ジャニーズは、10月2日の会見について、外資系のコンサルタント会社に仕切りを依頼していたようだ。
それは
「今の私たちの立場と主張を、出来るだけ丁寧に話をして、理解を得るようにしてほしい」
という依頼ではなく
「できるだけ穏便に、これ以上燃え広がらないようにしてほしい」
というものだったと思われる。

コンサル側はそれを受けて、燃えないようにするために「NGリスト」を作った。

このあたり日本の株主総会の「総会屋対策」を思わせる。端的に言えば、ジャニーズ側はこの期に及んで「シャンシャン記者会見」をやろうとしていたのだ。反省も改革もくそもないということだ。

ジャニーズ側は、一度は「そのリストは知らない」と言い、２度目には「見たけど、そんなことはしないでほしい」と言ったと言う。苦しい言い訳だが「シャンシャンにしてください」という依頼に対してコンサルは、そうするためにNGリストを作ったわけだ。
コンサルは「では後半でNGリストの人にも当てるようにします」と言ったそうだが、結局指名されていない。

残念なことに、これまでジャニーズでたくさん部数、アクセスを稼いできたメディアは「シャンシャン記者会見」に協力しようとした。前のブログで書いているように、日本の主要メディアは腐敗しているから、そうなるのだ。

マイナーな出版社、雑誌メディアの名前が上がると、記者席が爆笑したと言うが、その周辺には腐臭が立っていたことだろう。

後半になって、不規則発言が目立つと、井ノ原快彦が
「ちょっと一言いいですか。やはり、こういう会見の場は全国に生放送で伝わっておりまして小さな子どもたち、自分にも子どもがいます。ジャニーズJr.の子たちもいますし、それこそ被害者の皆さんが自分たちのことでこんなにもめているのかっていうのは、僕は見せたくないので、できる限りルールを守りながら……。ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいと僕は思っていますので、どうか落ち着いてお願いします」

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と発言。記者席から拍手が起こったと言う。新聞テレビメディアの劣化も落ちるところまで落ちたと言う感がある。阿部慎之助の引退記者会見で背番号「１０」のユニフォームで参加していたのと同じ種類の記者たちだろう。

骨のある記者なら
「子どもたちにいえないような悪事を６０年以上も続けていたのは、いったい誰なんだ！」と大声で言うべきだっただろう。そうすりゃ、一気に名を上げられたのに。

そもそも本当のコンサルなら、この会見を問題解決の糸口にするために、時間無制限にしたうえで、自分たちの暗部、汚点を残らずさらけ出すような会見にしたはずだ。
端的に言えば、東山も（ちょっと疑義があるようだが）、井ノ原も性的凌辱の加害者ではないわけだ。旧悪をさらけ出すことは、ジャニー喜多川に対しては背信行為だが「ジャニー喜多川の名前を歴史から消し去る」とまでいっているわけだ。その悪事をどれだけ暴露しようと、儲けのしくみを明かそうと、それを話した２人の評価は上がることこそあれ、下がることなどなかったはずだ。

この記者会見は、日本の「報道の自由」が、どれだけお粗末かをさらけ出した。

ジャーナリズムは、国民の「知る権利」なんかなんとも思っていない。ひたすら取材対象にすり寄って、その威光にすがろうとしてきたのだ。

ジャニーズがどうなろうと知ったことではないが、どうせなくなるのなら、全部ぶちまけて「こういう悪は必ず滅びる」という教訓を残してほしいと思う。



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