2025-07-09

映画国宝感想ネタバレ

結論:血の繋がりこそが全て


いやーー、終わり悪ければ全て悪しの典型みたいな映画だったわ、『国宝』。

最後最後に出て来たある登場人物のおかげで、それまでの内容が全部吹っ飛んで、映画の印象が最悪になった。

その登場人物とは主人公の実の娘。

役者の演技や舞台美術音楽がどんなに素晴らしかろうとも全てが台無し。上等なワインに泥水をぶち込むが如き存在だった。


この映画主人公はとにかく、歌舞伎役者として成功するに値する血統がない事に苦しめられ続ける。

主人公ヤクザの組長の息子で、家が襲撃されて父が死んだ時に助けてくれた有名歌舞伎役者に引き取られる。

その家には歌舞伎役者の実子として主人公と同い年のボンボンがいた。

そのボンボンは憎めない所もあるもの稽古をサボっていたり、その割に父が怪我でその代役に抜擢された主人公の演技の素晴らしさに打ちのめされて主人公彼女駆け落ち失踪したりと、とにかく迷惑野郎

主人公ボンボン失踪後に師匠歌舞伎役者を支え、名前を貰うまでになるが、師匠舞台上で倒れて最期に呼んだのは実の息子の名前

父の死後にボンボンが帰って来て、主人公から場所を奪う。主人公ヤクザの生まれである事や舞妓との間に考えを作った事実週刊誌報道されて落ちぶれる

紆余曲折あった末にボンボンとも和解し、そんなボンボンの死から16年。主人公結婚もせず芸に邁進し、遂には人間国宝に選ばれ、取材を受ける。

主人公取材する写真家は、主人公舞妓との間に生ませた実の娘だった。この娘の存在がとにかく最悪。

主人公に恨み言を吐くところで終わっておけばいいものを、舞台の上の主人公を称賛し、人間国宝選出を祝う言葉をかける。それから主人公舞台に上がり、師匠がかつて得意とした演目を演じる。

結局のところ、歌舞伎役者としての舞台への情熱や演技にかける狂気なんてどうでもよくて、女と交尾して子供を作っておけばいいよというオチでした!!マジでクソだな!

この娘の台詞主人公を恨むもので終わっていたら、映画の印象は全然違うものになっていただろうに。全てを失い肉親からも恨まれてもそれでも舞台に立つというオチならば、緩急が聞いて素晴らしいオチだった筈だ。本当に勿体無い。 


ていうかこの映画、出て来る女性陣が軒並カスなんだよね。実子に後を継がせる事に執着する歌舞伎役者の妻や、主人公裏切りボンボン駆け落ちする主人公彼女主人公駆け落ちしたが途中で見捨てる金持ちお嬢様、2号さんでもいいという安易な考えで婚外子を産む舞妓、そんな母を恨まず父だけを恨む主人公娘。原作者ミソジニーが強いのか、歌舞伎という題材だと自然とそうなるのか。

  • 映画の女の扱いがよくわからんかったのは同じやけど 原作の話聞くと娘とはもっと交流があったり彰子もちゃんと最後まで夫婦らしくて 映画の脚本がアカンかったんやないかと思うで

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん