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アンコール遺跡
2008/01/30 20:28:27 | 世界の遺跡 | コメント:0件




アンコール遺跡は、世界三大仏教遺跡の一つで、現在のカンボジア王国にある、非常に有名な遺跡群です。

遺跡群に中には、特に有名なアンコール・ワット(寺院)や、アンコール・トム(城砦都市)が存在し、

アンコール・ワットはアンコール遺跡より通りが良いかもしれません。

ですから、アンコール・ワットがアンコール遺跡であると勘違いされることもあります。

日本でもテレビ等で放送される場合は、アンコール遺跡ではなくアンコール・ワットとして

紹介される場合もあり、それが勘違いに拍車をかけているのもしれません。



アンコールは、クメール王朝の首都で、9世紀頃から築かれはじめ、12世紀の中ごろから後半にかけて、

スーリヤヴァルマン二世によってアンコール・ワットが、

ジャヤヴァルマン七世によってアンコール・トムが建設されました。

パガン王朝の隆盛により、13世紀に小乗仏教がインドシナを席捲するまでは、

クメール王朝では、ヒンドゥー教と大乗仏教の混じり合う宗教が信仰されており、

それが遺跡の多くに現れています。



クメール王朝は、6世紀頃メコン川中流域に興った真臘(しんろう)の王朝です。

真臘は、かつて扶南の属国でしたが、6世紀末に隆盛し、7世紀には扶南を併合しました。

しかし併合後、後継者不在から国内が混乱し、8世紀初めに水真臘と陸真臘に分裂。次第に衰退しました。

陸真臘はメコン川中流域、水真臘はメコンデルタ地域にあり、水真臘の一部はジャワに従属していました。

8世紀末、ジャヤバルマン二世が国内を再統一し、ジャワへの従属を断ち、クメール王朝を再興しました。

上記のスーリヤヴァルマン二世の頃、インドシナ半島のほぼ全域を支配下とし、

ジャヤーヴァルマン七世の頃には、真臘の最盛期を迎えます。

その後は衰退し、14世紀後半からタイのアユタヤ朝の侵略を受け、15世紀前半にクメール王朝は陥落。

プンニーア・ヤート王は、アンコールを放棄し、プノンペンへ遷都しました。

遷都後は真臘の名称は使われなくなり、16世紀後半には現在と同じカンボジアと呼ばれるようになりました。






アンコール・ワット

スーリヤヴァルマン二世によって建てられた、ヒンドゥー教の寺院です。本尊はヴィシュヌ神。

プンニーア・ヤート王による遷都の後、長らく忘れ去られていましたが、

16世紀中頃に再発見され、改修を受けます。

この時、本尊のヴィシュヌ神を、4体の仏像に置き換えたと言われています。

伽藍(がらん:寺院の主要建築物)は、主に砂岩とラテライト(熱帯雨林の赤土)で築かれている、

非常に美しい建築物です。

ラテライトには雨季と乾季の繰り返しにより、表面に鉄分やアルミニウムが集積し、

固結することで、優秀な建材となります。アンコール遺跡の特徴でもあります。

回廊には、インドの叙事詩マハーバーラタのレリーフや、

ラーマと猿が魔王ラヴゥアーナと戦っているラーマーヤナの説話のレリーフ、

多くの女神のレリーフなどがあります。

16世紀末、ポルトガル人のアントニオ・ダ・マグダレーナが西洋人として初めて参拝しています。







アンコール・トム

ジャヤヴァルマン七世によって建てられた、クメール王朝の城砦都市です。

5つの城門と、高さ約8mの城壁で囲まれた、強固な城砦都市であったことが推察されます。

城門は塔形状となっており、東西南北の城門には巨大な観世音菩薩の彫刻があります。








カンボジアは、第二次世界大戦後に独立しましたが、内戦の勃発やベトナム戦争の飛び火により、

政情不安の状態が続きます。

その後はポル・ポト派の支配、ベトナムのカンボジア侵攻に至ります。

政権を追われたポル・ポト派は、ゲリラ戦を展開し、カンボジア国内に多くの地雷を仕掛け、

アンコール遺跡を陣地として使用しました。

アンコール遺跡は堅固な城壁で囲まれ、陣地として使用するには最適なうえ、

非常に重要な遺跡であったため、ベトナム軍も大規模な攻勢に出られなかったといわれます。



ポル・ポト派は、共産主義勢力であったことから、支配時及び陣地としての使用時に、

アンコール遺跡や、その仏像群を破壊しました。

現在は地雷撤去及び遺跡の復旧が進み、1992年に世界遺産登録がなされましたが、

カンボジア国内に埋まる地雷は、まだ被害を出し続けているようです。




 
 
関係するクエスト等 ( )は発見物

 悠久の微笑み(アンコール遺跡) 視認5 宗教学7 モン・クメール語

 時代の守護者(ジャヤヴァルマン7世の頭部) 探索4 財宝鑑定6 開錠4

 獅子の頭を持つ像(ノラシンガ像)探索3 宗教学5 タイ・ビルマ語

 アプサラの舞(天女の舞衣) 探索7 財宝鑑定9 開錠7

 組まれた女神(ラクシュミーのレリーフ) 探索3 宗教学5 モン・クメール語

 女神の集う場所(女神柱) 探索3 宗教学5 モン・クメール語
 
 ラーマを助ける猿の神(ハヌマーンのレリーフ) 探索3 宗教学5 モン・クメール語
 
 

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