東洋経済オンラインで「時短」の記事を書いたが、「時短のためには、野球を7イニング制にすればいい」という意見には反対だ。
歴史的に見れば、野球は「3」「9」という数字の倍数でできているということも、軽視すべきではないと思うが、少年野球や女子野球はすでに7回制になっている。なくはないとは思う。

しかし「時短」のための7回制には反対だ。野球の試合が長いのは「9イニング」だからではなく、プロ野球の仕組み、あるいは体質に原因があるからだ。

東洋経済オンラインでも書いたが、公認野球規則には、こういう条項がある。

公認野球規則 8.04
塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する。


こうした規則やルールは何度も改訂されたが、ここまで一度も守られてこなかった。
そして、試合時間は3時間を優に超すようになったのだ。

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これは選手や監督に「時短」の認識が全くないからだ。バッテリーがだらだらサインを交換するのも、何度も牽制球を投げるのも、コーチや監督がマウンドに行って長々話すのも、そうする必然性があるのではなく「だらだらしてもペナルティを食らわないから」だ。

3時間を過ぎても、内容が濃くて必然性があれば、だらだら感はない。日本シリーズなどはそういう試合もある。
しかし同じ3時間10分でも、よくわからない投手交代や、サインのやり取りなどで延々と時間を浪費する試合もあるのだ。さっさと終わればいいのにと思う。

7回制にしたところで、だらだら癖を改めなければ2時間半でも「長い」と感じるはずだし、ほおっておけば7回で3時間を超える試合だって出てくる。

「だらだらというが、あの間がいいんだ」という人もいるが、ほとんど錯覚だと思う。

大相撲は昭和の時代は幕内は17番前後の取り組みだったが、今は21番になっている。打ち出しは18時のままだから仕切りの時間が短くなっている。恐らく幕内で1回程度仕切りが減っているはずだ。私などは短くなったと思うが、今のお客から「短すぎる」というクレームはない。「大相撲は仕切りの時間がいい」と半可通は言うが、多少短くなっても競技の内容には大きな影響はないのだ。

プロ野球はピッチクロックを導入して9回で2時間半以下にすべきだ。そうなれば同じだけのプレーをして、スピード感は2割増しになり、疲労感があらかた吹っ飛ぶ。

7回制にするというのは要するに「内容量を減らして販売する」ことだ。9回制のままに「時短」するのは「内容を濃縮して販売する」ことだから、真逆なのだ。

また7イニング制にするというのは、試合に参加する人が「何ら努力せずに時短する」ことであり、施策として怠惰なうえに実効性に疑問がある。

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