- Date: Tue 23 11 2021
- Category: 北海道旅行記
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真夏の大冒険、北海道旅行記 (6) 5日目、知床で「普通に」出たよ
網走を出発して、斜里の道の駅で休憩し知床半島の北岸終点のウトロにむかう。途中、やけにまっすぐな道だなと思ったら、直線が18km続く「天に続く道」というのだとか。北海道、至る所に似たような道はありますが。美瑛の雨天が嘘のような快晴。
2021.8 オシンコシンの滝、短い夏の景色
途中、オシンコシンの滝で一休み。今回、どこもそうでしたが観光バスがまったくいない。それを生業としている人は本当に大変でしょう。と、目の前を自転車に荷物を載せた大学生が通りかかる。
北海道一周をしているのかな。心の中で思いっきり楽しめよとエールを送る。
2021.8 今日は最高の自転車日和だ
話は変わって、うちでは、海外旅行の計画は私、国内旅行の計画は伴侶という分担でになっています。
最近は、海外旅行が無くなったので、伴侶の負担が増えている。
今回は、3か月前にフェリーを私が押さえ、それからは、ここに行きたいねと、時々意見交換しながら、ガイドブック等を参考に徐々に計画を固めていく。
「知床五湖を歩いてみたいね。」と伴侶が言う。知床は、大学時代の北海道一周旅行でも行けなかったところでした。その頃は道が一部しか無かったので、往復すると何日か余計にかかるので諦めたのです。自分的にも今回のハイライトでした。
5日目(累積916km) 赤星;ウトロ
ガイドブックを読んでいると、知床半島はヒグマが普通に現れるということがわかってきた。
「知床は行きたいけど、ヒグマが普通に出ると書いてあるよ。」
「私たちが行くようなところで、ヒグマに会うことは無いんじゃない。山を歩くわけでないし。」
「でも、ヒグマが出てきたら大変だよ。知床五湖歩きは大丈夫かな。」
こんな会話を何回か繰り返した挙句「行きたくないなら行かなくてもいいよ。」と少々ムクレだした。
いや、行きたいよ、すごく。でも普通にヒグマが現れるというのは無視できないでしょ。
自分は鈍感に出来ているので、大抵のことは気にしないのですが、熊と幽霊(お化け屋敷のではない)には弱い。弱いというより、警戒アドレナリンが出てくる。
結局、ウトロ市街地は大丈夫ということで、そこからさらに走った知床五湖歩きだけは気を付けよう。
熊鈴は必ず付けて行こう、ということで決着しました。
2021.8 フレペの滝とウトロ崎灯台
ウトロの先、知床五湖手前の知床ネイチャーセンターに行く。市街地端の信号を越えると、延々山間の道路が続く。あと数分で知床ネイチャーセンターだと話ながらカーブを曲がると、誰もいないはずの道路上に2つの塊が動いている。母熊と子熊だ。カーブが連続する道だったので、熊と自動車の距離は50mも無い。他の車もまったくいない。
自動車なので、身の危険は無いはず。これはチャンスと2人とも写真をとる。向こうは、何だあの車は?という感じで悠々と道を歩いている。自動車に興味を持ったのか、親子ともこちらに近づいて来た。
こんな貴重な経験、もう一生無いだろうと、デジカメでアップのビデオをとろうと構えた瞬間、
「グワォー」と叫んで母熊が自動車に突進してきた。
2021.8 普通に歩いていた、ヒグマの親子
デジカメを落とした。幸い、車に体当たりはされなかったので、直ぐにエンジンをかけて(いや、エンジンはかけっぱなしだったか?記憶がない。)全力で走り去りる。
デジカメを向けたので、銃かなにかと誤認し威嚇したのか。
車に体当たりされるかと思って悲鳴を上げた位で、自分と熊の距離は3mも無かったよ。ドアもガラスも閉めていましたが、ヒグマがぶち当たれば、ガラスなど粉々になるはず。今でもあの時の突進された時のことは忘れられない。
何より、ベコンとへこんだ車を修理に出すときに、「ヒグマに体当たりされまして。」なんて間抜けなこと言いたくないよ。
2021.8 この直後、母熊が飛びかかってきた
(Tips 6)知床半島では、ヒグマは「普通」に出ます! 絶対にカメラを向けないこと。
知床ネイチャーセンターでは、多分同じ熊を見た人たちに職員が状況を聞いてざわざわしていました。「昨日も知床五湖で熊が出て、一部のコースが閉鎖になった」とか。
横で聞いていると、僕たちが明日、歩くコースだよ、おいおい。
2021.8 原生林を抜けても、まだ海まで結構ある
昼食をとった後、建物裏手からオホーツク海を望む崖まで歩いてみる。というと、遊歩道でも歩たように感じるかも知れませんが、いきなり原生林の中を海まで30分歩く。前にも後ろにも人の気配なし。いつ熊が出てきても不思議はないので、ザックに付けた熊鈴を常に鳴らしながら歩く。
