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男と夏を感じる椎名誠

2019-09-05 14:55:38 | ã‚¨ã‚»ãƒ¼

昔、テレビのコマーシャルで、椎名誠さんが砂浜でビールを飲んでいる場面が何ともおいしそうで、夏を感じた。

 

椎名さんは、町中で見知らぬ人と喧嘩をよくしたそうだ。

街中で、鉄拳勝負のヨロコビと悲しみが

、青春時代からサラリーマン時代にかけて六勝十一敗二十引き分けという。

 

そんな中、新宿の紀伊国屋で、椎名さんが立ち読みして本をラックに返そうとすると、横の若者が椎名さんの横に体を寄せて、返すことを邪魔した。

 

 その結果、椎名さんは若者を二度ぶっつづけに殴った。若者は鼻血を出し、倒れたという。

 それは、「まずい」ということで、椎名さんは紀伊国屋をとっとと、後にした話は印象に残った。

 

 

 

 椎名誠著  『フグと低気圧』

 

 

 

1 蚊が噛まれたくなかったら、ピンク色の物を身に着けよ。

 

 

  「昼間にとまっている蚊にむかって人間が、「ハアーッ」と息を吹きつけると蚊はたいへんにコーフンするらしい。それからまた蚊の視覚はある種の色に反応するらしく、青とダイダイ色を見るとやはりコーフンするというのは人間にもけっこう沢山いるようなきがするが、蚊は人間と違ってピンク色が嫌い、という実験データもある」と。

 

夜中に、僕はよく蚊に噛まれるが、扇風機を回していると何とか防げる。

 しかし、蚊に色がわかるとは。

 

 

 

2 猫に「立ち入り禁止」がわかるのか?

 

 「小平市の公園の入り口に行ったら笑ってしまった。看板が立っていて「犬猫立入禁止」とデカ文字で書いてあった。私の息子がこれを見て「ネコに字が読めるかよ」と言った。犬はまあヒトがクサリにつないで散歩させているからわかるとしても猫にまで「いかんいかん!」とわめいている小平市のコッパ役人たちの頭を笑ってくれい」と。

 

猫にクサリをつけて、歩けると、面白いが、将来、ロボットにクサリをつけて散歩する時代が来るように思うが。

 

 

 

3 今は、コメを嫌う人が多いが。

 

 

「日本の男の真の食いものはドンブリである。ドンブリこそ男の人生なのである、という想いを一にしている人がわたくしのまわりの結構いる」と。

特に、作者は鉄火丼も好きだが、カツオをのせた銀火丼(初めて知った)が大好きのようだ。

 

 

 4 ナマコの逃げるの見てみたい。

 

 

「日本酒の肴で好きなものをたて続けにあげろ、と言われたらウニ、ホヤ、ナマコと答える。共通点をあげれば、この三者はいずれもその生前のお姿が人間中心とした生物相観からするとたいへんに醜い、という共通項がある。

 

 ナマコというのは本当にヘンなやつで、ナマコを襲う外敵に対して、やつは肛門から自分の内臓を放出し、敵がそれを食っている間に逃げるのだ。どうやっても逃げるのかと思ったら、彼には体の下にちゃんと移動用の触手がある。すると普段ごろんとしているのはやはり「めんどくさいかんね」という怠惰のこころ以外はない。もの凄いことにやつはこの内臓を放出だけでは間に合わないとき、神経環まで放出してヌケがらだけになって逃げるのである。まったくどういう神経をしているのだろうかと思う」と。

 

 

ナマコを食べる時は、このことを想像してみたい。

 

 

 

5 海のカニと川のカニでは大違い?

