城さん的な「労働市場改革」は却って「日本のイスラム化」を推し進めるのでは?
城繁幸さんが次のように述べています。
ついでに言っておくと、労働市場が硬直している日本の場合、大卒女性が出産と
同時期に退職してパートタイムとして復職すると、キャリアにとどまった場合と比較
して2億円以上の経済的損失となる。
“子供手当”だけでカバーするつもりなら、最低2億円は出さないと効果が無いだろう。
というわけで民主の子供手当ては、(少子化対策としては)やるなとは言わないが
本丸には程遠い。
本丸は日本のイスラム化…ではなく、労働市場改革だ。
しかし、現行法では、正社員入社した女性労働者は、産休、育休を取り、その後職場に復帰することが認められています。これに対し、城さんが唱えるような「労働市場改革」が実現した場合、妊娠し、一時的にせよ労働能力が減退した女性労働者を企業は解雇することができ、さらに、育児期間終了後その女性労働者を再雇用する義務を負いません。
さらにいえば、城さんが唱えるように企業が中高年を自由に解雇できることにした場合、女性労働者については結婚したら、あるいは、容姿が衰えたら、程なくして解雇するという運用を公然と行う企業がそれなりに増加することが予想されます。もちろん、解雇規制撤廃派の論理でいえば、鑑賞目的、あるいはお嫁さん候補としての採用を禁止することは女性労働者の雇用枠を減少させることに繋がるから却って女性労働者の敵となるのだということになるのかもしれませんが、それって今の時代どうかなという感じがいたします。
結論としていえば、城さん的な「労働市場改革」は、却って「日本のイスラム化」を押し進めそうな気がしてなりません。
Commentaires
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井上章一が「美人論」という本で、女性の容姿に金を払うことの是非を議論しています。
結論だけを書くなら、以下のようになります。
「雇用者が、労働者の美醜に金を払ってはいけないということにすると、美人のウェイトレスは、実際には多くの収益を店にもたらしているのに、それに対して正当な対価を払ってはいけないということになる。それは、美醜で差別をしないことより、悪いということにならないか」
私は、概ね、その意見に賛成です。
Rédigé par: 井上 晃宏 | 06/01/2010 17:50