ちなみにクルーグマンは、NYT執筆コラムを「リベラルの良心」と名付けたことから分かるように(cf. The Conscience of a Liberal - Wikipedia)、自他共に認める民主党系のリベラルである。それでもアベノミクスを支持する、というスタンスは、経済学者が独裁者を支持する時 - himaginary’s diaryで紹介した「ここで重要なのは、経済学は道徳劇ではない、ということだ。時には悪人が良い政策を実施することがあり、その逆もある。そして経済分析の仕事は、誰が実施したかとは無関係に政策を評価することであり、またそうあるべきである」という信念から来ている。
ここで言う「悪人」による経済政策の成功とそれによる政権基盤の強化は、喩えるならば悪人が国を豊かにする鍵を手に入れて権力を確立するという良くある童話のような話であるが、アベノミクスが良くある童話と違うのは、「悪人」はその鍵を何らかの悪辣な手段で手に入れたわけではなく、「公開鍵」になっていて賢人が頻りに指さしていたにもかかわらず「善人」が頑なに無視していたのを、普通にひょいと手にしたことにあるかと思われる。その点でこの話は立派な「道徳劇」になっているのかもしれない。
(なお、日本の経済学界の主流が反リフレ的であったことが安倍政権のリフレ政策採用の妨げにならなかったという点では、上の注で指摘した自民党(ないし清和会)の反アカデミズム的な傾向が怪我の功名のような効果を発揮した可能性もある。その点からも「道徳劇」としての教訓が得られそうである。)
Q. 財政政策はどうあるべきか、ないし、財政赤字や国の債務はどうすべきか? A. 個人的には、その問題はHDDレコーダーの残り時間が一つの比喩になるのではないかと考えている。見るか...
1:cf. himaginaryのブックマーク / 2010年10月18日 - はてなブックマーク。 2:なお、そこで示したグラフでは、総人口が減少し始める前に名目GDPが低迷している。これについては、人口減少とい...
5:こちらのツイートなどで指摘されているように、その点については、日本の大学法人化以降の傾向も一つの有力なエビデンスとなり得る可能性を秘めているように思われる。もしそれが...
8:こうした履歴効果の悪影響が強く残るという点でも太平洋戦争に類似していると言える。当時の日本のアジア各国への行状が未だに尾を引き、未だに国益を損ねていることは、中国が折...
11:The Return of Depression Economics (1999)では「The truth is that the world economy poses more dangers than we had imagined. Problems we thought we knew how to cure have once again become intractable, like temporarily suppressed bacteria that eve...
12:確かにETF購入のように後処理に非常に長期を要する政策もあるが、リフレ政策の結果、経済が成長を取り戻して株価が上昇するならば、その後処理がもたらすのはキャピタルゲインの...
14:ただし、アベノミクスが金融政策以外については物足りなかった、というのはアベノミクスを支持する人の多くも認めるところではある。 15:cf. 経済学者の聖杯 - himaginary’s diary、バロ...