202408:4泊5日 韓国・釜山旅行

5年ぶりぐらいに会う友人に誘われ、夏季休暇に釜山に行く。「今年はどこかでもう一度渡韓するか」とは考えていたが、思わぬ誘いでそれが実現し嬉しい。ひさしぶりにもかかわらず、会った瞬間から大学時代の空気にするりと戻る。大学時代なんてついこの前のことだと思っていたが、気がつくと出会ってからもう15年。「15年、やば〜」と笑いつつ、ちょっとしんみりするには十分な時間。

1日目──リベンジのサムギョプサル

日本よりもきっと暑さひかえめ、避暑にでも……という気持ちは到着早々に打ち砕かれ、降り立った瞬間、ムワムワとした湿気と強烈な日光にあてられる。

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地下鉄の車内はさすがに涼しいが、駅構内は空調がほぼ効いていない。とくに空港駅は、ガラス張りの駅舎ゆえにホームに日差しがまっすぐ差し込んでくる。汗をだらだらかいているにもかかわらず、乗り換え駅の沙上駅に漂うおでんの匂いに惹かれて、釜山での初食事。ピリッとした出汁がしみていておいしい。

今回の拠点は、地下鉄が2線乗り入れる便利な西面駅。のちほど合流する友人から遅延連絡があり、先にチェックインを済ます。4人旅ということもあり、宿はairbnbで探した。当たり外れがあるとは聞いていたが、清潔感があり、アメニティも揃っていて、かなりの快適度。洗濯できるのがありがたかった。

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お昼どき、腹を満たすべく西面駅近くの釜山冷麺のお店、서면개금밀면(西面開琴ミルミョン)に。あっさりした味わいが暑い日にぴったり。

友人と合流し、1日目のミッションである美容皮膚科に。「やってみたくて……」という誘いにみんなが乗っかってくれたのだが、蓋を開けてみると、言い出しっぺのわたしの支出がいちばん控えめという結果。みんな判を押したようにスキンブースターを打っていて笑った。

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クリニックを出ると夕飯の時間。前回のソウル旅行での後悔を晴らすべく、念願のサムギョプサル。とりあえず人気店なら外すことはないだろうと맛찬들왕소금구이(マッチャンドゥルワンソクイ)に入る。モクサル(首肉)とサムギョプサルを注文。モクサルは柔らかくて、脂ひかえめだけどジューシー。『賢い医師生活』を見て憧れた行者ニンニクのナムルには出会えなかったが、エゴマの葉の風味と豚肉との相性は最高。焼いたキムチはおいしい。

宿への帰り道で買った紫いもラテ。注文時に「고구마(コグマ:芋)」の発音がいい、と褒めてもらい喜ぶ。(パッチムのない単語だから発音しやすいとは分かっていつつ……)

宿の1階に入っているコンビニに、連日お世話になった。夜勤の男の子が日本で仕事をしたことがあるらしく、日本人と気づくやいなや声をかけてくれた。毎日、今生の別れのごとく「アンニョン〜」と手を振るのだが、翌日の夜もまたシフトに入っている。気まずさを覚えながら会計をする一連の流れ、楽しくておもしろかった。こういうのが案外旅のハイライトになる。

2日目──釜山旅行らしい〈タスク〉をこなす

釜山らしい観光地を回ろうと、南浦洞方面に向かう。腹ごしらえは、スンドゥブチゲのお店돌고래순두부(トルゴレスンドゥブ)。味噌が効いていて、思いのほかまろやかな印象。味に飽きてきそうなときに水キムチを挟むと、酸っぱさとさっぱり具合でまたチゲが進む。

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買い物をしながらぶらついて、なんとなく行列ができている屋台を選び、シアホットクを購入。あれほどの油のなかで揚げ焼きされているのに、重たさはなく、一瞬で食べ終わる。溶けた砂糖が入っていて満足度も高かった。また食べたい。

海を眺めようと、チャガルチ市場に。午前の営業を終えた昼休憩の時間で、のんびりとした雰囲気のなか、市場のみなさんが昼食をとっておられた。カモメが飛んでいて、爽やかな気持ち。海鮮という海鮮を食べる機会がなかったのは、この旅の心残り(ナッコプセ……)。

この日のミッションは甘川文化村。しかし、とにかく暑くて、ちょっと歩くとすぐにカフェに入って涼んでしまう。椅子に座ると動けなくなる体を奮い立たせて、もはやタスクをこなす感覚で甘川文化村に向かう。

