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カセグレン式(廉価版)反射経緯台による木星、土星の観望



おっ・・すぅっげ・・・(感心)

先週土曜日に、部屋の片隅で埃をかぶっていたカセグレン反射(廉価版)
「ケンコー スペーシア800」
という名前からして、「初心者が買ってはいけない望遠鏡」臭がプンプンするわけですが。

こちとら一応は天文歴40年(休み多し)
光軸調整を必死でやって、性能を引き出してみようではないかと。

月曜夕刻は、雨上がりでよく腫れて上空大気の状態もよく、惑星観望には良い天気。

逸る気持ちをおさえつつ、望遠鏡を木星に向けてみる。

3_20221121200149b16.jpg

先週土曜日のテストでは、「同スペックのニュートン式反射に遠く及ばない」.と書いたわけですけど…

センセンシャル!

なんとまぁシャープな見え味よ。
同スペックニュートンと同等とまではいかないが、それに迫る見え味に息をのんだ。
「かわいい木星」だなんてとんでもない、堂々とした姿におっきした。

これは撮影に挑戦するしかないと、コンパクトデジカメを三脚につけて接眼部に覗かせるコリメート撮影。

冒頭の写真は、さっき(18時すぎ)に撮影(トリミング)。
写真よりも眼視のほうが、木星の縞模様がはっきりわかんだね。
写真でも、2~3本の縞模様と極に近いところの色が濃いのがわかる。

4_20221121200151d83.jpg

調子に乗って、南西に傾きつつある土星にも望遠鏡を向ける。
ガリレオが「この星には耳がある」と驚いたという伝説、まさにそんな感じ。

写真は結構画像処理してるけど、ちゃんとリングになってる。
もちろん眼視でもリングはくっきり。

球面鏡の悪いところを、800ミリ(F8)という焦点距離で補っているのかもしれない。

月食撮影などには使えないかもだけど、軽量で移動が楽なんで、冬の観望に活躍してくれそうで楽しみ。

テーマ : 星・宇宙
ジャンル : 学問・文化・芸術

カセグレン式(廉価版)反射望遠鏡の調整



部屋の片隅で埃を被っていた口径10㎝カセグレン反射を引っ張り出し、光軸調整をしてみる。

カセグレンというと、シュミットカセグレンのイメージが強いけれど、この純カセグレンもなかなか良い味出してます。

2_2022111921201960e.jpg

しかし、鏡筒の入り口1/3を副鏡が覆っているのは…
主鏡の直径は10㎝あるけど、これは実質6㎝程度では。

三本の鉄の棒で副鏡のセンタリングはやってあるので、あとはひたすら副鏡の3つ三角形に並んだネジを、六角レンチで少しずつ回すだけ。
鏡筒後部の覗き口から見て、同心円に見えるように…ってマニアックな話はいいんですが。

7割がた合わせて、次はベランダ観測所に出して実際に明るい星を見て微調整。
それでも目分量だし、素人同然の筆者には8割強までしか合わせられないのですが。

木星を見ると「かわいい」
この時点で、数字上同スペックのニュートン反射に遠く及びません。
倍率を133倍に上げて見ると、まぁかわいいけどそこそこシャープには見えるかな?
薄雲ごしというのがもどかしい。

カセグレンは、鏡筒の後部から覗く仕様が長所とされているけど、高い空を見るには光軸を直角に曲げる「天頂プリズム」が必須、上を向いて覗くのは首が持たない。
天頂プリズムは、像が鏡に映したような裏返しになるのが嫌なんだよなぁ。

本来主鏡を放物面鏡、副鏡を双曲面鏡になるように研磨しなければならず、非常に製作が難しいためあまり作られない望遠鏡。
うちのカセグレンはどっちも安い球面鏡を使っているだろうからよく見えないんだ…やっぱり値段です望遠鏡は。

とりあえず天気の回復を待って、木星や月を見るのが楽しみです。

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2022年11月8日 皆既月食 天王星食



昨年11月19日の部分月食以来の月食観測。

皆既月食としては、2018年1月以来の好天に恵まれました。
口径10㎝反射赤道儀という望遠鏡と、コンパクトデジカメの組み合わせでは、スッキリした写真が撮れるはずもなく。
とにかく、与えられた機材でなんとかしよう。

