨くことが、
今後の課題かなと思います。
ともあれ、年に一度の関西本公演、内容的には大成功だったと思います。
あとは観客数だけです・・・。
※以下の、新型コロナウイルス感染症対策を行い、上演しました。
(公演パンフレットに記載)
・会場内では不織布マスク着用の上、会話はできるだけお控えください(笑い声除く)
・差し入れ等はお断りさせていただきます(お気持ちだけ頂戴いたします・・・)
・劇場内での俳優との面会はお断りしています
・換気のため開場中はできるだけ扉を開放し、上演中も空調機を作動させていただきます
・「三密」を避ける為に、お客様同士が適度な距離をとって、お楽しみください
・観劇後 2週間以内に新型コロナウイルスに感染したことが判明した場合は制作(電話番号を記載)までご連絡ください
- 2022/11/22(火) 00:43:42|
- 公演報告
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THE GO AND MO'S 第33回公演『謙造の拳』
公演終了報告
日時
2022年7月
2日(土) 14:00/18:00
4日(日) 11:00/15:00
4ステージ
会場
冷泉荘ギャラリー(福岡)
料金
前売・予約 1,800円 当日 2,000円
クレジット
脚本・演出・出演/黒川猛
構成/中川剛、黒川猛
音楽/Nov.16
制作他/丸井重樹
協力/パラ子
主催・企画製作/THE GO AND MO'S
パブリシティ
福岡の演劇をモーラする mola! >>>
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ラインナップ
漫談「黒川の噺DX」…
「黒川の噺」と「超・黒川の噺」を合体させた漫談。
「黒川の噺」は黒川の身の回りで起こった面白話や身内のネタを、
若干盛って語る話で、「超・黒川の噺」は、身の回りで起こった”てい”で、
全く荒唐無稽な妄想を語る話、その二つを混合して一つのネタにしました。
どこまでがホントウでどこまでが嘘(妄想)なのか、
というのもホントウは嘘なのか?!
今回のDXは、すべて黒川の身内にまつわる話。
福岡は黒川の実家があり、当然公演にはご両親もいらっしゃるわけですが、
その前で両親に関する妄想を語る・・・。
個人的には、
「タケちゃーーーーん!!タケノコば食べたとー?!」
がツボでした。
なお、本公演の打ち上げは黒川実家で行われ、
漫談で語られた黒川・父の数々の妄想を確認しようとしましたが、
どうにもこうにも煙に巻かれ、何一つ確認できませんでした。
ので、ご覧になった皆さん、いくつかはホントウかもしれませんよ。
講談師「斉藤紋之丞」…
黒川独自のスタイルで行う講談。
今回は2021年10月に初演した「彼女」と「オンライン」を再創作。
「彼女」は、初演終了後に「これ大丈夫?」と客席に問いかけたら、
多くのお客さまが指でバツ印を作ったという問題作。
男手一つで育てた息子が大晦日に連れてきた彼女が、
”愛子さん”だった、という話。
・・・卓球のあいちゃんじゃないですよ。
・・・カブトムシのaikoじゃないですよ。
・・・佳子さんでも、眞子さんでもないんですよ。
彼女と、彼女とイチャイチャする息子を目の前にした父親の、
寿命の縮まる48時間、その後の腹の括り方が見ものの話です。
もし自分の息子が連れてきたら、多分卒倒しますね。
「オンライン」は、コロナ禍で猫も杓子もオンラインになる中、
「オンラインおっぱいパブ」なる店を発見した、
47歳独身の男の苦悶を描く話。
おっパブに行ったことはありませんが、
オンラインでどうやっておっパブを実現するのか、
そのオチにニヤニヤしてしまう、
想像すればするほどどんどんいやらしくなるネタでした。
コント「落とし物」…
講談が終わって転換するはずなのに、暗闇から
「音楽止めて」「照明付けて」と声が聞こえる。
どうやら講談の終わりに何かを落としたらしい。
講釈台、座布団、着ている浴衣、引いてある赤毛氈、
全てをくまなく探すが、どうしても出てこない。
落としたのは片方のコンタクトらしく、
それがなければこの先のネタを続けることが出来ない。
激しく落ち込み、拗ね始める黒川。
そこに小さく流れてくる、あの名曲・・・。
ふと見上げた照明機材に乗っかっているコンタクトを発見、
名曲はサビに差し掛かり、大音量に。
「あったーーー!!!」
「見えたーーー!!!」
喜びを爆発させる黒川。
・・・というネタなんですが、伝わりました???