タクシーで向かう道中の坂は、停車するとずるずると後ろに滑っていきそうなものすごい勾配。暑さで観光どころじゃないのが正直なところだったが、4人いれば誰かは元気だから助かる。セルフィーを撮ったり、韓国っぽいお土産を買ったりする。

スイカをそのままミキサーに入れて作られたスバクジュース(수박 주스)。「韓国のスイカジュースはうまいらしい」という評判は聞いていたが、街中いたるところに「スイカジュースはじめました」的なフラッグが立っていて、夏の風物詩感を実感。

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夕飯は釜山名物のテジクッパ。一足踏み入れると豚骨のにおいが充満するテジクッパ通りで、なんとなくいちばん人の多そうなお店송정3대국밥(松亭3代クッパ)に入る。ニラや塩辛を器に放り込み、好みの塩気に整えて食べる。中央にあるのはスンデ。スンデとにんにくの相性はよすぎる。

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コンビニで知っている顔を見つけて思わず購入。一人に絞れなかったので2枚、チョンジ(チョンロとチソン)です。K-POPを1mmも知らない友人も、なぜかジェミン(NCT DREAM)の交通カードを購入していたので、とりあえず名前だけは覚えてもらった。

3日目──活気あふれる海で日差しを浴びる

海水浴場のある場所としても知られる海雲台方面に向かう。駅に到着すると、圧倒的に若者が多く、釜山の「今」を見る気持ちになる。海辺まで向かう道には韓国版プリクラの店があちこちに。旅の勢いのまま、撮影する。

腹ごしらえは、춘하추동밀면 해운대직영점(春夏秋冬ミルミョン)でビビン麺と餃子(マンドゥ)。ビビン麺は結構な辛さ。コリコリとしたエイの身が入っていたのがとても嬉しい!

いちばん暑い真っ昼間に海辺に。にぎやかな声が響いて、夏を感じる。

この日のミッションは、スカイカプセルに乗ること。予約時間まで、目をつけていたBlackup Coffeeで休む。ドリップバッグを買って帰ったのだが、これがめちゃくちゃおいしい。ドリップコーヒーでこんなにしっかりとした濃いコーヒーが味わえるなんて!

猛暑の中、カプセルに詰められてどうなるかと思ったが、海辺沿いを走るからか思いのほか涼しい。

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イーマートでお土産を見繕ったのち、西面駅に戻って夕飯探し。日曜日だからか、閉まっている店が多い。悩むよりとりあえずご飯! と居酒屋っぽい店に入る。おでんを楽しみつつ、店のテレビで流れていたK-POPのMVを見ながら、K-POPにあまり興味のない友人たちに講釈を垂れる。宿にプロジェクターがあったので、帰ったあとも鑑賞大会を開いてもらう。みんなの目線を一挙に集め、満場一致で選ばれたのはミノさん(SHINee)でした。

4日目──閉館直前、駆け込みチムジルバン

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今日こそは朝早くに出かけよう!と意気込んで就寝するも、準備をしているといつも10時を回ってしまう。塩パンを食べたくて、Naver Mapを探して見つけたEternal Sunshineに行く。塩パン、やっぱりおいしい。間に挟まるのはピスタチオとアールグレイのジェラート。

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コーヒー豆を買いたくて、またもNaver Mapに頼り見つけたMonth Coffee Bar、これが大当たり。なにかの世界大会でチャンピオンをとっているらしい。帰国して買った季節限定のコーヒーを淹れてみたけれど、ものすごくフルーティーながら酸味だけが主張することのない味で感動した。

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「ここ、アイドルとプリクラ撮れるねん〜」と軽い気持ちでPhotoismのブースに寄ってみると、なんと威神V(WayV)のポスターが貼られている。威神のPhotoismが始まることは知っていたが、日本公演の衣装だから日本だけだろうと思っていたので、目の前に突然現れた威神Vに動揺した。旅行中、毎日暑くてたくさん汗をかいたのに、友人に見守られながら、テン・リーさんの(画像の)横でポーズを決めていた瞬間がいちばん汗をかいた。汗まみれの顔でともに写るのも忍びなく、準備もなにもしていないので、正解がわからない写真が撮れていた。

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釜山旅行最後の夕飯は、牛が食べたくて。Naver Mapの評価を頼りに서면연탄갈비 서면본점(西面練炭カルビ)という店に入店。脂っこすぎず、たくさんの肉を食べられて満足。そのあとは、煙の匂いを漂わせながら、旅行中のタスクであるチムヂルバンを無理やりこなしに、新世界スパランドに行く。入館締め切り30分前、ギリギリ。一通り汗を流して、夜風にあたる。

5日目──アンニョン、釜山〜!

