はてなキーワード: 固有値問題とは
科学の世界では「理論があるならすぐ観測できるはず」という発想は成り立たない。自然界は人間の実験装置の都合に合わせてくれないからだ。
素粒子が本当に弦なのかを直接見るには、弦の長さスケールまでエネルギーを上げる必要がある。弦理論で典型的に出てくる長さはプランク長、約 10^{-35} メートル。このスケールを分解するにはプランクエネルギーが必要になる。
Large Hadron Colliderの衝突エネルギーは約 10^{4} GeV。
差は15桁。
これは「もう少し頑張れば届く」という距離ではない。だから研究者は別の方法を探す。間接的証拠だ。
例えば
ここも誤解がある。
余剰次元は普通、非常に小さくコンパクト化していると仮定される。
もしそのサイズがプランクスケールなら、今の実験では当然見えない。
ここまでは単に「技術的に難しい」という話。
弦のエネルギー固有状態は離散スペクトルになり、それぞれが質量やスピンの異なる粒子として見える。
量子化した結果、ある振動モードはスピン1粒子、別のモードはスピン2粒子になる。
つまり「弦が振動する」というのは詩的表現ではなく、量子場のスペクトル問題だ。固有値問題の解が粒子の一覧になる。
弦理論は最初から「宇宙は弦だ」と決めて作られたわけではない。もともとは強い相互作用の散乱振幅を説明する数式から出てきた。ところがその数式を量子化すると、なぜか重力子が出てきた。
つまり研究者の反応は「宇宙は弦だ!」ではなく、むしろ「なんでこんな構造から重力が出てくるんだ?」という驚きだった。
最初は数学の奇妙な構造として現れ、あとから自然界と関係している可能性が見つかる。
実際、似た歴史はいくらでもある。反物質は方程式から予言されてから数年後に見つかった。重力波は理論から100年後に観測された。
宇宙はだいたい次の順番で姿を見せる。
1. 数式が妙な予言をする