今日の注目株&相場見通し

【12月13日の注目株&日本株市場見通し】12月高配当株のJT VS INPEX、どっちが買い?/来年は内需株/日経平均反落 「デイリーZAi」12/13号

2024年12月13日公開(2024年12月13日更新)
ザイ編集部
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◆今日の内容を10秒でチェック!
・ECBが追加利下げ決定も、米インフレ懸念や急伸の反動で日経平均は反落...
・今日は12月高配当株定番のJTとINPEXを比較分析!
・コラムは万博&ジャングリアなどで注目の内需株

【1】今日の株式相場早わかり!
米株安が重荷も円安が下支え

 日経平均株価は5日ぶり反落! 12日の米国市場で主要株価指数はそろって下落。11月の卸売物価指数(PPI)の伸びが予想を上回り、長期金利が上昇したことで、株価の割高感を意識した売りが出た。一方、欧州中央銀行(ECB)は予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決定し、一段の利下げを示唆。また、スイス国立銀行(中央銀行)が0.50%の大幅利下げを決定したこともあり、欧州市場ではドイツのDAX指数が最高値を更新した。他方、米株安を受けて今日の日経平均株価は下落スタートすると、一時は600円安まで下げ幅を拡大。前日まで急ピッチで上昇してきた反動で売りが膨らんだ。ただ、その後は外国為替相場の円安を支えに下げ渋る展開となった。

 防衛増税を巡って所得税の増税時期の決定の先送りが伝わり、三菱重工業などの防衛関連株が大きく下落。また、半導体株の多くが下落したが、決算でAI需要の急増が確認され、時間外取引で急伸した米ブロードコムの動きを受け、アドバンテストは買われた。

日経平均】39470.44円(-378.70円)
グロース250】644.81(+3.17)
NYダウ】43914.12ドル(-234.44ドル、12日)
ナスダック】19902.842(-132.052、12日)

■日経平均株価チャート/日足・6カ月

日経平均株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)※画像をタップで最新データに飛びます
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【2】今日の注目株!
12月期の定番高配当株、どちらが買い!?

 12月6日12月期の高配当株を紹介した。今日はその延長線上の企画として、12月高配当株の中でも定番のJTINPEXの2つを比較してみたい。ずばり、両者のどちらが買いかを分析してみよう。

JTとINPEXの比較

 配当利回りはINPEXが4.38%、JTは4.65%と大きな差はない。2025年12月期予想ベースでも差は少し開く程度。減配実績にもほとんど差はない。そのため、配当面だけでは判断しづらく、期待できる値上がり益と株価変動(ボラティリティ)のバランスが重要となる。

 来年、ボラティリティが大きくとも値上がり益がより期待できるのはINPEXだ。JTのROEは13%前後でPBRが2倍近い一方、INPEXのROEは8%程度でPBRは0.5倍台。利益率や株価指標の面で課題を抱えるのはINPEXだが、その分、改善余地があるともいえる。もともと自社株買いに積極的なこともINPEXの魅力だ。INPEXは、通期決算が発表される2月頃に新中計が発表される可能性があり、そこで株主還元方針が見直されれば、株価上昇のきっかけにもなり得る。

 一方、国際エネルギー機関(IEA)が来年の世界石油市場の供給過剰を予想するなど、原油市況の見通しは良くない。ただ、地政学リスクやトランプ米次期政権による財政拡大などインフレ再燃の可能性もある。今の原油市況は低迷(悪材料)をすでにある程度織り込んでいる一方、高騰(好材料)はほとんど織り込んでおらず、これはINPEXの株価上昇要因になり得よう。

 JTは安定した成長・増配が見込まれるが、目立った注目イベントがない。また、防衛力強化のための財源を目的とした、たばこ増税の影響など不透明感もくすぶる。ボラティリティを許与できるのであればINPEX、安定性を重視するのであればJTという選択がよいだろう。
(ザイ配当アナリスト 仲村幸浩)

■INPEX株価チャート/日足・6カ月

INPEX株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『ホットなテーマ!』」
内需株に関心、25年は大阪・沖縄に注目!

 10月の毎月勤労統計調査では、物価変動の影響を除いた実質賃金が前年同月と比べ横ばいになり、3カ月ぶりにマイナス圏から脱却した。その追い風もあってか、小売・外食各社の11月売上高は好調なものが多かった印象だ。また、トランプ次期米大統領が保護主義的な政策を掲げていることもあり、足元で内需株への関心が高まっているようだ。

 2025年のスケジュールを眺め、消費刺激が期待できそうなイベントを探ってみよう。4月13日には大阪・関西万博の開幕が控えており、ちょうど4カ月後に迫った。また、沖縄では2025年に大型テーマパーク「ジャングリア」の開業が計画されており、大阪と沖縄は観光客の更なる増加が期待できそうだ

 万博をめぐっては建設費高騰の影響やチケット販売の不調などが取りざたされているが、開幕が迫るにつれて盛り上がりを見せてくると期待したい。今年3月に経済産業省が公表した試算では、万博の経済波及効果は約2兆9000億円、このうち来場者消費は1兆3777億円となっている。期待が高まるのはJR西日本などの鉄道株だ。旅客輸送だけでなく、流通・ホテルなどの幅広い事業で観光客増加の恩恵が見込まれる。小売では阪急阪神百貨店などを擁するエイチ・ツー・オー リテイリングに注目。また、大阪に本社を置く企業としては他に高島屋近鉄百貨店ロイヤルホテルなどがある。

 「ジャングリア」は世界自然遺産「やんばる」を擁する沖縄北部の大自然を舞台に、都会にはない興奮と贅沢を体験できるテーマパークとなる。地域経済の活性化は小売大手のサンエー沖縄セルラー電話といった沖縄企業にとって追い風になりそうだ。おきなわフィナンシャルグループ傘下の沖縄銀行や家賃保証・賃貸保証会社の全保連は「ジャングリア」に出資し、後押ししている。

大阪・沖縄関連銘柄(大阪・関西万博、「ジャングリア」)

小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。

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