最終日は帰国のみ。なぜか全員違う便を予約しているので、空港で別れる。最後の食事はジャージャー麺とタンスユク! タンスユクもどこかで食べてみたかったので嬉しい。おいしかったし、つぎは街中の店でも食べてみたい。
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つぎは年始にでも海外に、と思っていたのだが、11月、威神Vを見にバンコクに行くことにした。なので、それまでにむりやり更新。また新しい空気を知れると思うとワクワクする。

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2024年8月

テンさんのコンサートに行ったり、NCT DREAMのドーム公演に行ったり、釜山旅行に行ったりした。WayV(威神V)の念願の初単独コンサートの初日と2日目にも行った。あちこち移動しながら忙しく過ごす日々のなか、友人が旅立ったと連絡を受けた。

よく名前を呼んでくれる子だった。真っ先に思い出すのは、「○○ちゃん!」と誰かを呼ぶときの、文字通り語尾にびっくりマークのついた勢いのある声。そうして自分からどんどんと名前を呼んでくれるところに、人付き合いの苦手だった大学時代のわたしは安心感を覚えていたような気がする。ああやって名前を呼んでくれなかったら、見れなかった景色がいっぱいある。

カメラロールを振り返ると、他人にカメラを向けることが苦手なわたしには珍しく、その子のピンショットがたくさん残っていた。それは、わたしがその子に見せていた甘えの表れで、おおよそのことは無条件に受け入れてくれると信頼しきっているから、わたしは思いついたときに思いつくまま、カメラを向けることだってできた。それにちゃんと恥ずかしげもなくポーズも決めてくれるから。

「○○ちゃん、実はあれ嫌なんでしょ」とか、あんまり人に言わない方がいい気持ちを見透かして、「嫌」が顔に出た表情をおもしろがってくれた。そんなことだから、お別れの最中、正直、他のことを考えてしまった瞬間、「ちょっと! ○○ちゃん! いま飽きてたでしょ!」と笑いながら怒ってくれるかもしれない、と勝手な想像だってしてしまった。

いまはもう1年に一度ぐらいしか会わなかったし、これからどんどん会わなくなっていたのかもしれないけれど、あの溌剌な様子のまま、歳をとっていく姿、普通に見たかったよ。

202404:3泊4日 韓国・ソウル旅行

8年ぶりにソウルに旅行に行く。いくつかの料理名くらいしか知識のなかった8年前とは違い、ハングル文字を読めるようになり、韓国で活動するアイドルを好きになり、大人になり、教養と知識がわずかながら増えた身で訪れたソウル。街の変化も伴って、まったく新しい気持ちを感じつつも、街の匂いには少し懐かしさも覚える。

瓦から芽が出て花が咲いていた

食べたいものも行きたい場所もありすぎて、予定を詰め込んだ結果、このために計画を立てたといっても過言ではない、サムギョプサルおよびモクサルを食べられずに帰国。いまだに引きずっているので、またすぐにでも飛びたい所存です。クァベギもホットクもあほほど辛いものも次こそは。

1日目──大盛りポッサムの洗礼

チェジュ航空で仁川国際空港まで。SuperMの機内安全ビデオが終了していなければ、問答無用で大韓航空を予約していたと思うが、時間の都合でチェジュ航空に。遅延はしたけど快適。

仁川国際空港からリムジンバスに乗り、三成駅まで。スーツケースは空港からホテルまで配送してもらう。バスの座席はかなり広々としていて、車酔いしがちな人間にもかかわらず、いっさいの不調なく到着。車酔いで1日のすべてが終わることも多いので、バスを降りた瞬間に胸を撫で下ろした。

駅に到着早々にジェヒョンさん(NCT)のデビュー8周年を祝う広告に出会う。このあとも各地で知っている顔(アイドルの広告)に出会うことになるのだが、この旅ではじめて見た顔がジェヒョンさんなことに嬉しさを覚える。

予約していたエステを済ませたのち、ホテル周辺で夜ご飯。エステ後なので、脂っこいものを避けておからスープのお店に。お店のマダムの圧に飲まれながらポッサムとチヂミ、おからの鍋を注文。皿の上のパンチャン(おかず)がなくなるたびに、世話を焼いてくれるマダムに触れて、韓国に来たな〜という実感がわく。写真左に映るチヂミがふわふわでカリカリで、大きいのに軽くておいしかった。

支払い後、「잘 먹었습니다(ごちそうさまでした)」と声を出してみる。日本でもこうした挨拶をするようにはしているのだが、海外での簡単な挨拶は定型文でありつつも、お互いの意思疎通に不安があるぶん、「あなたの行為を受け取りました」と明確に伝える手段という印象がある。旅を通して、積極的に発してみようと決めた。