連続写真左上から右下へ、全部で108枚も撮影してしまいました。

今回は地球の影の中心近くを月が通ったので、かなり暗い印象。
そういえば去年あたり、火山が噴火した影響もあるのかも。
噴煙が上空の大気を濁らせて、皆既中の月を照らす赤い光が少なかった可能性も…あるかも。

写真を撮るのに夢中で、思い出がないという失敗談を聞いたことがあるので、肉眼や双眼鏡でもよく脳味噌に焼き付けておきました。
10円玉のような月が、刻々と姿を変えていく、赤銅色の月がぽっかり浮かぶ秋の快晴の夜空はなんとも幻想的。

個人的には、皆既の始まり前後と終わり前後が好き。
細く光る部分食の欠け際が、青っぽく見える「ターコイズフリンジ」が美しい。
地球の影の奥深くに月が入ると、とくに望遠鏡で見た場合ネズミ色っぽく見えてあまり美しくないし、撮影も難しいのです。

で、今回は皆既中の月が、天王星を覆い隠すというオマケつき。

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矢印のツブが天王星です。
20時40分頃に月の後ろに隠されるということで、1分前から望遠鏡で睨みつけていました。
月の縁にくっついた!→消えた!の間が、2.5秒くらい。

東京のYoutubeの中継を聴きながら見ていたけど、地元では少し遅れて掩蔽が起こって、視差(見ている地点の差)を感じることができた。

ということで、風邪ひいたみたいなんで薬飲んで寝ます。

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明けの明星 2022年1月14日



午前6時30分頃撮影

母上をデイサービスに送り出すため、朝6時すぎに起こしにいくわけですが…
昨年末に夕方の南西の超低空に光っていた金星が、地球をインコースから追い越して明け方の東天にまわったのが見えたので、慌てて望遠鏡をベランダ観測所に出して観望と撮影。

8㎝マクストフカセグレンは正立プリズムを装備しているので、丁度昔の「月星シューズ」のマークみたいに下が光ってる美しい形に見えた。
デジカメを望遠にして、接眼レンズに向けてコリメート撮影、手ブレがひどくて何度も撮りなおしましたが。

地平線から高度10度くらい、地上の景色の電線の間をつっきって昇ってくるわけですが、日の出との競争で焦りました。

2_20220115030554b5c.jpg
観測時そのままの角度の望遠鏡

ほとんど水平。

これから金星は、次第に地球から離れて、数か月後にぐるりと太陽の向こうへ周って外合となります。

ぶ厚い大気に覆われ、太陽から近いために蒸し焼き状態と言われる金星。
過酷な環境にはとても見えない、いかにも美の女神という感じの輝きだった。

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月食と日食のはざまで



11月19日に地球の影に入って月食を起こした月が、ぐるりと明け方の東天低空にまわりました。

12月3日の夜明け前の写真、糸のように細い月と、月の夜の部分がぼんやり光る「地球照」
文字通り、月の夜の部分を地球が照らしている現象。
月面から見る地球は、結構明るいのだと思う。

月面に立って見上げると、細く欠けた地球の夜の部分が月あかりでぼんやり光って見える…かもしれんけど、そんなの見たら人生観が変わってしまうかもなぁ。

12月4日には、この月が更に東へ移動して(写真だと左下)太陽と重なる「皆既日食」が起こるのだけど。
残念ながら見えるのは南極大陸、地球上に落ちる月の影は小さいから、見える地域がかなり限定されます。
日本から見ると、月が太陽の南側を通過してしまって日食にならず。

まぁこのコロナ禍では、わざわざ観測に出かける人もいないと思うけど…

月食と日食はセットで起きることが多いです。
平たく言うと、太陽、地球、月が一直線に並んだときに起きる現象なんで(日食は太陽、月、地球の順)、月がぐるりと半周したときも一直線に並びがちだから。

日食、月食の周期は18年と11日(または10日)
2003年に、同じような食があったはずだけど覚えてないなぁ…

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Author:五十路
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