SoundEngine FreeでWMAファイルを読み書きする
SoundEngine Freeのインストール方法については記事「SoundEngine Free(フリーのサウンド編集ソフト)の紹介」を参照してください。
■ WMAファイルを読み込む
WMAファイルを読み込むには外部コマンド wavext をインストールする必要があります。
(1) wavextのダウンロード
[WAVファイル変換・抽出ツールwavext(ベクター)]からwavext102.zipをダウンロードします。
(2) wavextのインストール
wavext102.zipを解凍し、WAVEXT.EXEとWAVDEST.AXの2ファイルをSoundEngine Freeの画面にドラッグアンドドロップします。
(3) コマンドラインの作成
[コマンドライン]タブを開き、下記の内容をテキストエリアに貼り付けます。
貼り付ける内容
[Open]
Extension=wma
Execute=wavext.exe
Parameter= 2 44100 16 $src $dst
Text=wma decode
[Open]
Extension=wmv
Execute=wavext.exe
Parameter= 2 44100 16 $src $dst
Text=wmv decode
ライブラリー名に「wma decode」を入力し、[保存]ボタンを押します。
(4) WMAファイルの読み込み
WMAファイルをSoundEngine Freeの画面にドラッグアンドドロップします。
WMVファイルをドラッグアンドドロップし、動画の音声を読み込むこともできます。
■ WMAファイルを作成する
WMAファイルを作成するには、マイクロソフト社が無償配布しているWindows Media エンコーダをインストールする必要があります。
(1) Windows Media エンコーダのダウンロード
[Windows Media エンコーダ 9 シリーズ] を開きます。
[続行]ボタンを押します。
「ベータ版のダウンローダをインストールするか?」という意味合いの英語のメッセージが表示されることがありますが、[No]をクリックしてください。
しばらくするとボタンが変化します。
[ダウンロード]ボタンを押します。
(2) Windows Media エンコーダのインストール
WMEncoder.exeを実行します。
[次へ]ボタンを押します。
[使用許諾契約書に同意します]をチェックし、[次へ]ボタンを押します。
インストール先はなるべく変更しないでください。
[次へ]ボタンを押します。
[インストール]ボタンを押します。
[終了]ボタンを押します。
(3) コマンドラインの作成
[コマンドライン]タブを開き、下記の内容をテキストエリアに貼り付けます。
Windows Media エンコーダのインストール先を変更した場合、テキスト中のパスを修正します。
貼り付ける内容
[Save]
Extension=wma
Execute=cscript.exe
Parameter="C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMCmd.vbs" -input $src -output $dst -a_codec WMA9PRO -a_mode 1 -a_setting 384_44_2_24
Text=wma WMA9PRO CBR 384_44_2_24 encode
[Save]
Extension=wma
Execute=cscript.exe
Parameter="C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMCmd.vbs" -input $src -output $dst -a_codec WMA9PRO -a_mode 2 -a_setting Q75_44_2_24
Text=wma WMA9PRO QVBR Q75_44_2_24 encode
[Save]
Extension=wma
Execute=cscript.exe
Parameter="C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMCmd.vbs" -input $src -output $dst -a_codec WMA9PRO -a_mode 3 -a_setting 256_44_2_24
Text=wma WMA9PRO BVBR 256_44_2_24 encode
[Save]
Extension=wma
Execute=cscript.exe
Parameter="C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMCmd.vbs" -input $src -output $dst -a_codec WMA9PRO -a_mode 4 -a_setting 256_44_2_24
Text=wma WMA9PRO PBVBR 256_44_2_24 encode
[Save]
Extension=wma
Execute=cscript.exe
Parameter="C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMCmd.vbs" -input $src -output $dst -a_codec WMA9LSL -a_mode 2 -a_setting Q100_44_2_24
Text=wma WMA9LSL lossless encode
ライブラリー名に「wma encode」を入力し、[保存]ボタンを押します。
(4) WMAファイルを作成する
[ファイル]-[名前を付けて保存]メニューを選択します。
[名前を付けて保存]画面が表示されたら、ファイルの種類を「WMAファイル(*.wma)」に変更します。
ファイル名を入力し[保存]ボタンを押します。
保存品質の選択画面が表示されます。項目を選択し、[OK]ボタンを押します。
各項目の意味は次のとおりです。
・wma WMA9PRO CBR 384_44_2_24 encode
CBR(固定ビットレート)/384Kbps/44kHz/ステレオ/24ビット
・wma WMA9PRO QVBR Q75_44_2_24 encode
VBR(可変ビットレート)/品質75%/44kHz/ステレオ/24ビット
・wma WMA9PRO BVBR 256_44_2_24 encode
VBR(可変ビットレート)/256Kbps/44kHz/ステレオ/24ビット
・wma WMA9PRO PBVBR 256_44_2_24 encode
VBR(可変ビットレート)/最大256Kbps/44kHz/ステレオ/24ビット
・wma WMA9LSL lossless encode
VBR(可変ビットレート)/品質100%(劣化なし)/44kHz/ステレオ/24ビット
■ 補足
(1) SoundEngine Freeのコマンドラインとは?
外部コマンドを使ってファイルの読み書きを行う仕組みです。コマンドラインでファイルの拡張子・実行する外部コマンド名・外部コマンドに渡すパラメータを定義することで、新しいファイル形式に対応できます。
外部コマンドとコマンドラインを追加することで、WMA以外の形式(例えばAPE形式)を読み書きすることもできます。
コマンドラインの詳細については [SoundEngineコマンドライン置き場 / フォーラム / Cycle of 5th] を参照してください。
(2) WMAファイルの保存品質の変更
コマンドラインで定義された、Windows Media エンコーダ(WMCmd.vbs)に渡すパラメータを変更すれば、WMAファイルの保存品質を変えることができます。
WMCmd.vbsのパラメータについては、ヘルプファイル C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMEncUtil.chm を参照してください。
また、コマンドプロンプトで次のコマンドを入力すれば、WMCmd.vbsの全パラメータを表示することができます。
cscript "C:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\WMCmd.vbs"
■ 最後に
本記事の作成にあたっては、[SoundEngineコマンドライン置き場 / フォーラム / Cycle of 5th] のhm1さんの書き込みを参考にさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
以上