2日目──広蔵市場で食い倒れのち、車酔い倒れ

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胃薬を流し込み、眠って朝8時ごろに起床。寝起きのコーヒーを求めて、近隣のカフェに入店。温められて、バターが少し溶けた塩パンがとてもおいしかった。塩パンは各地でもっと食べればよかった。いまさら恋しい。この店に限らず、店を出るときに「안녕(アンニョン)」と声をかけてくれる気がするのだが、これを聞くと「さて、行きますか」と気持ちが高まる。

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1日目は三成駅に宿を取り、それ以降は鐘路5街駅近くの宿に移動。チェックインがてら、まずは広蔵市場をめざす。せいぜい知っている韓国語ぐらいは使おうと決めて、コンビニで満を辞して繰り出した「T-money(交通カード) 있어요?」。30,000ウォンをチャージ。

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広蔵市場に到着し、この旅のマストその1、プチョンユッケの別館の予約に向かう。20組ほどの待ち時間の間に、市場を歩いてキンパを探す。前回の旅行で、東大門で食べた細長いタイプのキンパの味が忘れられず、細長いキンパはこの旅のマストその2。とりあえず手堅く 모녀김밥 2호점(モニョキンパ 2号店)に行く。ごま油が効いていて、たくあんの食感もよく、一瞬でたいらげる。

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プチョンユッケで念願のユッケとテナガダコのタンタンイ。生レバーと生センマイも注文。塩の効いたごま油が沁みる。海苔はおそらく味つけがされていないのに、磯の香りが濃く感動。これだけの量を食べられる幸せはありつつ、アクセントが欲しくなってくるのも正直なところで、次はピビンバで食べたい。

コンビニでよく知る顔を見つけて購入

広蔵市場から20分ほど歩いて、東大門と東大門デザインプラザ周辺を散策。フィルムカメラの自販機を見つけ、一番安いカメラを購入するとモノクロフィルムだった。どうりで安かったわけ。

時間が余ったので往十里駅のイーマートに向かい、おみやげを見繕う。ダイソーもオリーブヤング、小規模のARTBOX(文具店)も揃うありがたい駅。大量購入して大荷物になったのでカカオタクシーアプリでタクシーを呼び、いったん宿に戻る手配を済ます。ここで車酔い。ドライバーは親切で何一つ不満はないのだが、韓国で車に乗るとはこういうもんなんだと理解。

夕飯はタッカンマリの予定が中止。おとなしく部屋で休憩のち、イーマートで買ったヨルムキムチをマッコリで食べる。シャキシャキでおいしい。マッコリはヘチャン(NCT)がおすすめ(していたらしい)銘柄を探して購入。これもおいしかったし、この旅で口にしたマッコリはどれもおいしかった。持って帰りたかったが冷蔵なので飲み切る。食べ過ぎと便秘がちによるお腹のハリを解消すべく、コンブチャを購入(後ろの黄色い箱)。明日に備える。

年間100本ほどオロナミンCを飲んでいるので思わず購入。ほぼ同じ味だが、よりフルーティさがある気がする。

3日目──ここはKWANGYA 聖水洞探訪(タイムオーバー)

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一回ぐらいは古い街並みでも見ようかと、安国と仁寺洞方面に。ホテルから歩いて30分ぐらいとのことで、ゆっくりと街並みを見ながら歩いて向かう。途中、FRITZ ウォンソ店で朝食兼昼食。寝ぼけた頭に甘いクリームが刺さる。この日はどうしても聖水に行きたいので、観光もほどほどに足早に駅に向かい、ソウルの森駅をめざす。

 

ソウルの森駅で下車し、まっすぐにSMエンターテイメントおよびKWANGYAに向かう。頭の中でZOO(TAEYONG, JENO, HENDERY, YANGYANG, GISELLE)の一節「여긴 광야야야/We so wild, wild, wild, wild」を流しながら店内を見回る。

狭い店内をうろうろしていると、流れ出すTEN「Nightwalker」。「大画面でテンさんだ!」と、その場でいちばんの熱量を抱えながら凝視する。KWANGYAを出て、SMエンターテイメントのビルをとりあえず見上げる。「SMロゴマーク、オディエヨ?」と、ロゴマークが見える場所からビルの写真を撮りたい観光客らしき子に聞かれたりする。ソウルの森周辺を散策しながら、韓国の大衆カルチャーに興味のない友人に、「KWANGYAというのは……」と講釈を垂れる。(聞いてくれてありがたい)

