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裏オリンピック計画 | 宇野常寛
2020-07-27 07:00
今朝のメルマガは、『宇野常寛コレクション』をお届けします。今回取り上げるのは、幻となった「2020年の東京オリンピック」についての2014年時点の展望です。新型コロナウイルス危機がなければ、まさに開幕したてだったはずの東京五輪。目下、開催は2021年に延期されていますが、もはや1964年の高度成長期のような「国民が一つになる」夢が実現不能なことが誰の目にも明らかな状況のなか、この祭典をめぐって、私たちは何を考えるべきだったのか。開催決定当時の空気感とともに、改めて再確認してみてください。 ※本記事は「楽器と武器だけが人を殺すことができる」(メディアファクトリー 2014年)に収録された内容の再録です。
2020年に開催予定だった東京オリンピック計画と、それを契機にした東京と日本の未来像について、気鋭の論客たちが徹底的に考える一大提言特集『PLANETS vol.9 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』、好評発売中です! オリンピックという、本質的には時代遅れな国家的イベントへの様々な立場からの賛否を超え、安易な「1964年の夢よ、もう一度」という懐古的なイメージを一新。リアリスティックでありながら、スポーツに興味のない人々をもワクワクさせる、PLANETSならではのオリンピックと東京の姿を描き出します。詳細・ご購入はこちらから。
宇野常寛コレクション vol.27裏オリンピック計画
僕がオリンピックの誘致について最初に意識したのは、今年の春に代々木の第一体育館で行われた東京ガールズコレクションに出かけたときだ(僕は職業柄、こうしたガラでもないタイプのイベントにも出かけたりするのだ)。そのまるで90年代で時間が止まったような、「流行」も「時流」も東京のマスメディアと広告業界が創出し、発信できるのだという(僕らからすると申し訳ないけれど時代遅れに見える)自信にあふれた空間に、眩暈がしたのを覚えている。 そんな中で、特に僕がぎょっとした──ほとんど嫌悪感すら覚えた──のが、会場に設置された東京オリンピック誘致への国民の賛意を訴える「広告」パネルだった。そこにはいわゆる「テレビタレント」と「スポーツ文化人」たちが、「(五輪招致が成功したら)私、〇〇〇〇は〜します」という「公約」が、ただし限りなくジョークに近いものが掲げられていた。たとえばお笑い芸人の浜田雅功(ダウンタウン)は「開会式のどこかのシーンで見切れます」と、女子サッカー日本代表選手・澤穂希は「銀座のホコ天でサッカーの試合をします」と、掲げている。僕はこういう遊び心を悪いとは思わない。しかし、この広告を一目見た瞬間にどうしようもなく白けてしまった。はっきり言って、サムかった。タレントのホラン千秋は「ちょっとの間、ゴリン千秋に改名します」と「公約」を掲げていたが、基本的にテレビを流しっぱなしにするという習慣のない(気になる番組だけを録画で見る)僕は彼女が何者なのかも分からなかった。その状態で「ドヤ顔」でつまらないダジャレを目に観させられても、何というか反応に困るしかない。そして何より、僕がウンザリしたのはこの企画(「楽しい公約プロジェクト」というらしい)を考えて実行した人たちは、いまだにテレビや広告が「世間」をつくることができて、人気者とそうでない者との差をつくることができて、そして世論をコントロールすることができると思っていることだ。誰もがテレビを見て、テレビタレントを「人気者」として認知する「世間」に所属していると思っているのだ。 もしそんな世の中が持続しているのなら、広告屋もテレビ業界も昔のように羽振りがいいはずだし、コミックマーケットもニコニコ動画もボーカロイドも普及していない。テレビに出ない(出られない)ライブアイドルのブームも起こらない。もはや、誰もが家にいる間はお茶の間のテレビをつけっぱなしにして、そこで扱われていること=世間の出来事という「前提」を共有しているのは社会の半分でしかない。いまだに20世紀を生きる、旧い日本人だけだ。そんな自明のことが頭に入っていない(もしくは目を逸らしている)人が税金で報酬が支払われるプロジェクトの広報を担当して、大手を振って歩いているのだ。(結果的に招致は成功したからいいようなものの)五輪招致の、国内に対する広報戦略で重要なのは招致反対派を抑え込むことだ。招致には現地住民からの「支持率」がものいうという。このとき重要なのは「(僕のような)特に五輪自体に関心はない、したがって大反対ではないけれど、面倒なのでできれば来ないでほしい」と思っている層を明確な「反対」層に育てないことだ。しかし、こういう広報戦略は、オールドタイプのマスコミたちの勘違いは間違いなく僕たちのような層の反感を育てるだろう。実際、僕はその日から以前より強く、五輪には「来ないでほしい」と考えるようになった。