いかんせん、何回やっても、
探す→見つからない→落ち込む→拗ねる→発見→喜び爆発
という芝居が上手くいかないんです・・・。
「体操のお兄さん」「体操のお兄さん~finale」…
ここ数年「黒川の旅」や、関西圏外での本公演、コンペティション等で
繰り返し上演している、体操のお兄さんシリーズ。
N○K E○レのお兄さんよろしく、音楽に合わせて体操(踊り?)をする
だけのネタですが、歌詞の内容が下ネタという・・・。
どうしようもないネタです。
よく「チンチン体操」と言われますが、正しくは「コンチン体操」であり、
「チンチンカーニバル」です。
・・・どっちでもええわ!
創作落語「鼻」…
初演は2017年に客演で出演した、ルドルフ「まつろはぬものの記」の
おまけ公演として製作した創作落語。
ルドルフの主宰・筒井加寿子さんから「下ネタ禁止令」を出され、
芥川龍之介の短編小説「鼻」をモチーフにして製作してから、5年。
何度も何度もリ・クリエーションして上演してきました。
鼻が異様に大きいお坊さんが弟子とともに奮闘する話です。
コント「お前俺のことどう思ってんねん」…
初演は2018年「黒川の旅 vol.2~大阪」、
その後2019年に第29回公演「奈帆の鈴」で再演した、
観客参加型コント。
コロナ禍で、お客さまと接触せず、感染リスクを押さえて
どのように展開するか試行錯誤しましたが、
今できるギリギリのラインで開催しました。
ご協力いただいた観客の皆さん、ありがとうございました!
「バリバリ詐欺」…
入場料を取っておきながら、気に入ったコントにお金を入れてもらう、
という詐欺。第31回公演からは、菅人形と一緒に上演しています。
結果はこちら。
第1位 コント「お前俺のことどう思ってんねん」 5,227円
第2位 漫談「黒川の噺DX」 4,910円
第3位 創作落語「鼻」 3,381円
第4位 「体操のお兄さん」 3,335円
第5位 「体操のお兄さん~finale」 2,547円
第6位 コント「落とし物」 2,210円
第7位 講談師「斉藤紋之丞」 2,170円
合計 23,780円
(被害額累計 302,057円)
さすが黒川の実家のある福岡、詐欺被害額が2万円を超えました・・・。
ありがとうございました。
詐欺の傾向として、一生懸命稽古した演目よりも、
アドリブで構成する飛び道具的演目が額を稼ぐのですが、
今回も観客参加型で、
オチが毎回変わる「お前俺のこと・・・」がTOPでした。
講談が最下位だったのはちょっとショックですね。
精進しましょう。
終演後 物販…
DVD『五輪』総集編(800円)
DVD『英雄』総集編(800円)
DVD『格闘』総集編(800円)
DVD『身体』総集編(800円)完売!!
朗読CD『斉藤記念美』(500円)
サントラCDmini『中と俺』(200円)
サントラCD『丸と俺』(500円)
サントラCD『黒と俺』(500円)
上演時間
約75分
動員
56名(内招待14名・関係者8名)
前回の福岡公演(2020年7月)はコロナ禍真っ只中で、
「行きたいんだけれども、小さい空間に行くのはちょっと」
とずいぶん断られたのでした。
今年はずいぶん状況変わっていると思ったんですが、
目標だった100人には遠く及ばない結果となってしまいました。
まだまだ実力不足ですね・・・。
直前のご招待メールにいくつかの福岡の劇団が反応くださり、
来場くださったのが救いでした。
ご来場いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
また行きますよ、福岡!
その時はよろしくお願いいたしますね!!
※以下の、新型コロナウイルス感染症対策を行い、上演しました。
(公演パンフレットに記載)
・会場内ではマスク着用の上、会話はできるだけお控えください(笑い声除く)
・差し入れ等はお断りさせていただきます(お気持ちだけ頂戴いたします・・・)
・終演後の面会は、舞台と客席の間で距離を保ち、短時間にてお願いいたします
・換気のため開場中はできるだけ扉を開放し、上演中も空調機を作動させていただきます
・「三密」を避ける為に、お客様同士が適度な距離をとって、お楽しみください
・観劇後 2週間以内に新型コロナウイルスに感染したことが判明した場合は制作(電話番号を記載)までご連絡ください
・チケットご予約/ご購入の際に登録いただいたお名前と連絡先については、保健所の要請に基づき提供する可能性があります、ご了承ください
- 2022/07/06(水) 02:09:59|
- 公演報告
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