ファミコン系音源の紹介(その2)
投稿日:2008-01-25 Fri
前回に引き続きファミコン系音源のプラグインを紹介します。今回はFM音源系とコモドール64系のものが中心です。
改定履歴
2008/1/23 新規作成
2008/1/25 HyperSIDの説明の誤りを訂正
■ Sam's VOPM(http://www.geocities.jp/sam_kb/VOPM/) フリーソフト
日本製のプラグインです。
昔のパソコン(PC8801/PC9801等)に搭載されていたYAMAHAの4オペレーターFM音源を再現しています。
使ってみると分かりますが、え?っと思うくらいプアーな音がします。(失礼)
当時はこれが最新音源だったんですよ。
PC9801ではFM音源3和音、PSG3和音(6だったかな)の音しか鳴らせなかったんですが、それを使いこなして素晴らしい音楽を演奏するクリエイターさんたちもいたわけですよ。一番印象に残ってるのが梅本竜さんですね。当時美少女ゲー(エロゲとも言う^^)の仕事をされていたんですが、パソコンとは思えないリズムとうねりを表現されていましたね。いまも活躍されていて、MML(テキストエディタ形式のMIDI言語)で音楽を作られています。興味のあるかたは http://risque-fellow.com/ をご覧ください。
OPM系のプラグインは他にもありそうなんですが、私はこれしか見つけることが出来ませんでした。
■ Pontonius POOBOY (http://www.pontonius.se/) フリーソフト
これはPSG系のプラグインですね。スウェーデンのPontus Olssonさんの作品です。何をモチーフにして作られたのかは明記されていませんでしたが、ネーミングとライブ映像から、ゲームボーイがモデルと断定しておきます。
Pontus Olssonさんは元々Amiga(アミーガ)やコモドール64の音楽プログラマだったようです。そういう背景もあってか、今もチップチューンをベースにした音楽活動をされているようです。
この絵を見て下さい。Pontusさんのライブ映像なんですけれど、ゲームボーイっぽいブツをもってピコピコ音を演奏しています。
公式サイトの[LISTEN]ページでライブ映像を見ることが出来ます。とても楽しい映像なので是非ご覧になってください。
■ de la Mancha Basic64 (http://www.delamancha.co.uk/basic.htm) フリーソフト
コモドール64をモデルに作成されたプラグインです。
使ってみると分かりますが、VSTとしての機能が本格的に作りこまれています。プリセットが128音分ぎっしり入っていますし、MIDIラーンにも対応しています。
[learn]ボタンを押してラーンモードにし、MIDIコントローラのツマミを動かしたあとにC64のツマミを回せばコントローラの割り当てができます。
コモドール64には、前回紹介したPSGより上位のチップが使われていたらしく、フィルターやリングモジュレータも装備されていたとか。
ジャズギタリストの川崎遼さんがC64の音に取り憑かれ、C64用の音楽ソフトを自作されたという話を聴いたことがあります。川崎遼さんは今こちらのサイト(http://www.satellitesrecords.com/)で活動されています。
■ Oli Larkin SE64 (http://www.olilarkin.co.uk/index.php?p=freeplugins) フリーソフト 商用利用時には寄付が必要
これもコモドール64をモデルに作成されたプラグインです。
面白いのは、プラグイン起動時と音楽再生開始時に必ず「ピコピコッ」と音がすることです。おそらくコモドール64の起動音をイメージしてるんだろうなあと。
操作がわかりにくいステップシーケンサーについて説明しておきます。
シーケンサーというよりは効果音(スイープ等)を表現するためのものですね。
+、-キーでシーケンサーのステップを増減できます。
■ HyperSynth HyperSID (http://www.hypersynth.com/hypersid.html) ドネーションウェア
これもコモドール64をモデルに作成されたプラグインです。
SIDというのは、コモドール64に搭載されていた音楽チップの総称のようですね。
起動してみるとすごく立派な画面が表示されます。
が、私の環境では音が鳴りませんでした。
サイトの記述を読み直してみると、どうやらハードウェアユニットが必要らしいですね。
こんなのです。
コモドールのシンセチップが搭載されているようです。本格的だなぁ。
■ あとがき
以上でファミコン系音源の紹介を終わります。
この記事を書く際、動画サイトでチップチューンについてリサーチしたんですけど、どうもハマってしまったようで、先ほどYMCKのアルバムをポチってしまいました。
リアルな音や最新の音を追求しなくとも音楽は成立するんだな、ということをあらためて認識させられました。
以上
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