1年前に関東に嫁いだ友人から
「今九州に戻ってきてるんだけど、久しぶりに会って話がしたくて」
とメールが届いた。
それで、居酒屋で飲みながら話を聞いた。
ちなみにワインの持ち込みはしていないので店長には怒られていない。
そうすると
・旦那とは結婚してから一度もしてない、旦那が応じてくれない
・実は付き合ってたころから何年間もしてない
・関東では山奥の僻地の社宅住まいで、どこか家の外でフラストレーションを解消させるというのもなかなかむずかしい
・結婚が決まって関東に行く直前に知り合い、今も関係が続いているセフレが九州にいる
・当然セフレのことは隠しつつだが「九州を離れるのは嫌なので、毎月一回は九州に帰らせてもらう」という条件で旦那と結婚した
・そんなこともあって、実は月の半分ぐらいは九州にいる、つまりこれまでの結婚生活の約半分は旦那と離れて九州で浮気してる
・旦那はたぶん気付いていない
というようなカミングアウトが続々と飛び出してきた。
いや、もともと浮気癖のある子だというのは知っていたし、小さいころから親子関係に恵まれなくて愛情に飢えてて、それがエロスのほうにいったのか過剰な恋愛体質というかセックス体質の女になったというのも知っていた。
旦那はEDとかではなく性的に淡白だというだけなのだけど、旦那のほうも小さいころ何かいろいろあったらしく、セックスを嫌うわけではないにしても年頃の男性としてはちょっと信じられないぐらいに淡白なんだそうだ。具体的にはよくわからんけど。
とにかく新婚さんらしい性的な触れ合いがほとんどなく、枯れた老夫婦のような結婚生活がつらくて仕方ない。
好きで一緒になったはずの旦那にも愛情を感じられない。
加えて昨年のリーマンショックのあおりで未だに旦那の会社では残業禁止令が出ていて、手取りが激減した。
愛もない、お金もない。
わたしは何のために故郷を捨ててこんなところまでやってきたのだろう、と彼女の中ではこうなっているわけだ。
お金はいずれ何とかなるんじゃない、という話をした。
旦那の会社はこんな九州の片田舎住まいのわたしでも知ってるような大企業だし、そこの正社員なんだから、リストラさえ免れればいずれ景気は回復するし大丈夫なのではないかと思う。
今一時的に苦しいのであれば彼女がパートでもして家計を助ければいい。
それではもうひとつの問題である「愛」はどうすればいいのか、ということで、でもそれはまあ、「幸せ」と同じで、本人がそれを感じられる状態こそ、それが存在している状態なのだと思う。
だから今の二人にとって愛はあると言えばあるし、ないと言えばないという、非常に不確かでつかみにくいものなんかなあ、とか考えた。
少なくとも彼女にとってはセックスと密接に関わっていることは間違いなくて、実際最近ではそのセフレのほうに情が移ってしまっているらしく
「こっちで仕事を探して腰を据えようかと思う」
なんてことをのたまったりする(さすがに止めた)。
旦那のほうはと言うと、聞けば聞くほどわかりやすく「お母さん」を求めて結婚したのだということが彼女の話のはしばしから伝わってくるのだった。
付き合ってたころからセックスレスだったんなら、どうしてもっとよく話し合わなかったのか、とは思う。
お互いに求めるものが違うということはわかっていたはずだ。
わたしなどは、彼と付き合いながらとっかえひっかえへんな男と浮気を繰り返してはボロボロになっていく彼女が痛々しく、結婚話が持ち上がっていることを知ったときは心から「これでもう安心だ」と思った。
と説得したりもした。
セックスレスで彼女が悩んでいたことを知っていれば、もう少し違うことが言えたのかもしれない。
のだけれど、適齢期の女性として彼女の焦りはよく理解できるし、いろいろ不満はあれどとりあえずなせばなる!っていう気持ちでえいやっと結婚したのだと思う。たぶん。