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ソウルの森駅から聖水エリアまでを歩いて散策しつつ、いくつか雑貨屋をまわる。お腹がすいたので冷麺店を探して、부산밀면という店に入店。お昼どきを過ぎて、静かで落ち着く雰囲気。水冷麺を注文したが、アルバイトの子がまかないでピビン麺を食べており、「もしやピビン麺が正解か?」と一瞬の後悔。とはいえ、気温の高い日が続いた疲れもあって、水冷麺の冷たさが沁みる。セルフサービスの牛骨スープが異常なうまさ。ものすごい出汁が出ていて適度に塩辛くて感動。

 

うろうろと聖水を巡る。これはOAFUにて。アイスケーキなので、溶けるまでじっくりと10分待つ。ホワイトチョコの甘さが脳にくる。緑色はピスタチオのソース。窓から見る景色は電線が行き交う乱雑な雰囲気で、おしゃれなカフェとの差異に、不思議な光景だなと思いながらコーヒーを啜る。

眞露(JINRO)のポップアップストアらしきものが開かれていた(写真左)。マートで、昔の焼酎を再現した(?)かわいい紙パックの商品をお土産に買って帰ったのだが、これが甘くておいしかった。なによりカエルかわいい。右はソウルの森周辺。春らしさが満開。聖水、リサーチ不足でうまく回りきれないまま時間切れ(+歩き疲れ)!  

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聖水を後にし、サムギョプサルを諦め、2日目に行けなかったタッカンマリをめざして東大門タッカンマリ通りに。一番の有名店を横目にみつつ、空腹に負けて、ここもおいしいらしいと聞く隣の明洞タッカンマリに。入るなりぐつぐつと煮えた鍋が、目の前にドンと置かれる。にんにくもニラもコチュジャンも気にせず盛り盛りにして食べる。ネイルチップの先がオレンジに染まるのにウケる。

最終日──悪あがきの駆け込み韓国グルメ

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チェックアウトして、ソウル駅に向かう。道中の謎キャラがかわいくて撮影。わたしはこういう、行政がつくるような謎キャラが大好き。輪郭線は太いほどいいので、これは最高。

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ソウル駅で事前チェックインを済ませ、荷物も預ける。ソウル駅前のカフェ、FOCAL POINTで朝ごはん。パイがメインのお店のようだが、食べたかったアップルパイは朝一のためかなし。サンドイッチ、フレッシュでおいしい。

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いざ、空港に向かおうとするソウル駅構内で、突然「あれもこれも食べていない!」という後悔の念が湧き出す。「さっき、立ち飲み屋みたいなトッポギ屋があったな?!」と、滑り込みでトッポギとスンデチャレンジに成功。スンデは初めて食べたが、もちもちで臭みもなく、気づいたら一皿食べ切っていた。

コンビニの棚、海外に来た感慨が湧くので大好き

ソウル駅内の福順都家(ボクスンドガ)というマッコリのお店で、ぐい呑みのような器を買う。淡いグリーンとベージュがかわいい。スーパードライなマッコリを試飲したが、はじめての感覚で目を見開く。発泡感はしっかりとありつつ、文字通りドライ。おみやげにしたかったが、荷物を預けてしまい液体を持ち込めないので、なくなく諦める。

写真右のI'm Realというジュース、「いちご風」でなく、搾ったそのままのいちごの味がして驚いた。商品名は嘘じゃない。飲み切るのを忘れて、手荷物検査で引っかかり廃棄。めちゃくちゃ悲しい。

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空港に到着後、未練がましく「まだチゲを食べていない!」と思い出す。キムチチゲを最後の最後で食べる。クタクタのキムチがおいしい。ご飯を浸しながら完食。悪あがきでDUNKIN DONUTSでドーナツを食べたりしつつ、未練たらたらで出国。

おみやげラインナップ

写真がないのでイラストで。

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ファッション関係のものがまったく買えずじまい。次に行くなら聖水のリベンジと狎鴎亭あたりを巡りたい。あとは絶対にサムギョプサル!!!!!!!!!!! 

