誹謗中傷か否かを判断する能力は民間企業にもある。
前回のエントリーに対しては、「ネットでの誹謗中傷の成立要件というのは損賠案件のように一私企業が判断できるほど明確なものなのか。」(mintanさん)等のはてなブックマークコメントを頂きました。
ただ、誹謗中傷というのはまさに損害賠償案件であって一私企業が判断できないということはありません。実際、例えば、三井住友海上火災保険株式会社の「GMO NETガード」という保険商品においては、「interQ OFFICE」と「BROAD SERVER」ご利用中のユーザーによる「第三者に対する名誉毀損またはプライバシーの侵害」により法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害(損害賠償金、争訴費用等)を填補することとされており、この場合、一私企業である保険会社は、それが違法な名誉毀損か否かを判断することになります(上限100万円の保険商品で全件訴訟対応なんてしていられるとも思えません。)。
また、社内ネットワークに特定の従業員を攻撃する投稿がなされた場合、企業としては、「警察が介入するまでこれを放置する」という対応を取ることは許されていません。当該投稿を削除等することはもちろんですが、投稿者を突き止めてしかるべき処分を行い、そのような攻撃が繰り返されないようにする必要があります。「一私企業が、その発言が違法なセクシャルハラスメントにあたるかどうか判断することは適切ではないので、発言は削除せずに放置しておきましたし、被害者から要請されても発信者の氏名等は秘匿しておきました」なんて対応をしたら、その企業自体が不法行為責任を負います。
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