秩父のトレッキングでこれをやると、うるさくて迷惑だから止めて、と言われてしまうのですが、今回はさすがに伴侶も黙認。なにしろ、車が通る道路にも出てくるくらいだから、こんな原生林でいつ遭遇してもおかしくない。
2021.8 出会ってしまったら‥‥って
ネイチャーセンターにも「熊と出会った時の注意」というのが貼ってあったけど、普通の感覚で言えば、ヒグマと出会ったら終わりでしょ。出会ったときって、外国人じゃないのだから。
天気も気候のいい知床の地、これで熊さえいなければと思いつつ歩く。
よくよく考えたら、熊も同じことを考えながらぶらぶらしているかも。
2021.8 知床半島は船でしか行けません
知床半島を船上から望む知床クルーズは、今回の旅のハイライト。
早速、チケットを買おうとすると、
「午後の便は、どうなるかわかりません。波が強いので欠航になることも結構あります。」
(おじさんの話のまま。しゃれではないと思いたい。)
これを聞いて、船に弱い伴侶はビビッてしまい、私一人で乗ることにしました。
先端まで行くと往復で4時間かかるので、中間地点折りかえしの2時間コースにする。
(Tips 7)半島先端までの往復と、中間のカムイワッカの滝折り返しの2航路で、船は小型船と写真の中型船の2つ。小型船はかなり小さく、船酔いは絶対にしない人以外は止めた方がいいでしょう。
出発地のウトロ港の少し先までしか道が無いので、その先は人間未開の地。海岸を熊が歩いているのが見られることも珍しくないとか。船の上からなら怖くないぞ、と思いつつ陸地を凝視していましたが、熊はついに見られませんでした。鹿は見かけたけど。
今回の旅で一番の、雲一つない中でオホーツク海を進んでいくのは本当に気持ちが良かったです。
写真より動画の方がよく分かるので、動画をご覧下さい。
天気もよく波もなく、これだったら伴侶も絶対に乗れたはずだ、2人で半島を見られたのにとがっかりする。チケット売り場のおじさんがオーバーなんだよ。海が荒れるかもって。こんないい天気の日に荒れるかもというなら、1年でクルーズ出来る日なんて数える位でしょ。クルーズは素晴らしかったものの、少しがっかりして降船後、伴侶と落ち合う。
「半島の先端まで行く便は、波が強くて欠航だったって。」
えっ?途中まで波も無かったのに?
あそこから少し先は波が強かったのか。海はわからないので無理は禁物だ。
よくよく考えると、うねりで風呂のお湯が飛び出そうな時も、快適だと入っていた自分。
鈍感で気が付かなかったけど、結構波があったのかも知れないな‥‥‥
2021.8 オシンコシンの滝、短い夏の景色
途中、オシンコシンの滝で一休み。今回、どこもそうでしたが観光バスがまったくいない。それを生業としている人は本当に大変でしょう。と、目の前を自転車に荷物を載せた大学生が通りかかる。
北海道一周をしているのかな。心の中で思いっきり楽しめよとエールを送る。
2021.8 今日は最高の自転車日和だ
話は変わって、うちでは、海外旅行の計画は私、国内旅行の計画は伴侶という分担でになっています。
最近は、海外旅行が無くなったので、伴侶の負担が増えている。
今回は、3か月前にフェリーを私が押さえ、それからは、ここに行きたいねと、時々意見交換しながら、ガイドブック等を参考に徐々に計画を固めていく。
「知床五湖を歩いてみたいね。」と伴侶が言う。知床は、大学時代の北海道一周旅行でも行けなかったところでした。その頃は道が一部しか無かったので、往復すると何日か余計にかかるので諦めたのです。自分的にも今回のハイライトでした。
5日目(累積916km) 赤星;ウトロ
ガイドブックを読んでいると、知床半島はヒグマが普通に現れるということがわかってきた。
「知床は行きたいけど、ヒグマが普通に出ると書いてあるよ。」
「私たちが行くようなところで、ヒグマに会うことは無いんじゃない。山を歩くわけでないし。」
「でも、ヒグマが出てきたら大変だよ。知床五湖歩きは大丈夫かな。」
こんな会話を何回か繰り返した挙句「行きたくないなら行かなくてもいいよ。」と少々ムクレだした。
いや、行きたいよ、すごく。でも普通にヒグマが現れるというのは無視できないでしょ。
自分は鈍感に出来ているので、大抵のことは気にしないのですが、熊と幽霊(お化け屋敷のではない)には弱い。弱いというより、警戒アドレナリンが出てくる。
結局、ウトロ市街地は大丈夫ということで、そこからさらに走った知床五湖歩きだけは気を付けよう。
熊鈴は必ず付けて行こう、ということで決着しました。
2021.8 フレペの滝とウトロ崎灯台
