「菅さん、衆院解散しちゃいなさいよ」に待った!ポピュリストの最後の足掻き?
まず、昨日の続きというか、小沢氏について追記しておきたいと思います。
昨日は、民主党代表選に立候補した小沢氏は「この動きになって冷静に菅氏と小沢氏を比べると、大きく違う点は、小沢氏は、緊縮財政指向を否定している点だけかもしれません。」と、他には取り得がないようなニュアンスで書きましたが(参照)、Twitterで流れてきたクリップ記事を見て、小沢さんには他の議員にはない手腕があったのだとはっとしました。
➠【小沢首相になれば事態はどう変わるか】官僚支配を復活させた霞が関も刷新される(日刊ゲンダイ)
小沢出馬に慌てているのは、霞が関の官僚たちも一緒だ。
操りやすい菅首相、何でも聞いてくれる仙谷官房長官、ヒヨッコ同然の大臣たちを相手に、せっかく官僚支配を復活させたのに、小沢政権になれば、再び力関係がひっくり返る。それが分かっているのだ。
今まで手ぬるいとか、官僚に抱え込まれた菅首相。日銀に何も言えないなどと菅さんも叩かれたものですが、何もできないどころか、日本の政治は民主党によって戦後の自民党に戻ってしまったなどと言われ、実際、マニフェストに反したような結果になってしまった政権です。小沢さんは、このような事態に黙っていたかというと「鶴の一声」は有名な話ですが、なくもない。「泣く子も黙る小沢」のような威厳があり、党内の議員は煙たがっていたようです。それを逆手に取れば強い武器にもなるというのです。比喩があまりよろしくないですが、この小沢パワーは、霞ヶ関でも発揮できるというのがクリップ記事の要約です。出た!小沢大魔神!
ある官僚がこぼした。
「霞が関が一番嫌いな政治家は間違いなく小沢。手ごわいし、官僚の手の内を知り尽くしている。人事にも介入してくる。検察とだって闘おうとしている。幹事長時代はあまり内閣のことに口出ししなかったが、首相になったら、ガツーンとやって、『政治主導復活』を印象づけるでしょう。霞が関は戦々恐々ですよ」
菅首相は、元社保庁長官とか元ロシア課長などいわくつきの官僚まで復権させて、霞が関にコビを売っているが、小沢は違う。従わない官僚はバッサリやる。
埋蔵金を隠す一方で、「景気対策をやる財源はない」なんてホザいている財務官僚や無策の日銀幹部のクビが飛ばされる日が来るだろうから、待ち遠しい。
この話は本当なのかなと思います。昔の小沢さんは違ったなと思いますが。
こうなると菅さんも黙っている分けには行かないのじゃないかと思って、ニュースを見てみると、日銀総裁白川方明氏との会談の段取りを取り始めたらしいです。
➠金融緩和、日銀に直接要請へ=首相、週明けにも総裁と会談-緊急声明で為替介入示唆(時事ドットコム)
訪米中の白川方明日銀総裁が帰国する週明けにも官邸で会談し、金融政策面での協力を直接求める意向を表明した。
「必要なときには断固たる措置を取る」として、過度に円高が進んだ場合は円売り・ドル買いなどの市場介入に踏み切る考えを強く示唆した。
首相は声明で「日銀に機動的な金融政策の実施を期待する」と強調。白川総裁との会談では、政府が31日に経済対策の基本方針を決めるのに合わせ、日銀に追加的な金融緩和を要請するとみられる。
この動きは、菅さんのポピュリストたらんとする動きにも写るのですが、これ、マズイっしょ?というのは、今週明け円が急騰してからの白川総裁との会談を電話で済ませただけに終わっています。あの時点で手を打つというのなら分ります。タイミング的には、小沢氏が立候補した直後というのは如何なものかと、パフォーマンスがかりな感じがするのは私だけ?かすら。
ところで、もっとマズイのが、昨日も引用した「円の神話」(THE WALL STREET JURNAL)の社説の記事での指摘です(参照)。菅さんが日銀を動かすつもりでいると報じている通りだとすると、それは誤りだという指摘がこの記事です(日銀が菅さんによって動くかどうかは別として)。
与党民主党はこれまで円に対し無干渉姿勢を取ってきたが、6年ぶりの為替介入の承認に近づいているもようで、日銀は象徴的な行動を取る圧力にさらされている。また、政府は引き続き予備費を使った1兆7000億円規模の追加景気対策の利用も可能で、一段の景気刺激策が実施される可能性もある。しかし、こうした措置はいずれも誤りだ。なぜなら円相場は経済実態への注意をそらす「煙幕」だからだ。
この指摘についてはどうでしょう?有名紙の社説だから信用性もありますが、私は現場を知らないのでこの説が何処まで信憑性(しんぴょうせい)があるのかは分りません。慢性化した日本のデフレ下では物価も下がっているため、打撃は思ったほどではないという指摘です。トヨタの例も興味深いです。
円は数十年間にわたって上昇トレンドを続けてきた。まさにこのことが、トヨタのような輸出企業がこれほどの効率性を維持することにつながった。
としています。指摘はさらに続いて、
一方、これよりずっと大規模な日本の国内志向の企業セクターは、円相場の上げ下げにかかわらず、引き続き停滞している。こうした企業を生き延びさせることこそ、実に難しい問題だ。これは為替介入と景気刺激策という得意な対処策を諦め、それに代わって、規制緩和に焦点を絞り、政府規模を縮小し、減税を進めることを意味する。
この指摘は大きなことを意味していると思います。民主党が「規制緩和に焦点を絞り、政府規模を縮小し、減税を進める」が実践できれば、かなり日本は救われるのではないかと思います。
遠い外国の新聞からもこのような指摘が飛んでくるのはありがたいのですが、菅さんの進む方向はどうも違うように思えてなりません。まあ、もうしばらくの事でもありますが。
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