少し調べてみると、2020年の五輪招致には1964年のそれを反復し、高度成長の頃の日本を取り戻したいという願望の物語が強く伴われていることに気づいた。当然と言えば、当然のことだろう。人間は過去の成功体験に引きずられる生き物だ。戦後社会のしくみが行き詰まっていることを認めることなく、景気さえ上向けば抜本的な改革は必要ないと考えたがるオールドタイプたちにとって、オリンピック景気はどうしても期待したくなる。もちろん、景気はいい方がいいに決まっているし、とりあえず景気が良くならないと何も手を付けられないのも分かっている。しかし、いい加減日本は『プロジェクトX』『ALWAYS 三丁目の夕日』的な「あの頃はよかった」教から脱出すべきではないか。 亡くしたものの数を数えながら、過去の成功体験に逃げ込んで現実から目を逸らす人々を加速させるのなら、五輪は来ないほうがいい。僕はずっとそう考えていた。しかし、五輪はやって来てしまった。 招致が決定したあの日──僕はこう考えていた。五輪が「来てしまう」のはもう覆せない。それはもはや個人の好悪の問題ではない。だとすると、2020年に五輪がやってくることを「利用」して、どうこの国の社会と文化を再生するのかを考えたほうがいい。2020年の東京オリンピックが、20世紀の重力に魂を引かれた古い日本人たちの「希望」になり得ているのは、1964年のそれが(半ば結果的に)そう機能したからだ。復興から高度成長への大逆転を象徴し、その後の経済発展がもたらす明るい未来をイメージさせるイベントになったからだ。現在に至る首都圏の都市インフラの整備を加速し、カラーテレビの普及をもたらして来るべき「テレビの時代」の下地を整えたからだ。だから彼らは、何の根拠もなく「またオリンピックさえ来てくれれば」と心のどこかで思っている。 だとすると、僕らがやるべきはこの2020年のオリンピックを旧い日本人の思い出を温めるものから、新しい日本人の希望になるものに変えていくこと、奪い取っていくことではないか。
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学校から解き放たれたスポーツ教育――古田敦也が語る未来の野球文化(無料公開) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外 ☆
2015-09-23 17:00
学校から解き放たれたスポーツ教育――古田敦也が語る未来の野球文化(無料公開)
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.23 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
最終回となる今回は元プロ野球ヤクルトスワローズ選手・監督の古田敦也さんへのインタビューです。
『PLANETS vol.9』連続無料公開記事の一覧はこちらのリンクから。
※無料公開は2015年9月24日 20:00 で終了しました。
2020年のオリンピックが、一過性の熱狂で終わる大会になってはつまらない。五輪とい -
メダルの数より大切なことがある――有森裕子が語る2020年に向けた取り組み(無料公開) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外 ☆
2015-09-22 17:00
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2015.9.22 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第9弾となる今回は元女子マラソン選手・有森裕子さんへのインタビューです。
『PLANETS vol.9』連続無料公開記事の一覧はこちらのリンクから。
※無料公開は2015年9月24日 20:00 で終了しました。
東京五輪決定の高揚の陰で、東北福島の問題をはじめ日本社会の課題は山積みのままだ。2020年へ -
【保存版】2020年の東京はこうなる――主要6エリアの再開発計画からわかる未来像/ぽむ企画(無料公開) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外 ☆
2015-09-21 17:00
【保存版】2020年の東京はこうなる――主要6エリアの再開発計画からわかる未来像/ぽむ企画(無料公開)
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.21 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第8弾となる今回は企画ユニット「ぽむ企画」さんの論考です。各デベロッパーの再開発計画から見えてくる2020年の東京近未来図とは?
