パンドラの箱4
【パンドラの箱1】で、石油(化石燃料)と原子力を最悪の例として挙げました。
【パンドラの箱2】で、それらを総括すると、地下資源である事を描きました。
【パンドラの箱3】では、さらに大きくまとめて科学技術の進歩そのものとしました。
以上でパンドラの箱については言い尽くしていると考えます。特に【パンドラの箱3】で人類が開けてしまったパンドラの箱の全てを語っています。
今回は、【パンドラの箱1】で述べた2つ・・・石油と原子力に並ぶ深刻なもの、【パンドラの箱3】で述べた事の中で、【パンドラの箱2】に含まれずに抜けている重大なものについて言及し直させて頂きます。それは、地下資源では無い最悪の科学技術「バイオテクノロジー」です。
石油化学と原子力が20世紀の失敗した『取り返しのつかない過去の技術』ならば、バイオテクノロジーは、21世紀の、十二分に失敗が予測できる『封印すべき技術』でしょう。それこそ、開けてはならない『パンドラの箱』です。(・・・そうではない、石油化学も原子力も、まだまだ発展する技術だ・・・と言う人も沢山いるでしょうが、大局的に物事を見るべきです・・・・この事に関しては今回はこれ以上論じません・・。)
現段階でバイオテクノロジーは石油化学や原子力のように、大きな環境破壊はもたらしてはいないように見えますが、組み換え遺伝子による汚染は、あまり報道されないだけで、地下でどんどん進行しています。そして、石油化学や原子力との大きな違いは、バイオテクノロジー汚染の深刻な部分は、自己増殖性があると言う事です。たった1粒の危険な遺伝子組み換え作物の種が野に放たれただけで、文字通り『自己増殖」して地上に蔓延る可能性も否定できないのです。
石油化学や原子力が、当初は人類に歓迎された技術であったが、蓋を開けてみるととんでもない悪魔の技術であったように、バイオテクノロジーも、「世界の食料危機を救う夢の技術」との誇大広告とは裏腹に、最悪の悪夢の技術となる可能性が非常に大きいでしょう。
「石油化学や原子力が、当初は人類に歓迎された」と書きましたが、それも、実は推進する業界や国の大々的なプロパガンダによるもので、当初から危険性を危惧していた人も沢山いたに違いありません。それが権力の封じ込めで、危惧している人は殆どいないようにプロパガンダされていたに違いありません。バイオテクノロジーの危険性に対する危惧も、十分に真っ当なもので、世界中から反対の声が巻き起こっていますが、モンサントなどの多国籍バイオ企業と癒着したアメリカ政府をはじめとして多くの権力者が「安全性」を強調して推進しています。原子力と同じ構造です。権力と癒着したバイオ企業が、利権の為に推進している・・・と言った情けない事情が実体でしょう。そう、石油化学も原子力もそして、バイオテクノロジーも、『人類の未来の為』と言った美辞麗句の謳い文句とは裏腹に、本音は推進の原動力は営利目的、利権でしょう。このようなパンドラの箱は、決して開けてはいけない筈です・・・。それなのに開けてしまうのは、まさにどうしようもない人間の欲望に他ならないでしょう。
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