ウトロの先、知床五湖手前の知床ネイチャーセンターに行く。市街地端の信号を越えると、延々山間の道路が続く。あと数分で知床ネイチャーセンターだと話ながらカーブを曲がると、誰もいないはずの道路上に2つの塊が動いている。母熊と子熊だ。カーブが連続する道だったので、熊と自動車の距離は50mも無い。他の車もまったくいない。
自動車なので、身の危険は無いはず。これはチャンスと2人とも写真をとる。向こうは、何だあの車は?という感じで悠々と道を歩いている。自動車に興味を持ったのか、親子ともこちらに近づいて来た。
こんな貴重な経験、もう一生無いだろうと、デジカメでアップのビデオをとろうと構えた瞬間、
「グワォー」と叫んで母熊が自動車に突進してきた。
2021.8 普通に歩いていた、ヒグマの親子
デジカメを落とした。幸い、車に体当たりはされなかったので、直ぐにエンジンをかけて(いや、エンジンはかけっぱなしだったか?記憶がない。)全力で走り去りる。
デジカメを向けたので、銃かなにかと誤認し威嚇したのか。
車に体当たりされるかと思って悲鳴を上げた位で、自分と熊の距離は3mも無かったよ。ドアもガラスも閉めていましたが、ヒグマがぶち当たれば、ガラスなど粉々になるはず。今でもあの時の突進された時のことは忘れられない。
何より、ベコンとへこんだ車を修理に出すときに、「ヒグマに体当たりされまして。」なんて間抜けなこと言いたくないよ。
2021.8 この直後、母熊が飛びかかってきた
(Tips 6)知床半島では、ヒグマは「普通」に出ます! 絶対にカメラを向けないこと。
知床ネイチャーセンターでは、多分同じ熊を見た人たちに職員が状況を聞いてざわざわしていました。「昨日も知床五湖で熊が出て、一部のコースが閉鎖になった」とか。
横で聞いていると、僕たちが明日、歩くコースだよ、おいおい。
2021.8 原生林を抜けても、まだ海まで結構ある
昼食をとった後、建物裏手からオホーツク海を望む崖まで歩いてみる。というと、遊歩道でも歩たように感じるかも知れませんが、いきなり原生林の中を海まで30分歩く。前にも後ろにも人の気配なし。いつ熊が出てきても不思議はないので、ザックに付けた熊鈴を常に鳴らしながら歩く。
秩父のトレッキングでこれをやると、うるさくて迷惑だから止めて、と言われてしまうのですが、今回はさすがに伴侶も黙認。なにしろ、車が通る道路にも出てくるくらいだから、こんな原生林でいつ遭遇してもおかしくない。
2021.8 出会ってしまったら‥‥って
ネイチャーセンターにも「熊と出会った時の注意」というのが貼ってあったけど、普通の感覚で言えば、ヒグマと出会ったら終わりでしょ。出会ったときって、外国人じゃないのだから。
天気も気候のいい知床の地、これで熊さえいなければと思いつつ歩く。
よくよく考えたら、熊も同じことを考えながらぶらぶらしているかも。
2021.8 知床半島は船でしか行けません
知床半島を船上から望む知床クルーズは、今回の旅のハイライト。
早速、チケットを買おうとすると、
「午後の便は、どうなるかわかりません。波が強いので欠航になることも結構あります。」
(おじさんの話のまま。しゃれではないと思いたい。)
これを聞いて、船に弱い伴侶はビビッてしまい、私一人で乗ることにしました。
先端まで行くと往復で4時間かかるので、中間地点折りかえしの2時間コースにする。
(Tips 7)半島先端までの往復と、中間のカムイワッカの滝折り返しの2航路で、船は小型船と写真の中型船の2つ。小型船はかなり小さく、船酔いは絶対にしない人以外は止めた方がいいでしょう。
出発地のウトロ港の少し先までしか道が無いので、その先は人間未開の地。海岸を熊が歩いているのが見られることも珍しくないとか。船の上からなら怖くないぞ、と思いつつ陸地を凝視していましたが、熊はついに見られませんでした。鹿は見かけたけど。
今回の旅で一番の、雲一つない中でオホーツク海を進んでいくのは本当に気持ちが良かったです。
写真より動画の方がよく分かるので、動画をご覧下さい。
天気もよく波もなく、これだったら伴侶も絶対に乗れたはずだ、2人で半島を見られたのにとがっかりする。チケット売り場のおじさんがオーバーなんだよ。海が荒れるかもって。こんないい天気の日に荒れるかもというなら、1年でクルーズ出来る日なんて数える位でしょ。クルーズは素晴らしかったものの、少しがっかりして降船後、伴侶と落ち合う。
「半島の先端まで行く便は、波が強くて欠航だったって。」
えっ?途中まで波も無かったのに?
あそこから少し先は波が強かったのか。海はわからないので無理は禁物だ。
よくよく考えると、うねりで風呂のお湯が飛び出そうな時も、快適だと入っていた自分。
鈍感で気が付かなかったけど、結構波があったのかも知れないな‥‥‥