- Date: Sat 11 09 2021
- Category: Songs2
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Caravan(1935) Coverしてみた、アラビアの呪い
今回のカバーは、ラテンのスタンダードCaravan。作曲者はDuke Ellington。
オリジナルがパッと浮かぶ人は少ないかも知れませんが、ラテンをよくご存じの方であれば、3-2クラーベと言えばリズムが取れると思います。
セッションで「ラテンで何かやらない?」という時によくコールされる曲です。
ボーカルの人が好きなイメージで、今回もボーカルさんから提案がありました。
構成は、A-A-B-Aで16×4の全64小節。リズムは6/8。コード進行は黒本でもネットでも探せます。
Fmのモード曲でラテンぽくもフュージョンぽくも色々演奏できるので、セッション向けの曲ですね。
まずカバーを聞きながらお読み下さい。
Vocal : Marie
EP & Organ : C. Sugita
Bass : S. Kawano
Guitar :Akissh (Gibson Les Paul Studio 2004)
Synthesizer :Akissh (Korg Triton Le)
Drum :BIAB
Back Photo : Kuala Lumpur Malaysia
Mix Down : Akissh
Arranged : Akissh
Composed : Duke Ellington
今回は(といってもセッションは今年の2月。)ボーカル、キーボード、ベースに私の4人。皆、何度もやったことのある曲で、今回は特段のアレンジもなく黒本通りにやりましょうということに。
リアルセッションなら、イントロのベースとドラムに加え、キーボードとギターのバッキングでノリが決まり、ボーカルがそれに合わせて歌います。
かたやオンラインセッションでは、最初の仮音源でノリがが提示される。ここは私の担当なので、BIABのスタイルからフィットするものを引っ張ってきます。これだ!とピタッと決まる時もあれば、タイトでスクエアな16Beatと、ハービーメイソン的な8と16の中間的なノリとどちらにしようか、色々と迷う時もあります。今回は、「アフロキューバン68」をリズムのベースに使いました。
本当は、ドラムとベースが出来上がってから上物を演奏したいところですが、順序に拘っていると1曲の作成が非常に長くなってしまうので、キーボードやギターは同時並行で演奏し、出来たところから演奏し送ってもらう。人の演奏を何度も聞た後に自分が演奏するのは、セッションと言えるか微妙ですし。
オンラインセッション独特なものに、ボーカル無し段階でバッキングを演奏することがあります。
普通はボーカルの歌い方を聞きながらバッキングを演奏するのが当たり前なので、ボーカルレスで演奏するのは結構難しい。でも、無事再録になることなく成功。ロックのようにべったりバックを塗りつぶさないのがコツでしょうか。
Singapore 2013.8
ベーストラックが送られてくると、一気に曲の骨格が見えてくる。ここが折り返し点になるので、ベースを合成したラフミックスを全員に送る。ボーカルはこのラフミックスバージョンに合わせて録音をして送られてくるケースが多い。
ボーカルが入ると最終段階に近づくので、ボーカルを入れたラフミックス2を全員に送って、残りを仕上げてもらう。今回はボーカルさんがアラビアチックな歌唱を披露してくれて皆が刺激されました。
全音源が揃ってからは、完成まで私の個人作業となります。
大抵の場合、ミックスを聞きながら、曲の色気を出すために私が1つか2つトラックを重ねることが多い。バラードならサビのバックに広がるパッドとか、料理で言えばスパイス部分をプロデューサー権限で演奏、録音する。今回は、パーカッションをラフミックス段階で、サビのシンセを最後に追加しました。
ここはあくまでスパイスなので、無くても成立するけどあることによって曲の魅力が際立つもの、となるよう注意しています。完成直前の料理にケチャップをぶっかけたら、台無しなので。
全音源が揃ったところで、ミックスダウンし2Mix(ステレオ2ch音源)を作る。以前は一気にマスタリングまで終わらせてましたが、今は2Mix段階で1日寝かせ、最終バランス調整してからマスタリングに入ります。コツは耳を休ませつつ聞くことでしょうか。
Izotope Ozone9
