NPBが「誹謗中傷をやめてほしい」というステートメントを出したのは、開幕戦の日だったと思うが、エスコバーは開幕戦での救援失敗を非難されているようだ。時間的にどうなっているのか?
愚かな人、浅ましい人は「失敗」を非難する。「なぜ安打を打たれた」「なぜ点を取られた」
スポーツは敗者と勝者が明確に分かれる。どんなに勝つために努力し、工夫を凝らしても負けるときには負けるものだ。

スポーツの批評は「勝因」「敗因」についていろいろ分析し、言葉にするが「なぜ負けた」と責めることはしない。「わざと負ける」競技者は存在しないからだ。

また失敗した選手、負けた選手に「気合いが足りない」「根性がない」というのも愚かなコメントだ。人の内面は、その人物をよく知る人でない限りわからない。また人は、体調がよくなかったり、気力が充実していないときでも試合に出なければならないときもある。そんな時でも最善を尽くすが、負けてしまうこともあるのだ。
「気合いが足りない」「根性がない」は、誰にでもいえる無責任な意見だともいえる。

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残念なことに、日本の多くの指導者は長い間、選手に「失敗をするな」と言い続け、失敗した選手を「なぜ失敗した」と責め立てた。そして失敗した選手には「気合いが足りない」と叱った。

そういう時代が長く続いたために、一般の人も選手の失敗を責め立て、「気合いが足りない」という、無責任な気風が醸成されたと言える。

しかし近年はスポーツに対する理解が進み、スポーツの本質は「勝負事」ではなく「楽しむこと」であり、競技者から観戦者まで含めた「リスペクト」が前提であることが知られるようになった。

今、心無い言葉を選手に投げかける連中は、スポーツファンではないし、物事に真摯に向かうような誠実さも持ち合わせていない。その言葉のほとんどは誰かの受け売りであり、自分の言葉ではない。エスコバーとその家族は。人種差別的な言葉も投げかけられたようだが、匿名ならどんなことでもいえる人間のクズだと言えよう。

今紹介したような経緯で、日本のスポーツには「失敗した選手を責め立てる」愚かな考え方が、今も根強く残っている。それは人間として恥ずかしことだと言うことを認識すべきだ。

球団は選手を守るために、情報開示を進めるべきだ。NPBが乗り出しても良い。


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1960~62年柿本実、全登板成績