ビザ(査証)なし渡航できる国と地域は190超。「世界最強」クラスの神通力を誇る日本のパスポートをもってしても、空港で足止めを食らいかねない。欧州のほとんどの国で、電子渡航認証の取得が義務付けられるからだ。
既に英国では2025年1月8日以降、ETAという電子渡航認証が必須になった。英国政府の発表文には、こう明記されている。
「英国およびアイルランド国籍者を除き、英国へのすべての入国者は入国前に 『ETA』または電子ビザ(e-Visa)による渡航許可の取得が必要です」
ロンドンに駐在中の筆者は、24年末までにe-Visaへの切り替えを終えた。しかし、e-Visaを持たないすべての日本人は、ETAがないと英国に入れなくなった。
ETAを入手するには、オンラインで申請して認証を受ける必要がある。料金は10ポンド(約2000円)。審査結果は「72時間(3営業日)以内」にメールで通知されるため、出国間際に気付いても手遅れだ。
英国政府によると、申請は「UK ETA」というアプリを使うのが「最も簡単な方法」とされる。しかし、このアプリの評判が芳しくない。
米アップルの「アップストア」での口コミ評価は2.6、米グーグルの「グーグルプレイ」では3.2(いずれも1月14日筆者確認時点)。パスポート画像を撮影、送信し、表紙のチップをスキャン。顔写真をアップロードし、渡航予定や犯罪歴などの質問に回答するという流れだが、「何度試してもパスポートのチップをスキャンできない」といった不満が並ぶ。操作性に難があるようだ。
実は、筆者がe-Visaを申請する際にダウンロードを求められたアプリ「UK Immigration: ID Check」でも同様の問題が発生した。チップの読み込みに悪戦苦闘し、頭を抱えた記憶がよみがえってきた。
【初割・2カ月無料】お申し込みで…
- 専門記者によるオリジナルコンテンツが読み放題
- 著名経営者や有識者による動画、ウェビナーが見放題
- 日経ビジネス最新号12年分のバックナンバーが読み放題