謎の彼女X 6話
今週は第6話でした。個人的に素晴らしい回だったと思います。
初回からキワモノ色が前面に出ていたこの作品ですが、どうやら純愛モノのようです。いやぁ、実にピュアというか、見てるこっちが恥ずかしいというか、じれったいというか。
今回、椿の昔の片思いの相手である早川さんが登場しました。
仲良さげに話す椿と早川に嫉妬する卜部……。いや、嫉妬ではなく、悲しむ卜部。
そして、その複雑な乙女心を、決して口で説明するのではなく、涎によるシンクロで椿に届ける。そして、卜部の感情を受け取った椿は無意識のうちに涙を流す。
ここが胸を打たれたというか素直に感動しました。涎というアイテムを、まさかこんな感動的なシーンで組み込んでくるとは。このシーンは音楽も演出も凄く良かったです。
感情というのは、口に出すとチープになってしまうこともあります。
言葉ではどうしても伝え切れない感情がある。だから、人は音楽や絵画などの『芸術』に昇華してそれを表現するという面を持っていますが、それでもその全てを完全に伝えることは出来ない。それは言い換えると、人は完璧に自分を表現する術を持たない、すなわち完璧には分かり合えない、ということでもあって。
でも、この二人は分かり合える。涎を通して、喜びも悲しみも憎しみも、擦り傷も淫夢だって共有できる。
言葉も芸術も要らない。涎が絆となって、理屈を越えて二人を結びつける。こんな純愛ストーリーがあったでしょうか。いやはや、素晴らしい作品だと思います。
しかし、この涎は、言ってしまえば反則技でもあります。舐めるだけで感情が分かる。分かり合える。うん、ずるい。
お互いをもっと深く好き合えば、あるいは言葉や芸術を越えて分かり合うことが出来るのかもしれません。深い愛情、例えば家族同士など、それくらい深い愛情が生まれればね。あ・うんの呼吸というか、理想の彼氏彼女というのは、こうして全てを共有できるパートナー同士であるべきなのかも。
原作がどこまで行っているのかわからないのですが、『涎による意思疎通』から『言葉・芸術を越えた愛情による意思疎通』へとステップアップしていく、というのがこの作品のテーマになるんじゃないかなぁと思います。ならないかもしれないなぁと思います。わからないなぁと思います。外れたら恥ずかしいので予防線を張っておこうかなぁと思います。
今回で謎彼熱が更に上がった気がします。次回も楽しみです!
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