雑草の言葉

パンドラの箱4

2013/05/05
科学技術 10
 人類が開けてはならなかった蓋を開けてしまったパンドラの箱の例は枚挙に暇が御座いません。これまでここでは3回にわたって描いてきました。
パンドラの箱1】で、石油(化石燃料)と原子力を最悪の例として挙げました。
パンドラの箱2】で、それらを総括すると、地下資源である事を描きました。
パンドラの箱3】では、さらに大きくまとめて科学技術の進歩そのものとしました。

以上でパンドラの箱については言い尽くしていると考えます。特に【パンドラの箱3】で人類が開けてしまったパンドラの箱の全てを語っています。
今回は、【パンドラの箱1】で述べた2つ・・・石油と原子力に並ぶ深刻なもの、【パンドラの箱3】で述べた事の中で、【パンドラの箱2】に含まれずに抜けている重大なものについて言及し直させて頂きます。それは、地下資源では無い最悪の科学技術「バイオテクノロジー」です。
石油化学と原子力が20世紀の失敗した『取り返しのつかない過去の技術』ならば、バイオテクノロジーは、21世紀の、十二分に失敗が予測できる『封印すべき技術』でしょう。それこそ、開けてはならない『パンドラの箱』です。(・・・そうではない、石油化学も原子力も、まだまだ発展する技術だ・・・と言う人も沢山いるでしょうが、大局的に物事を見るべきです・・・・この事に関しては今回はこれ以上論じません・・。)

 現段階でバイオテクノロジーは石油化学や原子力のように、大きな環境破壊はもたらしてはいないように見えますが、組み換え遺伝子による汚染は、あまり報道されないだけで、地下でどんどん進行しています。そして、石油化学や原子力との大きな違いは、バイオテクノロジー汚染の深刻な部分は、自己増殖性があると言う事です。たった1粒の危険な遺伝子組み換え作物の種が野に放たれただけで、文字通り『自己増殖」して地上に蔓延る可能性も否定できないのです。
 石油化学や原子力が、当初は人類に歓迎された技術であったが、蓋を開けてみるととんでもない悪魔の技術であったように、バイオテクノロジーも、「世界の食料危機を救う夢の技術」との誇大広告とは裏腹に、最悪の悪夢の技術となる可能性が非常に大きいでしょう。

「石油化学や原子力が、当初は人類に歓迎された」と書きましたが、それも、実は推進する業界や国の大々的なプロパガンダによるもので、当初から危険性を危惧していた人も沢山いたに違いありません。それが権力の封じ込めで、危惧している人は殆どいないようにプロパガンダされていたに違いありません。バイオテクノロジーの危険性に対する危惧も、十分に真っ当なもので、世界中から反対の声が巻き起こっていますが、モンサントなどの多国籍バイオ企業と癒着したアメリカ政府をはじめとして多くの権力者が「安全性」を強調して推進しています。原子力と同じ構造です。権力と癒着したバイオ企業が、利権の為に推進している・・・と言った情けない事情が実体でしょう。そう、石油化学も原子力もそして、バイオテクノロジーも、『人類の未来の為』と言った美辞麗句の謳い文句とは裏腹に、本音は推進の原動力は営利目的、利権でしょう。このようなパンドラの箱は、決して開けてはいけない筈です・・・。それなのに開けてしまうのは、まさにどうしようもない人間の欲望に他ならないでしょう。
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Comments 10

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guyver1092

希望

 ソースは不明ですが、パンドラの箱になぜ希望が入ったいたかの理由として、希望は最悪の災厄という説を読んだことがあります。

http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa2360555.html

 「災厄は地下資源によって人類にもたらされた。」のはなるほどそのとおりですね。
 希望とはバイオテクノロジーで間違いないと考えてよいでしょうね。人間は希望があるからこそ自滅的な選択をするのですから。
 いずれ災厄となるバイオテクノロジーの産物がすでにあるのかもしれませんし、将来作られるのかもしれません。

2013/05/06 (Mon) 17:30

雑草Z

Re:希望

    guyver1092 #さん

>希望は最悪の災厄

なるほど、納得出来ます。御紹介のページの「ベストアンサー」が大きな意味がある解釈であり、 guyver1092 さんの解釈ですね。それ以外のアンサーはありふれたもので、薄っぺらなつまらないアンサーばかりいです(笑)


 地下資源の蓋、即ちパンドラの箱の蓋である「地表」に穴を開けて、箱の中身の地下資源を掘り出して使い、一時の利便性の為に地球環境は非常に深刻な状況になって仕舞いました。f1品種と地下から掘り出した化学肥料で人口が爆発的に増え、食料危機が来ようとしているところへ、「希望」のバイオテクノロジーで遺伝子組み換え作物が地球を救うと言う希望・・・と言うシナリオですね。非常に怖い近未来予測です。でも、この「希望」は、モンサント等のバイオ企業の押し売りであり、信じている人はそんなにいないでしょう。バイオ企業の社員すらあまり信じていないかも知れません。原発が必要だと言う人とどっちが多いでしょうかね・・・?

