飽食の時代
少なくとも太平洋戦争後何年かは、食糧難だった筈です。それからわずか数年で戦後の食糧難が去って、餓える人もほとんどいなくなりました。一時、食料生産も増えたのに、その後日本政府は、工業優先策で農業は冷遇で、食料自給率がどんどん下がってきました。・・にも関わらず、日本は次第に大量に食料を輸入して、食料には困らない国になりました。輸入してまで食べ残す国になってしまいました。・・そしていつの間にか飽食の時代なんて言われるようになりました。・・・その間にも日本の食料自給率はどんどん下がり続けて、昨年には40%を割って39%になったと発表されました。にも関わらず、まだまだ店には食べ物が溢れ、食べ残しが沢山捨てられ、コンビニ等では賞味期限切れの弁当などが沢山廃棄されています。
中国産、中国製の食品の危険性が騒がれ、国内産がかなり見直され、食料の自給の確保も論じられる事が増えてきました・・と言ってもまだまだお話になりません。
相変わらず、飲食店やホテルなどでは、宴会でもパーティーでも、口も付けられない料理が大量に捨てられています。そして、テレビでは、お気楽なグルメ番組が放送され、高級食材がなんたらかんたら・・・と浮かれています。
賞味期限の日付け変更なんて、大した問題ではありません。(嘘は良くありませんが・・)賞味期限が来ても食べられる食品が殆どです。勿体ないからもっと賞味期限延ばしてもいいのではないかと思ってしまいます。食品の偽装表示事件なんて事も枝葉末節かも知れません。もっとずっとシビアな問題があるのです。・・食の確保です。それもよそから買えばいいと言う安易な発想は良くありません。他の国が飢えているのを傍目に経済力にものを言わせて買ってくるやり方はモラル的にも許されないし、もう食糧確保では、のし上がってきた中国などに負ける場面もしばしばです。やはり食は自給自足しなければ話になりません。食糧供給をアメリカなどに抑えられていては、いつまでたってもアメリカの属国です。
現在、農業でも漁業でも持続可能とはかけ離れた方法が行われています。農地は流出し、水産資源は乱獲されています。世界の農業漁業生産量は、現在の水準を維持出来るかはかなり疑わしい状況です。そんな食糧生産事情にも関わらず、飽食の時代・・
食べ物は粗末にするものではないと思いますが、来年の食料の確保だってままならなくなってきた日本で、「飽食の時代」なんて浮かれていたら、近い将来必ずしっぺ返しが来るでしょう。
食糧不足は確実にすぐそこまで忍び寄ってきているでしょう。
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