 

 

「底引き網はビニールの袋、ウイスキーの瓶、大量のドロ・・・。要するに、海底のドブさらい、といったようなかんじなのである。

 

 あのうまいけれど高い、というので有名な越前ガニであるからもっと上品にかつ美しく獲られいるのではあるまいか、と思っていたのだがカニとはいえどそんななまやさしい獲りかたなどしていないのであった。

 カニ獲り人たちはホースの水でドロを洗い流し、ゴミを捨て、引っかかってきた魚やエビをよりわけ、最後の残ったカニを拾い上げるのである。

 

 

 カニというのは陸に上げられると反省と怒りと好奇心で熱心にあっちこっち動き回て始末に困るものではあるまいか、と思っていたのだが、その実態はただもうみんなヤル気なくドタンと横たわったままでいるのだ。

 

 いまなんの気なしに川蟹の蟹の漢字にしてしまったが、海ガニはカタカナのカニがふさわしく、川蟹はあくまでも漢字であらわした方がそれらしのではあるまいか、とこれはまことに極私的にそう思っているのである。

 

 川蟹は実にすばしっこいやつで、ザルから鍋に入れようとすると全身もがきで暴れ回るわハサミをふり回すわの大抵抗で、鍋の中に放り込んでも素早く蓋をしないとたちまち飛び出してきてしうのだった。やっぱり川に住む蟹は一Gの気圧の下の生き物なのである」と。

 

食べている海カニがドロと一緒だとは。他にも海でとれる物もよく似ているのだろうか。

 

 

6 普段、何気なく聞く店員の声に耳を傾けるのも面白い?

 

 

「浅草駅間の近くに「むつみ屋」というケッとばし専門の一杯吞み屋があった。馬刺しとさくら鍋が売り物で、夕方になるとあの界隈の勤め人でいつもにぎわっている。

 

 店には二人のあんちゃんがいて、実に威勢がよかった。とくに客からの注文を厨房に伝えるときの声が素晴らしかった。

 店の中は相当に騒々しい。その騒々しい声の上をキュンと突き抜いて、この二人のあんちゃんの声が、厨房まで走るのでだ」と」と。

 

 マクド等で、本を読んでいると、横の会話が耳に飛び込んでくる。その時も「うるさい」ではなくて、まわりが相当、客がいればいるほど、どんな声が美しいか、詮索するのも一興かも。

 

 

 

7 男は四十歳でハゲるかどうか決まる?

 

 

「四十歳を通過して何となく安心していることがある。「ハゲなかった」ということなのだ。男のハゲというのは四十歳がひとつの歯止めラインではないか、と思うのである。すなわち、四十までハゲの傾向がなければなんとかよっていける・・・」と。

 

そうだと、うれしいが。

 

 

8 鯛の船盛りは芸術作品か?

 

「鯛の姿づくりが出てきた。船盛りというやつである。ぼくは昔から海べりの宿に泊まってこの船盛りを前に酒を飲むときというのに人生のシアワセの貴重な瞬間を感じている。

 

 鯛をメインにハマチ、イカ、サザエ、アジ、イセエビなどが鯛の横たわったまわりにかしずいている。本日の脇役陣というかんじである。

脇役の中にいつでも鯛にかわって主役の座に寝ころがれる実力者イセエビがいて、なかなか迫力がある。ハマチやアジやサザエというのは船盛りの主役というのをハナからあきらめているからイセエビほどの迫力はないが、逆にわたしら生涯脇役ですから・・・というさばけた気配があってなかなかいいかんじである」と。

 

 

 

 9 政治家は怪しさ?

 

 「まず「先生」と呼ばれる人々というのは例外なくあやしい。いしばん悪質的にあやしいのが政治家、代議士の先生たちだ。

 「わたしは正しい。わたしの眼を見てごらんなさい」

と胴間声はりあげている政治家の眼を見ると例外なくにごっている。 そういう人がにごったおのれの目を指さし、「これが嘘をついている目ですか」などと堂々と言ったりするのだ。本当に正しい人はそんなことを言わない」と。

 

僕も、街頭演説でこの言葉を聞いたことがある。

選挙になると、何の断わりもなく、演説カーで街中に響き渡る声を聞くと、腹立たしくなる。本が読めない。

 果たして、何人の人があの怒鳴り声を真剣に聞いているのか。

 

 自己中の見本に見えるが。


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