+  +++    +++++    +++  +

今回の guyver1092 さんの『希望』も、独創的で非常に面白い題材ですね。記事として描き直したいですね。

2013/05/06 (Mon) 18:15

ST

多分「洗脳の影響」で…

バイオテクノロジーを完全に“希望”と捉えている人々が大部分なのでしょうからそう言った人々には「覚醒してもらわねばならない」のですが覚醒済みの人々はまだまだ極少数派だと思います。覚醒済みの人が大勢を占めるまで「いわゆるハードランディング」になることを覚悟しつつ、覚醒した人々は“回避策”を実践しなければならないと思ってます。
私の場合はまず「電気の節約」を最初の入口としていますがなかなかにこれだけでも難関だなぁと普段から感じてます。
(我が家の状況からして現状では出来る事に制限が多いので苦慮している次第です。)
あとは必要な物以外は買わない事位が出来る事ですかね…

2013/05/06 (Mon) 19:33

雑草Z

Re:多分「洗脳の影響」で…

    ST #さん

>バイオテクノロジーを完全に“希望”と捉えている人々が大部分なのでしょうから

そうでしょうか?・・・私はバイオテクノロジーを危惧している人の割合はかなり高いと思います。情報化社会で、バイオテクノロジーの危険性も多く知れ渡っています。・・・それでも、バイオ企業のプロパガンダや、バイオ企業に配慮したマスコミが、あまり報道しないと言う現実はあります。

日本でも「遺伝子組み換え作物は使ってません。」の表示は、遺伝子組み換え作物を信頼していないからでしょうし、ヨーロッパなども遺伝子組み換え作物には厳しく規制しています・・・それでも甘過ぎると思いますが・・・

実際、3011以降反原発派はかなり増えましたが、反遺伝子組み換え作物の人とどちらが多いでしょうかね。


>必要な物以外は買わない事

これは非常に重要ですね。それだけで、現代資本主義は行き詰って仕舞うでしょう。 

2013/05/07 (Tue) 21:47

guyver1092

バイオテクノロジーに対する希望

 日本人のどれくらいの人間が、バイオテクノロジーに希望を持っているかは私にはわかりませんが、今回のバイオテクノロジーの産物は、過去の緑の革命ほどの増収は不可能と考えています。理由はエントロピーの大きな太陽エネルギーをどれだけの効率で固定しているかによります。うろ覚えですが、植物はすでにエントロピー的に見て、ほぼ限界まで太陽エネルギーを固定しているそうです。ここからさらに四倍とかは不可能と考えてよいのではないでしょうか。

2013/05/07 (Tue) 23:10

雑草Z

Re:バイオテクノロジーに対する希望

>日本人のどれくらいの人間が、バイオテクノロジーに希望を持っているかは私にはわかりませんが、

そうですね。私も見当が付きませんが、知りたいところです。思うに、日本人は、
『遺伝子組み換え』と言う言葉には嫌悪感や警戒心を持つ人が沢山いますが
『バイオテクノロジー』には、それほど負の感情を持たないのではないかと思います。同じことなのですが、
『バイオテクノロジー』と言う言葉には、直接的には『遺伝子組み換え』と言う表現が入っていません。一般の感覚として、「遺伝子をいじる」と言う事には拒否反応を起こす人が多いのではないでしょうか?

さて、本題ですが、

>植物はすでにエントロピー的に見て、ほぼ限界まで太陽エネルギーを固定しているそうです。ここからさらに四倍とかは不可能と考えてよいのではないでしょうか。

その通りでしょうね。これは非常に大切な根本的な事ですね。
外からの投入エネルギーを差し引けば、緑の革命も従来の農業に適わないでしょう。緑の革命は、地下資源投入大量投入型農業への移行の典型でしたから・・。
しかし、原発の例の如く、EPRや太陽エネルギー固定と言う大切な観点の無視で、推進される可能性が大きいですね。
光合成の重要な働き、
太陽エネルギーの固定
は基本であり、最も配慮しなけれなならない根本なのですがね。

2013/05/08 (Wed) 06:06

ばあちゃんの畑

芝生も遺伝子組み換え?