 

ホテルの窓からの景色と、ホテル近くのサムギョプサルの店。行けばよかった……

NCT 127 3rd Tour 'THE UNITY' (日記)

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NCT 127 3rd Tour 'THE UNITY'の名古屋公演両日と、大阪公演初日に行く。テイルさんが怪我の治療で本ツアーは欠席、名古屋公演は両日ともにヘチャンが休演。ヘチャンの歌とダンスの音楽力(ぢから)、grooveを浴びることがコンサートに行く目的の大きな一つであったし、残念な気持ちはどうしても抱えつつ、休めるときには休んでほしいとも思いつつ……。

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■「ライブバンド」NCT 127

『2 baddies』からNCT NATIONを経ての『Fact Check』。ソウル公演と年末の歌番組を見て、イリチルのパフォーマンスに一層のギアが入ったことを画面越しに受け取る。

いつだったか、「ライブのときにガイドから外れる歌い方をすると、スタッフさんから一言ある」というようなことを聞いた記憶があるけど、いまではメンバー全員がその場のテンションを重視したライブ感ある表現をするようになっていて、痺れる。

ただがむしゃらにエネルギーを発散する、ということではなく、安定した歌唱力という土台があり、なによりブチ上げる箇所のはずれなさ、その勘所のよさがかっこいい。センスがいいって単純にかっこよくて、見ていてうれしくなる。(大晦日の「Fact Check」、最後のジェヒョンさんに大痺れした)


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こうしたムードを先導するのは間違いなく悠太さんで、彼がこのツアーを通して口にする「コンサートは観客とともに作りあげるもの」、「誰一人として置いていかない」という言葉はその象徴。そして、その言葉の「共犯」となるかのように、ジャニさんが先導を切ってかましていく。なんて頼れる人なんだ、ジャニ・スー。そんな二人に呼応してメンバーのパフォーマンスが加速して、その熱に観客が呼応する。ツアーを見て受けたのはそんな印象だった。

「ここでしか聞けない」ライブ感を湛えつつ、フロウのシャープさで場を引き締めるマーク。ジェヒョンさんの、ときにゆったりとリズムを捉える歌がつくる揺らぎからは、音楽のダイナミクスが生まれて大好き。ドヨンさんの一見(一聴)正統派な歌声が、イリチルでは逆にスパイスというか、場面転換になるところも大好き。この声が聞こえてくると、イリチルだ、NCTだ、と思う。

とくに注目して見ているのはあるけれど、ヘチャンの歌と舞の求心力。スムースでなめらかで、のびやかで、緩急もすばらしくて、見ていてあまりに気持ちがいい。名古屋公演であの声が聞こえてこない寂しさたるや……。ジョンウは百人力。歌っても踊っても華があって、さらには歌声の力強さまで手に入れており、誰よりも頼もしく感じたのが印象的。

そして、イ・テヨンさんの説得力。楽曲自体がそういう構成だということはあっても、楽曲の終盤にテヨンさんがセンターに立つことで楽曲の物語が浮き彫りになる。パフォーマンスで締めにかかる感じ。見ているほうすら息切れするほどの運動量のなか、テヨンさんが終盤を引き受けてキメてくれることの安心感とリーダー力(ぢから)。

さらには、ここにメインボーカルのテイルさんがいるわけで、イリチルというチームの厚みに驚く。えげつない。

名古屋2日目は席がメインステージ前のブロックのかなり端だったけれど、アンコール最終盤、息切れをしてまで走って、広いステージの端まで手を振りに回るメンバーたち。シズニ(NCTのファンネーム、NCTzen)と向き合う表情を、画面越しでなく直に見られて、「この人たちはいつもこんなに明るい表情でファンと向き合っているんだな」と知った。ステージを見つめながら、「あなたたちが好きだ」と言葉で伝えるかわりに草鈍器(ペンライト)を振り続けているわけだが、その思いは伝わっているのかもしれないな、と思わせてくれる表情だった。

つくづく「いいチームだな」と思わされる瞬間の連続。パフォーマンスに対する自信が、チーム内の空気のよさにもつながっているように思う。とてもいい時間と貴重な瞬間を、私たちは共にさせてもらっている。

■そのほか雑感

・炎柱がなにかの曲で、1小節ごとぐらいの頻度で吹き出していて笑う。スタンド下段でも、炎柱が上がるとその瞬間「ムワッ」という熱さが届く。

・大阪公演、スタンド下手の真横から見れた「Cherry Bomb」、「Favorite (Vampire)」のフォーメーションの美しさと勢い、血が沸きたつかと思うぐらいかっこよかった。コンサートで見る「Favorite (Vampire)」大好き。

・「소방차 (Fire Truck)」、消防車に乗ってメンバーが登場するの、過剰にもほどがあって最高。曲中で歌われる「소방차 (ソバンチャ)」、「Fire Truck」という言葉から意味という鎧が外れて、響きとしてのみ存在する言葉になっているところもとてもいい。

・前回の'THE LINK'で「仕上がってるな〜」と思ったのは、当時の最新曲「Favorite (Vampire)」だったけれど、やはり今回も最新曲の仕上がりは極上。「Fact Check(불가사의; 不可思議)」の脂ののり具合がすごい。