『PLANETS vol.9』連続無料公開記事の一覧はこちらのリンクから。
※無料公開は2015年9月24日 20:00 で終了しました。
2020年のオリン -
知っておきたいオリンピックの歴史――クーベルタンの夢が拝金主義に陥るまで(白井宏昌) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外 ☆
2015-09-20 17:00
知っておきたいオリンピックの歴史――クーベルタンの夢が拝金主義に陥るまで (白井宏昌)
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.20 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第7弾となる今回は建築家の白井宏昌さんによる「オリンピックと都市開発の歴史」です。五輪は都市をどう変えてきたのか? そしてその歴史の蓄積は、どのようにして2020年の東京五輪に結実していくのか――? 60年代以降の各大会の施設配置を「分散型」と「集約型」に分類しながら、大会後の施設活用や財政面での課題など、より俯瞰的な視点から分析します。
『PLANETS vol.9』連続無料公開記事の一覧はこちらのリンクから。
※無料公開は2015年9月24日 20:00 で終了しました。
「世界中の競技者を一堂に集めて開催される偉大なスポーツの祭典」は、その歴史を重ねるに従い、開催都市の景色を一変させるまでの影響力を持つようになった。スタジアムをはじめとした競技施設、選手村の建設、交通インフラの整備など、オリンピックは都市開発の「またとない機会」である反面、“その後”に大きな負の遺産を残すこともある。これまでの開催都市の“その後”から、2020年の東京が目指すべきものを考察する。
▼執筆者プロフィール
白井宏昌〈しらい・ひろまさ〉
1971年生。建築家、H2Rアーキテクツ(東京、台北)共同主宰。博士 (学術)明治大学兼任講師、東洋大学、滋賀県立大学非常勤講師。2007-2008年ロンドン・オリンピック・パーク設計 チームメンバー。2008年度国際オリンピック委員会助成研究員。現在も設計実務の傍ら、「オリンピックと都市」の研究を継続中。
■1960年以前――「都市の祭典」への道程
オリンピックは「スポーツの祭典」であると同時に「都市の祭典」である――。
これまでのオリンピックが開催都市に与えてきた影響を振り返ると、社会学者ハリー・ヒラーが発したこの言葉に大きく頷いてしまう。特にその舞台が都市の中心部となる夏季大会では、政治家、企業家が長年温めてきた都市再編の野望を実現する「またとないチャンス」を開催都市にもたらしてきた。
とはいえ、このようなオリンピックと都市再編の密接な結び付きは、19世紀の終わりに、フランス人教育者ピエール・ド・クーベルタンが近代オリンピックの復興を唱えたときには存在しなかった。1896年に最初の近代オリンピックがアテネで開催されてからしばらくは、オリンピックはその存続を確固たるものとすべく、紆余曲折を経ることとなる。当初は、別の国際的イベントの一部として開催することで、何とかグロール・イベントとしての体裁を維持してきた経緯もあり、当然この時代にはオリンピックが開催都市の再編に大きな影響を及ぼしたとは言い難い。
しかしながら、1908年にロンドンが世界初の「オリンピック・スタジアム」を建設すると、これに続く都市は「オリンピック・スタジアム」を都市あるいは国家を表象するものとして捉え、その後の遺産として都市に永続的に残るものとして計画するようになる。もちろんその具体的な利用に関してはどの都市も苦労することになるのだが、時代はオリンピックが建築と結びついた時代だったのである【図1】。
【図1】夏季オリンピック都市開発の変遷
そしてオリンピックに必要とされる競技施設やアスリートのための宿泊施設である選手村を集約することで、オリンピックをきっかけに作られるのは、「建築」から、ある広がりを持った「地区」へと展開していく。
この流れを作り出したのが1932年に第10回大会を開催したロサンゼルスであり、このオリンピック地区をさらに象徴的に作り上げたのがその次の1936年大会を開催したベルリンである。ナチス主導により政治的な意図を持って開催されたベルリン大会はベルリン郊外に複数の競技施設を集約し、象徴的なイベント空間を作り上げた。それは今日も、ナチスドイツの残した歴史的遺産として存続している。
■1960年以降――オリンピック都市の彷徨
そしてこれらのオリンピック地区を戦略的に複数に作り、それらを結び付けるインフラを整備することで、オリンピックによる都市再編の影響を都市全域にまで広げたのが、1960年のローマ大会だったのである。この大会をもってして、初めて「オリンピック都市」の誕生とすることも可能であろう。
ただ、この流れは当時すべての人々に好意的に受け入れられたのではない。特にスポーツの振興を最大の活動意義とする国際オリンピック委員会(IOC)にとっては、スポーツを都市再編のために「利用された」と捉える動きもあり、その是非は次大会の1964年の東京に持ち越された。
ここで東京は、ローマをはるかにしのぐ規模でオリンピックを都市再編のために「利用する」こととなる。そして、その世界的アピールが後続の開催都市にオリンピックとは都市再編あるいは都市広告のための「またとない機会」というイメージを作り上げる。
