太平洋戦争開戦秘話「覆面石油部隊」については、1つ前のエントリ「太平洋戦争 日本軍と石油」で動画を見てもらうとして これだけでは日本軍が輸送船の保護をどれくらい軽く見ていたのかよくわからないですよね。そこで少し補足しておこうと思う。 お粗末な日本の護衛体制 「日本の生命線」であるはずの南方航路の護衛専門部隊ができたのは、なんと日米開戦から4ヶ月も経ってからのことであった。しかも、そのお粗末ぶりときたら…… 『海上護衛戦 (学研M文庫)』の著者でもある当時、海上護衛総司令部の作戦参謀であった元海軍大佐・大井篤(あつし)さんは次のように語っている。 「連合艦隊がまったく非協力的なんだ。軍司令部の計算では、南方航路を守るには最低水雷戦隊が三隊は必要と考えたのだが、連合艦隊に交渉してみると、まだまだ作戦地域を広げて侵攻作戦を計画していて、あくまで作戦優先。護衛なんかてんで頭にない。一隻の駆逐艦も出