・「Space (무중력)」「Yacht」、曲がよくて楽しくて最高。「Je Ne Sais Quoi」のジェヒョンさんによる"Quoi"(クワッ)、その歌い回しがセンスでしかなくてかっこよかった。ジェヒョンさんが言っていたように、楽しかった曲について話すと一晩かかる。なんといっても曲がどれもいいので……。

・ジョンウ、「きゅるきゅる」としか言えないきゅるきゅるさ。つやつやの頬。

・ジェヒョンさん、ずっとニコニコモチモチとしておられたが、名古屋公演、とくにキュートなチャーミングさが突出していた。対岸の沼のつもりで眺めていたのに、「ああ、これは片足突っ込んでましたわ」と自覚するに至る。

・中本さん、美人すぎる。人生で見たなかで、いちばんきれいな笑顔をもつ人。体感、スクリーンに映ったときに会場がいちばんどよめく気がする。どのメンバーでも愛嬌やキリングパートでのどよめきは大きいけれど、普段の表情やただ笑顔のときにそれが起こるのが最高。

・ドヨンさん、名古屋初日はボーカル2人が不在による重圧もあるのか、やや緊張して見えた時間もあったのだけど、2日目はにっこり笑う姿をたくさん見せてくれて、「きみが笑えばうれしいんだ」という感情を知る。「ドヨチ〜ズ(と言いながらピース)」という愛嬌を披露したあとに「すいません……」と言ってしまうところ、ステージサイド席(メインステージが見えない真横の席)にいるファンを見て、感謝を述べると同時に「おつかれさまです……」と話すところ、その飾り気のなさがよすぎる。

・NCT NATIONのときもそうだったけれど、アンコールでお顔に動物やキャラクター、キラキラしたファンシーなシールが貼られるのが好きすぎる。アンコールでその姿を見た瞬間、飛び跳ねてしまう。

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『Be There For Me』(127 stereo ver. - B)表面も裏面もレコードなデザインでかわいい。A versionの裏面も超レコードでかわいい。

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20231123 SHINee WORLD Ⅵ

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SHINee WORLD Ⅵの名古屋公演に行く。

いまさらながらK-POPをこれほどまでに好きになった理由にはいろいろとあるが、SHINeeがかっこよかったこと、というのはかなり大きい。「Don't Call Me」のティザーイメージ、SF感覚、完璧なスタイリング。


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さらに、ディスコグラフィーを振り返るなかで出会った「View」の鮮烈さ。はじめてきちんと「View」を聴いた場所まで覚えている。その瞬間、景色の見え方が変わったから。この瞬間を機にK-POPへののめり込み方が変わった。だから、わたしは自分のことを明確に、「View前」と「View後」で分けることができる。


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「1 of 1」は、暫定でいちばん好きなタイトル曲。ちょっと疲れてしまって歩みが止まったとき、この音に合わせてステップを踏めば、背中を押されるように一歩を踏み出すことができる。『Odd』も『1 of 1』も収録曲がいい曲揃いで、「SHINeeを聞かずに、2015〜2016年のわたしはなにを聴いていたんだ?!」と思わず言いたくなってしまう(とはいえ当時は当時で夢中なものがあったのだ)。


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こうした出会いのどれもが、彼らが今日まで活動を続けて、新作のたびに妥協なくかっこいい音楽と作品を生み出していたからこそであるし、3人で敢行された今回の公演もそう。それでも舞台に立ってくれるから、わたしのような新規のファンがSHINeeを輪郭のある存在として感じることができた。「SHINeeはここにいます」と新旧のファンに宣言すること。15年目のアイドルが回る、5年ぶりのツアーの意義を直感的に理解した。

隣席の方が、初期の曲で完璧に掛け声をされているのが眩しかった。SHINeeとシャヲル(ファンダム名:SHINee WORLD)の間のつながりがはっきりと目に見えるようだった。わたしもこんな風に、なにかと人生をともにできたらいいなと思った。わたしの両親以上の年齢(に見える)のご夫婦が何組かいらっしゃったのも、彼らが重ねた歩みの分厚さを垣間見るような思いになった。

なんといっても曲がいいので、客席で曲にあわせて歌ったり、踊ったりしているだけでも満足度は十分に高い。でもやはり、パワフルなパフォーマンス。テミンさんのターンの美しさ。それから、テミンさんの脚の動きを見ればリズムがわかるというか、ふとリズムを見失ってもテミンさんのステップがノリ方を教えてくれるというか……。身体から音符が飛び出すようで、これがかのイ・テミンさん……! と感動しきりだった。