旦那とちゃんと話し合いなよ、と言うのだが、当然彼女もそれは何度も試みたらしい。
しかし旦那も旦那で(旦那とも古くからの知り合いなのでなんとなくうなづける部分はあるのだが)彼女の真摯な訴えを真正面から受け止めようとせず、冗談ではぐらかしてしまうばかりらしい。
何か性的コンプレックスがあってその話題を避けたいとかいうわけではなく、あと仕事で疲れてていつも応えられなくてごめんとかそういうのでもなく、むしろ自分から笑いのネタにしたりする。
それでも男としてプライドが許さないというか、そこでプライドが傷つかない男なんているんだろうか、とわたしは思ったりもしたのだが、ああでも、あの人ならそれもありえるかなあ、と結局は思った。
要するに「こだわらない人」なのだ。
人間関係とはとにかく楽しくておもしろければよく、つらいことや苦しいことに「わざわざ」目を向けることをしない。
そしてそれを何ら悪いことだと思っていない。
そういう人なのだ。
かと言ってチャラ男でもなく、何と言えばいいのか、「飄々」ということばを体現してるような人、というか。
まあそのぶん、普段はとても話しやすく、屈託のない人だ。
彼女もそういうところはどうしても憎めないと言っている。
そんなわけで、彼女の調査によれば旦那のほうは浮気の可能性もないらしい。
どんな調査をしたのかわからないのでなんとも言えないけれど、してるんじゃないのかなあ、と内心では思った。
まあでもこの二人の場合、旦那が浮気をしてるかどうかっていうのはあんまり重大な問題じゃないようにも思える。
なんというか、話を聞きながらそれなんてシゲタカヨコだよ、とか思っていたのだが、満たされない親の愛を性的接触で満たそうとする傾向は過去のわたしにもあったもので、彼女のわけのわからん一連の行動にも個人的にとても納得できてしまうところはある。
人から正論を言われて頭ではよくよく理解できていても、どうしてもやめられないのだ。依存してるから。
ただ、いろいろあってそこから抜け出すことに成功したわたしから言わせてもらえるのであれば、一刻も早くセフレと縁を切ってほしいと思う。
そして、コミュニケーション不全に陥っている旦那との関係を全力で修復してほしい。
たぶん旦那は今の状態を特に問題視してないんだろう。
ありえねー、と思われそうだがあの旦那ならありえる。
まず旦那に危機感を持たせないといけない。
嫁を本式のメンヘルにしたくないのなら何とかしろ、お前しかいない、と言いたい。
いや今でもかなりまずいところまでいってるのはわかってるが、とにかく旦那なんとかしろ。
でも旦那の今の連絡先を知らない。
誰に聞けばいいんだ。嫁に聞けばいいのか。
ていうか今まで無理やり擁護してみたが嫁もかなりひどいもんだ。
旦那があまりに哀れだ。
わたしが男ならこんな女性を嫁にもらいたくはないだろう。
話を聞いているときはどんなオチが来るのかと思って最後までふんふんなるほど、と黙ってうなづいていたが特にオチはなかった。
後で考えてみたら、やっぱりこんな嫁はいやだと思った。
いや、夏帆ならいいかもしれない。それはわからない。
ていうか本当はちょっとめんどくさい自分もいる。
なんでそもそもお前ら結婚したんだよ、と思う。
こんな話聞くと、ただでさえ関心薄いのがますます結婚したくなくなってくる。
しかし世の人々はことごとく結婚をすすめてくるので無視することは難しい。
なんかもうこれでもかというぐらい(主に嫁が)ダメダメな夫婦だが、よく考えてみれば、こういう話はそれほど珍しいわけでもないような。
なんとなく「あー結婚ってこんなものなのかもね」とか認識してしまっていたりするがそれは誤りなのだろうか?
それすらもよくわからなくなってきた。
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釣れないなあw
小町のほうがたくさん魚が釣れるぞ、それ。 毎月九州ねえ。ふーんw