マスタリングは3段階プロセスで進めています。これがベストという訳ではないですが、ミキシングは上手くいっているはずなのに何か音がしょぼいな、と感じる方は、一度同じプロセスでマスタリングしてみて下さい。何かヒントになるはずです。
1)超高域、超低域をEQでカット
ここは音質とは関係ありません。何らかの原因で超高域、超低域のノイズが入ることを防ぐため、30Hzと18,000Hz辺りを-18dbのハイパス、ローパスフィルターでカット。おまじないのようなものです。
2)MS処理(逆相成分)
ステレオは、右Rと左Lの2トラックで立体感を出していますが、RとLではなく中央Midと両側Side成分に分けて処理をするのがMS処理。現在のマスタリング常套手段です。
MS処理では色々なことが出来ますが、ほんの少し逆相成分を追加をすることが多い。普通の音場は、自分の前3m位に一列に並びリバーブ等で奥行きを出す。これに逆相成分を追加すると自分がステージ中央マイクの位置あたりにいるような感じになります。ヘッドフォンで聞くと頭の周りでぐるっと鳴っているように聞こえるのがこれです。
最近は、「IzotopeのOzone9」を使うことが多いかな。
少し逆相成分を追加すると、ぐっとゴージャスになりますが、やりすぎると不自然になります。
(最近のJ-Pop、アニソン等はやりすぎのものが多い)逆に、MS処理(逆相)をしていないものは、70年代のLPみたいな素朴な音に聞こえてしまう。最近はこういうのが多いので難しいですね。スパイスをかけ過ぎて舌がマヒしないように要注意です。
こんな設定の場合が多い
3)Limiter
コンプレッサーはミックスダウンの段階で使い、マスタリングの段階では使いません。コンプレッサーの設定や種類によっては音色が変わってしまい、ミックスダウンやり直しになる可能性があるためです。
最後にピークを押さえるため、色付けなしのLimiterで仕上げます。「W1-Limiter」をいつも使用していますが、音圧も適度にあがり無色透明なので非常に使いやすい。
これで完了です。フーッ。
実はここから、YouTubeにアップするための画像作成にかかりますが、ここまででかなり精力を使っているので結構大変です。誰かやってくれる人がいないかな。
一つ言い忘れました。
今回のCoverの一番最後の部分、いつか試みようと温めていたアイデアです。
面白いでしょ‥‥‥
オリジナルがパッと浮かぶ人は少ないかも知れませんが、ラテンをよくご存じの方であれば、3-2クラーベと言えばリズムが取れると思います。
セッションで「ラテンで何かやらない?」という時によくコールされる曲です。
ボーカルの人が好きなイメージで、今回もボーカルさんから提案がありました。
構成は、A-A-B-Aで16×4の全64小節。リズムは6/8。コード進行は黒本でもネットでも探せます。
Fmのモード曲でラテンぽくもフュージョンぽくも色々演奏できるので、セッション向けの曲ですね。
まずカバーを聞きながらお読み下さい。
Vocal : Marie
EP & Organ : C. Sugita
Bass : S. Kawano
Guitar :Akissh (Gibson Les Paul Studio 2004)
Synthesizer :Akissh (Korg Triton Le)
Drum :BIAB
Back Photo : Kuala Lumpur Malaysia
Mix Down : Akissh
Arranged : Akissh
Composed : Duke Ellington
今回は(といってもセッションは今年の2月。)ボーカル、キーボード、ベースに私の4人。皆、何度もやったことのある曲で、今回は特段のアレンジもなく黒本通りにやりましょうということに。
リアルセッションなら、イントロのベースとドラムに加え、キーボードとギターのバッキングでノリが決まり、ボーカルがそれに合わせて歌います。
かたやオンラインセッションでは、最初の仮音源でノリがが提示される。ここは私の担当なので、BIABのスタイルからフィットするものを引っ張ってきます。これだ!とピタッと決まる時もあれば、タイトでスクエアな16Beatと、ハービーメイソン的な8と16の中間的なノリとどちらにしようか、色々と迷う時もあります。今回は、「アフロキューバン68」をリズムのベースに使いました。
本当は、ドラムとベースが出来上がってから上物を演奏したいところですが、順序に拘っていると1曲の作成が非常に長くなってしまうので、キーボードやギターは同時並行で演奏し、出来たところから演奏し送ってもらう。人の演奏を何度も聞た後に自分が演奏するのは、セッションと言えるか微妙ですし。
