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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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人はキツネになれたんだ。

今朝は「果物が朝食」の生活に戻って,からだがちょっと軽い。
やっぱりこの方がいい気分。

ここ1ヶ月くらいで,なんだかむちゃ食いしたのか,
体重がぐぐっと増えてしまった。
まぁ動物は冬に太っておかないとならない定めだから,
大目に見ていようとは思うけれど,からだがすっと動かせるほうが,
気持ちのいいことは確かだから。

あいかわらず新年から頭痛はおいでになって,
ここだ,ここだと主張中。
でも,ゆっくりつきあうこととしよう。

新年最初に読み終わったのは,野田研一さんという人の書いた
『自然を感じるこころ』ちくまプリマー新書。

おもしろくって一気読み。

そういえば,わたしは小説というと,自然描写のところは力をぬいて
読んでいた。
人間の行為に注意がいくばかり。
でも言われてみれば,ある自然のなかでこそ成り立つ感情や光景って
たしかにある。
大いにある。

この本のなかでは「自然との交信」ということばがつかわれているが,
人間は動物や植物,石にさえも声を聞いていたのだと,
わたしも思うし,また昔は聴こえたのだと思う。

石牟礼道子さんの小説が例としてあがっていたが,
水俣病のことにばかりとわわれ,水俣のゆたかな自然を忘れがち,
そう実感させてくれる文章だ。

水俣の海はほんとうに美しい。
昼間も,夕暮れも,夜も。
まさにその自然を冒涜する事件が水俣病だった。

石牟礼さんの絵本を,大学の文化祭で使ったことがある。
忘れていたなぁ。
あそこにでてきたキツネのこと。

また石牟礼さんの文章に出会いたくなってきた。

そういえば,講談社新書で内山節さんが,『なぜ人はキツネに
だまされなくなったのか』という本を出した。
(題名はたしかこんなだった)
ここでも,人間の自然に対する共振について書かれているのだが,
ぜんぜんおもしろくない。
内山さんどうしちゃったの?って感じ。
こういう文章を書くなら,大量消費を肯定しているようなもの。
文章を簡単にすればいいという話ではないもの。

読後感のすっきりさでは,だんぜん野田さんのがおすすめ。

さて今日は何を読もうか・・・
by KATEK | 2008-01-03 11:19