アウトドアの熱中症対策としては、頭部を熱や紫外線から保護するキャップ&ハットは欠かせないアイテムだ。各ブランドさまざまな製品を展開しているが、素材や形状によってはかえって熱を持って、逆効果となる場合もあるので、デザインよりもやはり、防水性・携帯性・機能性という3つの視点で選ぶことが重要だろう。
ここではアウトドアブランドの帽子の中から、この3点に優れた特徴的な3つの帽子を紹介する。
ベトナムの笠から誕生! 360度の日差しから守るハット
1993年に米シアトルで設立されたアウトドアブランド、カブーはもともと漁師の家に生まれ育った創業者が「アラスカの過酷な環境にも耐えられ、頑丈で水に浮き、強い日差しから目を守り、船上での作業中でも強風に飛ばされにくいサンバイザーを作る」というアイデアを実現するために設立した会社だ。このサンバイザーは「ストラップキャップ」という同社の看板商品になり、1996年のアトランタ五輪では米国カヌー&カヤックチームの公式ライセンス製品に選ばれている。
カブーの製品は個性的なデザインが注目されているが、なかでも10年以上前から音楽フェスティバルなどで人気なのが「チルバ」だ。ベトナムのライスフィールドで出会った笠からインスピレーションを受けて作られたという独創性の高いデザインと、全方位から日差しを守るシルエットが特徴だ。
長めのつばが、直射日光から顔全体をガード。素材は耐久性はっ水加工を施したナイロンをベースに「クローズドセルフォーム」という水を浸透しない素材を組み込んで、水に浮くようになっている。内側には透湿性に優れたメッシュ素材のキャップを取り付け、安定した着用感も確保。アゴを固定するストラップが付いているので、潮風が強い海沿いや、悪天候時でも吹き飛ばされる心配がない。
東レの特殊素材を採用! はっ水・耐久・透湿性抜群
ストリートファッションの代表格であるブランド、ニューエラと化学繊維やフィルムの製造を行う企業、東レがコラボレーション。両者の強みを発揮した「アドベンチャーハット」は、“パッカブルシリーズ”と呼ばれる携帯性を意識したシリーズのなかでも、特に人気のモデルだ。素材には東レが開発した、高い撥水性を持つH2OFFを採用。一般的な防水加工は、素材の表面に加工を施す場合が多いが、この素材はコーティング材や接着剤を使用していないため、透湿性にも優れているという。
パッカブルシリーズの特徴でもあるソフトな風合いに加え、耐久性も兼備。洗濯機にも対応しているため、他の洋服と同様に一気に汚れを払拭できる点も魅力だ。アゴひもは取り外せるようになっている。また同色の専用ポーチが付いているのでコンパクトにたたんでバッグに忍ばせられるのもよい。
たたんでしまうことを前提にした小さなキャップ
実用的で長持ちする機能的なアイテムを提案するアウトドアリサーチが作る「レイダーポケットキャップ」は、4つ折りにたためる独自の構造を採用している。通常のキャップは形状保持のため、つばの部分が硬く作られているが、このモデルはつばの中央に割れ目が入っており、その名の通りポケットに入るほどきれいにコンパクトに折りたためる。
もうひとつのポイントはUPF50+の日焼け防止効果のある素材。帽子の表面に降り注ぐ紫外線を吸収し、有害な紫外線をブロックするため、効率よく日差しから身体を守ってくれる。素材には、吸水性と透湿性に優れたトランスアクション素材を採用し、内側から吸収した汗を外側に送り出すことで、ムレを軽減し快適さを保つ効果があるという。
(文/長浜優奈、中澤範龍)
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