この流れは1976年のモントリオールでピークに達する。フランス人建築家ロバート・テイリバートによる象徴的なオリンピック・パークは当時のモントリオール市長による「フレンチ・カナダ」のアピールの場となるはずだった。
だが、オリンピック・スタジアムは大会までに完成せず、その後30年にも及ぶ借金返済という大きな負の遺産を残すこととなる。オリンピック都市の「野望」が「苦悩」へと変容した事例であり、モントリオール大会は、オリンピックは「リスク」であるという新たな警笛を世界に発したマイル・ストーンとなったのだ。
これと対極をなすように、次の1980年大会を開催したモスクワは、社会主義政策に基づく徹底した合理主義にのっとりオリンピックを開催する。さらに、その次のロサンゼルスは、徹底した既存施設の転用と公共資金の不投与という戦略で、経済的なリスクを回避。民間資金によるイベント運営という手法を導入することで、大会運営の黒字化にも成功する。
このことが、オリンピック=チャンスというイメージを与えることとなり、再び開催都市にオリンピックを都市再編のきっかけとする機運を作り出す。イデオロギーの差こそあれ、モスクワもロサンゼルスも、その合理的な手法により、モントリオールの悪夢を払拭したのである。都市の美化と新たな公共拠点作りを目指した1988年のソウルや、地中海都市の復活をかけ、長期的な都市再編キャンペーンの一つとしてオリンピックを取り込んだ1992年のバルセロナにより、オリンピックは再度、都市再編の道具と化していくのである。
■2000年以降――オリンピック・レガシーの時代
2000年代に入ると、オリンピックと都市の関係はさらなる変容を遂げることとなる。これまではオリンピックに向けて何ができるかに大きな注目が集まっていたのに対し、オリンピック後に何が残るか、あるいはそれらをどのように維持していくことができるかが重要視されてきたのだ。いわゆるオリンピック・レガシー(遺産)の問題である。
これを主導したのが2001年よりそれまでIOCを率いてきたサマランチから会長の座を引き継いだジャック・ロゲである。商業化による拡大路線を追求してきたサマランチと異なり、ロゲが求めたのは巨大化したオリンピックの見直しと、オリンピック後の施設運営も視野に入れた施設計画の指針作りである。
新旧IOC会長の視点の違いは、2000年大会の開催都市シドニーで、11万席を擁するオリンピック史上最大のオリンピック・スタジアムを眼にしたときの反応に如実に現れる。「これまで見た中で最高のスタジアム」と称賛したサマランチに対して、ロゲはその後の利用に大きな懸念を示したのだ。かくしてロゲの新たな戦略はオリンピック憲章や招致ファイルでの必要記載事項に「オリンピック・レガシー」が盛り込まれることで現実化していく。
それに建築・都市計画のレベルで応えたのが、ロゲがIOC会長として仕切った2012年の開催都市ロンドンである。ロンドンは招致の段階から当時のIOCの最大関心事項「オリンピック・レガシー」をキーワードに招致活動を行い、競技会場の中心となったロンドン東部の「オリンピック・パーク」の長期的展望を具体的に示すことで、ニューヨーク、パリといった世界の強豪都市を抑えて勝利したのだ。招致後も仮設施設の積極的な利用や競技施設の減築など、「オリンピック期間中よりオリンピック後」を見据えた建築・都市計画を進めていくことになるのだが、その際「レガシー」という言葉がオリンピック開催による莫大な公共資金の投与を正当化するものとして使われた。
当然のことながら、2020年に夏季オリンピックを開催する東京も、これまでのオリンピック都市の変遷、特に2000年以降IOCが取り組んできた「オリンピック・レガシー」重視の政策を取り込んだ都市再編の延長にあるものと捉えることができる。特に2020年夏季オリンピック招致を、レガシーの流布に尽力したジャック・ロゲの12年の任期の総決算として捉えた場合、その意義はとてつもなく大きい。
この問いかけに、東京は1964年オリンピックのレガシーを再利用するヘリテッジ・ゾーン(代々木地区)と2020年後の新たなレガシーとなるベイ・ゾーン(湾岸地区)を想定し、異なる時間軸を持った「オリンピック・レガシー」を都市に作りだすというコンセプトで応えることなった。ロゲ体制のもと、2回目のオリンピック開催を目指す都市でこそ作りえた優等生的なコンセプトだと言えよう。
■2020年のトーキョー:分散型施設配置
かくして、東京は56年の歳月を経て2度目のオリンピックを2020年に開催することとなるが、もちろんのことながらその空間作りは1964年とはかなり異なるものとなる。まず施設配置に関して、1964年の東京オリンピックでは代々木公園、神宮外苑、駒沢公園の3つの地区に競技施設を集約させたが、2020年では代々木、神宮外苑を含むヘリテッジ・ゾーンと湾岸のベイ・ゾーンの2つのエリアにイベントに必要とされる施設を「コンパクト」に配置すると招致時から一貫して強調されてきた。
しかし、この「コンパクト」という言葉に惑わされてはいけない。というのも、2020年の東京が提唱する「コンパクト」な施設配置は歴史的には「コンパクト」と言えない節があるからだ。 -
現代の「死ね死ね団」はオリンピックで何をする?――経済と金融をパニックに落とす方法を考える(葦原骸吉)/無料公開 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外☆
2015-09-19 17:00
