2006.05.15 (Mon)
異食症(Pica)

こうした症例は、一般的には 「pica(パイカ――異食症)」 といわれるそうで、picaはラテン語でカササギの意。 カササギという鳥が穀類や昆虫など手当たり次第になんでも食べてしまうことから名付けられたそうです。
もともと**というのは、好奇心からいろんな異物を口に入れてしまうものですが、異食症とよばれるのは対象物にあきらかに食欲をもって摂食し、それが一ヶ月以上続いた場合。 あらゆる年齢層でみられますが、とりわけ顕著なのは妊婦と**、そのほか自閉症児の子供にもよくみられるそうです。
嗜好の例をあげると、石炭、土、砂、粘土、チョーク、ガソリン、石鹸、歯磨き粉、布、毛髪、便、人肉、タバコの吸い殻、茶殻、また食用のものでも、小麦粉、火を通していないジャガイモ、でんぷん、氷など多々におよびます。
これらは例えば喫煙のように、ニコチンを摂取する目的で嗜好物となったり、また民間療法でもミネラルが不足する妊婦に土を食べさせたり、土を煎じて飲ませたりということは昔からあったそうです。 ただ問題となるのは、こうした嗜好品に劇物や金属片など消化できない物質が含まれていた場合ですよね。 たとえば自殺企図として、半月の間、ホッチキスの針や釘などの金属を飲み込み続けた女性など、本来の異食症とはちょっと意味合いが異なるかもしれませんが、こうした戦慄すべき例もあったり。
そういえば、友人にもいましたけど、ジュースを飲んだ後、コップに残った氷をガリガリかじらなけば気が済まないという女性は氷食症の疑いあり。 鉄分を補うと止まるそうです。