オンラインセッション独特なものに、ボーカル無し段階でバッキングを演奏することがあります。
普通はボーカルの歌い方を聞きながらバッキングを演奏するのが当たり前なので、ボーカルレスで演奏するのは結構難しい。でも、無事再録になることなく成功。ロックのようにべったりバックを塗りつぶさないのがコツでしょうか。
Singapore 2013.8
ベーストラックが送られてくると、一気に曲の骨格が見えてくる。ここが折り返し点になるので、ベースを合成したラフミックスを全員に送る。ボーカルはこのラフミックスバージョンに合わせて録音をして送られてくるケースが多い。
ボーカルが入ると最終段階に近づくので、ボーカルを入れたラフミックス2を全員に送って、残りを仕上げてもらう。今回はボーカルさんがアラビアチックな歌唱を披露してくれて皆が刺激されました。
全音源が揃ってからは、完成まで私の個人作業となります。
大抵の場合、ミックスを聞きながら、曲の色気を出すために私が1つか2つトラックを重ねることが多い。バラードならサビのバックに広がるパッドとか、料理で言えばスパイス部分をプロデューサー権限で演奏、録音する。今回は、パーカッションをラフミックス段階で、サビのシンセを最後に追加しました。
ここはあくまでスパイスなので、無くても成立するけどあることによって曲の魅力が際立つもの、となるよう注意しています。完成直前の料理にケチャップをぶっかけたら、台無しなので。
全音源が揃ったところで、ミックスダウンし2Mix(ステレオ2ch音源)を作る。以前は一気にマスタリングまで終わらせてましたが、今は2Mix段階で1日寝かせ、最終バランス調整してからマスタリングに入ります。コツは耳を休ませつつ聞くことでしょうか。
Izotope Ozone9
マスタリングは3段階プロセスで進めています。これがベストという訳ではないですが、ミキシングは上手くいっているはずなのに何か音がしょぼいな、と感じる方は、一度同じプロセスでマスタリングしてみて下さい。何かヒントになるはずです。
1)超高域、超低域をEQでカット
ここは音質とは関係ありません。何らかの原因で超高域、超低域のノイズが入ることを防ぐため、30Hzと18,000Hz辺りを-18dbのハイパス、ローパスフィルターでカット。おまじないのようなものです。
2)MS処理(逆相成分)
ステレオは、右Rと左Lの2トラックで立体感を出していますが、RとLではなく中央Midと両側Side成分に分けて処理をするのがMS処理。現在のマスタリング常套手段です。
MS処理では色々なことが出来ますが、ほんの少し逆相成分を追加をすることが多い。普通の音場は、自分の前3m位に一列に並びリバーブ等で奥行きを出す。これに逆相成分を追加すると自分がステージ中央マイクの位置あたりにいるような感じになります。ヘッドフォンで聞くと頭の周りでぐるっと鳴っているように聞こえるのがこれです。
最近は、「IzotopeのOzone9」を使うことが多いかな。
少し逆相成分を追加すると、ぐっとゴージャスになりますが、やりすぎると不自然になります。
(最近のJ-Pop、アニソン等はやりすぎのものが多い)逆に、MS処理(逆相)をしていないものは、70年代のLPみたいな素朴な音に聞こえてしまう。最近はこういうのが多いので難しいですね。スパイスをかけ過ぎて舌がマヒしないように要注意です。
こんな設定の場合が多い
3)Limiter
コンプレッサーはミックスダウンの段階で使い、マスタリングの段階では使いません。コンプレッサーの設定や種類によっては音色が変わってしまい、ミックスダウンやり直しになる可能性があるためです。
最後にピークを押さえるため、色付けなしのLimiterで仕上げます。「W1-Limiter」をいつも使用していますが、音圧も適度にあがり無色透明なので非常に使いやすい。
これで完了です。フーッ。
実はここから、YouTubeにアップするための画像作成にかかりますが、ここまででかなり精力を使っているので結構大変です。誰かやってくれる人がいないかな。
一つ言い忘れました。
今回のCoverの一番最後の部分、いつか試みようと温めていたアイデアです。
面白いでしょ‥‥‥
AKISSHさんのカバーは、ボーカルがエキゾチックで、メロディもアラビア音階かと思えてきますし、リードギターは中近東路線だった頃のアル・ディメオラのようです。
それにしても、それぞれに演奏したパートを一緒にするのって、どの程度まで完成音を意識しながら、みんなやっているのか、演奏する人もすごければ、ミックスダウンする人もすごいです。