私の知らないテンソクの世界
今日は「週刊新刊全点案内」2386号の発行日です。
掲載件数は1086件でした。
*こんな本がありました*
「昆虫展足の世界」
福井敬貴 小林一秀(著)
STRAIGHT メディアパル(発売) (2024.12)
テンソクと聞いて思い浮かんだのは、足を大きくしない風習でしたが、もちろんその纏足とは全く関係ありませんでした。
展足とは、昆虫標本を作る際に無数の針を使いポージングをしていく技術のこと。(展脚とも言うそうです。)
なんでも「日本人の展足への拘り・技術は独特の文化をかたち作っており世界的に見ても異質なもの」(メディアパルHPより)だそう。
その芸術性と技法、処理前後の変化などが、美しい写真とともに紹介されています。
昆虫標本を作ったことがないため、この本で「展足」という言葉に出会うまで、標本作成時にここまで緻密な作業が必要だとは思っていませんでした。
確かに、極力見た目のいい個体を選んでいるとしてもあんなに美しい姿勢で息絶えている虫がいるわけないですよね...。
世の中には知らない世界たくさんがある!と思えるのも本を手にする醍醐味。この本を傍に置いて実際に私が展足の作業を行うことは、おそらくこれから先無いかなと思いますが、とても面白い世界を垣間見ることができました。