現代の「死ね死ね団」はオリンピックで何をする?――経済と金融をパニックに落とす方法を考える(葦原骸吉)/無料公開
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.19 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第6弾となる今回はライター・葦原骸吉さんの論考です。マクロ経済からミクロなシステムまで、東京に破壊と混乱をもたらす経済テロの可能性を考えます。
『PLANETS vol.9』連続無料公開記事の一覧はこちらのリンクから。
※無料公開は2015年9月24日 20:00 で終了しました -
東京オリンピックでテロは難しいのか?――イスラム系の人々をリストアップする警察の監視力(黒井文太郎)/無料公開 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外☆
2015-09-18 17:00
東京オリンピックでテロは難しいのか?――イスラム系の人々をリストアップする警察の監視力(黒井文太郎)/無料公開
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.18 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、12日連続で無料公開していきます。
第5弾となる今回は軍事評論家・黒井文太郎さんの寄稿です。イスラム過激派による軍事テロ、サイバーテロなどの可能性をシュミレーションし、東京のディフェンス力を解き明かします。
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※無料公開は2015年9月24日 -
東京オリンピックが3日あればパニックに?――晴海地区は物流網における危機管理の盲点か(坂口孝則)/無料公開 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外☆
2015-09-17 17:00
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☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.17 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第4弾となる今回はコンサルタント・坂口孝則さんによる論考です。
物流・インフラは巨大都市・東京の生命線。これを断ち切られれば、東京は途端に呼吸困難に陥るはず――湾岸地帯を中心として開催される東京オリンピックの物流・インフラの弱点を探ります。
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新国立競技場の破壊では足りない……最大のテロは「日本人の民度」をぶち壊すこと(葦原骸吉)/無料公開 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外☆
2015-09-16 17:00
新国立競技場の破壊では足りない……最大のテロは「日本人の民度」をぶち壊すこと(葦原骸吉)/ 無料公開
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.9.16 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第3弾となる今回はライター・葦原骸吉さんによる論考です。
9.11の例を出すまでもなく、テロで最初に狙われるのは、その国、あるいは都市の「象徴」だと言われています。象徴が破壊されることによって、国民の心にも大きなダメージが残るというわけです。では、東京オリンピックにおける「象徴破壊」の最大 -
東京オリンピックを破壊せよ……経済学者・田中秀臣が男の娘と共謀する"経済テロ"計画とは?(無料公開)☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外☆
2015-09-15 17:00
東京オリンピックを破壊せよ……経済学者・田中秀臣が男の娘と共謀する"経済テロ"計画とは?(無料公開)
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2015.9.15 号外
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2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について4つの視点から徹底的に考えた一大提言特集『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(以下、『P9』)。その『P9』の中から、特に多くの人に読んでほしい記事をチョイスし、10日連続で無料公開していきます。
第2弾となる今回は経済学者・田中秀臣さんへのインタビューです。もっとも効率よくオリンピックを破壊できるのは、物理的攻撃ではなく、「経済的な内破」だった――!? 秀臣先生が長らく温めていた「経済大国ニッポンの象徴」を破壊するためのプランに迫ります。
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