昨日 毎年秋に園庭の落ち葉をもらって来て畑のマルチに使わせて
もらっている保育園から、芝生にした園庭をこれから週2回刈らな
くてはならない 燃えるゴミで市の焼却場に出している 子どもたち
が遊ぶので農薬は使っていない ニンニクエキスをすすめられて使
うことがある とのことなので、もったいないなと頂いてきて空地
の畑に積んだ。

このところ雑草さんに相当刺激して頂いているので、ふと芝生は
どうなんだろうと調べてみると案の定モンサントの手が伸びて
いて問題になっていました。もしやその類だとしたらあえて私の
畑に引き取ることはないなと思い園長先生にお聞きすると、西洋
芝の極上等な種類と業者は言っていた3種類を混植してあるとか?
遺伝子組み換えについても私も知りたいので、お手数でも業者に
問い合わせてみて頂けないでしょうか?とお願いした。
例えばそうだった場合刈ってすぐは切り口から液がにじむでしょ
それが園児の足に着いたりしても大丈夫なんだろうかとか考えて
しまった。またご存知てしたら教えてください。お願いします

2013/05/09 (Thu) 00:14

雑草Z

Re:芝生も遺伝子組み換え?

    ばあちゃんの畑さん
私は大抵の植物が好きです。土地はコンクリートで固めないで雑草を生やしたほうがいいと考えます。しかし、芝生は大嫌いです。わざわざさまざまな植物の植生を壊して芝生にしているからです。生態系を破壊するゴルフ場の象徴のようなイメージもあります。
 ・・まあ、それはおいて置いて、刈った芝をマルチや堆肥として使うのは賛成です。(堆肥としてはどのくらい効果があるのでしょうか?)

 さて、問題の遺伝子組み換え芝[GM芝]ですが、除草剤(特にモンサント社のラウンドアップ)を噴霧しても枯れないように遺伝子組み換えされたGM芝のことですね?ゴルフ場用に開発されたようですから、自然破壊のスポーツ、ゴルフの象徴みたいな代物ですね。
ネットで調べてみると、外部に流出すればコントロールができなくなり「スーパー雑草」になる可能性もあるからとアメリカでは認可されていないようですし、モンサントも商業化を断念して申請を取り下げたようですね。・・当然の処置です。
 日本にも入ってきていないと思いますし、入ってくるとしても先ずはゴルフ場ではないでしょうか?
 おそらく、その保育園の芝はGM芝ではないでしょう。
仮にその芝がGM芝だとしたら、人体に対して危険性がまったく無いとは言えないでしょうが、先ず影響が出るとしたらアメリカのゴルファー達でしょう。・・・やはり遺伝子組み換えで恐ろしいのは、食べ物でしょうね。
・・・兎も角、芝に遺伝子組み換えを行うなんてやめて欲しいものです。芝に限らず、遺伝子組み換えはパンドラの箱です。愚の骨頂です・・・。

 ××× ××× ××× ××× ××× ××× ×××

ばあちゃんの畑さん、またコメントありがとうございます。
ただ、今回の記事は、今回のコメント、質問内容とは違う主題です。コメントは、最新記事ではなく関連記事にお願いします。今回の内容であれば、先にばあちゃんの畑さんからコメントいただいていた記事【種を採って蒔く権利】や【遺伝子組み換え汚染】のコメント欄が適当かと思われます。最新記事にコメントしなくとも左側の<最近のコメント>欄の上に反映されますので、十分に対応は出来ます。以後よろしくお願いします。

2013/05/10 (Fri) 06:14

ばあちゃんの畑

失礼しました

私も送信してしまってから ちょっと違うかなと思ったのですが
以後気をつけます。芝は許可されていないとのこと安心しました
保育園のゴミ処理に協力しようと思います。ありがとうございました

2013/05/10 (Fri) 23:02

雑草Z

Re:失礼しました

    ばあちゃんの畑さんのコメントは色々と参考になります。
 質問内容も当方でも調べて非常に勉強になりますし、大歓迎です。
 だから今回の質問内容も、「失礼」だなんては思いません。・・・今回のGM芝に関しても、「パンドラの箱」と考えられますから、テーマからそんなに外れているわけでもありませんね。当方もGM芝に関する知識も増えて勉強になりました。感謝致します。

 保育園の芝生に関しては、あくまで素人である私の推測ですが、「西洋芝の極上等な種類」と言うのは、きっと日本で長年繁殖させたものでありましょう。GM芝が隔離された試験場から外部に漏れて繁殖して「スーパー雑草」になってしまったとしても、それはアメリカでの話でしょうし、先ずはアメリカで騒がれるでしょう。
・・・と、いいつつ園長先生から業者に問い合わせた結果がおわかりになりましたら、この下のコメント欄にでも書き込んで頂ければ幸いです。私の推測通りか、違うか、若しくは業者も分からないか・・・業者がどのような「回答」をするかが気になります。興味があります。

2013/05/11 (Sat) 07:27
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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