新規のファンゆえにまだまだ自信をもって話せることは少ないのだけど、とにかくSHINeeの歩みのすべてに敬意を表したい。


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MMAもぶっちぎりでかっこよかった。5人の声がきちんと聞こえる演出、オニュさんとジョンヒョンさんの歌声の特別さが、新規のファンであるわたしにも鮮やかに伝わってきた。合同コンサートや年末の授賞式などパフォーマンスのたびに、ぶちかましておられるようで痺れる。ほぼ同い年ということもあり、とても勇気をもらっている。

230909 - 0910 NCT NATION - To The World

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NCT U、NCT 127、NCT DREAM、威神V(WayV)の全20人が一堂に集う、「NCT NATION - To The World」の大阪公演に2日間行く(*テイルさんが怪我で不参加のため、公演は19人)。ものすごい熱と圧の公演で、2週間経ってなお、気持ちを引きずられたまま過ごしている。

■雑感

NCTに教えてもらった「アイドル」の姿というのは、その声、その姿形、その所作、一人ひとりに固有の身体に宿る個性のことだった。「個性」を強く意識させられた理由には、NCTが20人を超える大所帯であること、うち半分のメンバーの国籍が韓国でなく、第一言語が韓国語でないということも大きかったと思う。「違い」が前提であること、そして大所帯の中で、いっそう光り輝くために自身の魅力を磨くこと。(*これらはなにもNCTに限らないと思うが)

音楽について正確に語れる知識はないが、SMエンターテイメントの作品のボーカル処理や、歌声への思想的な部分も、メンバーの個性が際立って見える一因なのかもしれない。聴くたびに、こんなにそれぞれの声を活かせるのかと驚く。

とにかく、異なる人間たちが交差するNCTという団体の現在地が、正規第4集『Golden Age』であり、NCT NATIONの舞台。交差した20本の線はこれから先、世界中に散らばっていくのかもしれないが(すでに、2023年は23人のうち3人がNCTを離れ、この秋には7人が新たに交わる)、「Golden Age」で歌われる通り、記憶は永遠であるとするならば、彼らがこれからどこに行こうとなにをしようと、「NCTだった」という記憶はその身に息づき続けるのである。

メンバーが世界各地に散らばって撮影されたティザーも、その印象を強くした。願わくは、NCTであった記憶が将来、この世界を歩む彼らの背中を押してくれるものでありますように。

f:id:yumumu:20230928125512j:image(第3集『Universe』のブックレットから。メンバーごとの軌道。正直いっさい意味はわからないが、ロマンはある。『Universe』は謎な模式図や設計図が載っていて、「過剰だな〜」と思えておもしろい)

終演後に寂しさを感じながらも、10月にはNCT 127(イリチル)のカムバックが予告されており、威神Vも待望の正規2集のレコーディングが終わったという報せ*1。追いかけはじめて3年弱のひよっこですが、まだまだわたしも並走していく所存です。

âž–

この興奮を伝えるには公演を見てもらうのが一番早いとは思いつつ、記憶の備忘録もかねて、なんとかほぼ全曲の感想を残してみた。どんな言葉も、メンバーの表情や指先の所作1秒1秒が持つ情報量には敵わない、と打ちひしがれてしまう。本編最後の「RESONANCE」に至っては、本当なら1カットごとに感想を言えてしまう……。

〜開演まで

記念がてら音盤を購入し、20種ランダムのフォトカードから2枚をゲット。ひっくり返すと、金髪の𝑇𝐸𝑁 𝐿𝐸𝐸が現れ、一人にもかかわらず変な声が出る。自引き。会場でウロウロして、そのほかのテンさんのフォトカードも交換でゲット。にんまりしながら会場入り。

入場すると、NCT NEW TEAM(仮)のパフォーマンス。シオンさんの舞台を楽しむ姿、楽しもうとする姿がとても目を惹くし、応援心が沸いた。

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■本編: 全41曲、1曲1分で話しても41分かかる計算……

*以下の曲目は、ユニット、グループ名を初出のみ記載し、あとは色で示しています。NCT Uは曲ごとにメンバーが異なりますが、Uでまとめています。メンバーの敬称ありなしに意味はなく、文章のノリです。

spotify.link

*座席は初日がアリーナ右側ほぼ最後列、2日目がスタンド下手20列台*2

・INTRO: Neo Get My Back(全員) スクリーンに順に映される19人のメンバーの顔・顔・顔。まだ陽が暮れていない明るい日常の空間が、重たい音楽と、加工された声で繰り返される「Neo got my back / Culture things / Tech, tech on my mind」という言葉で非日常に塗り替えられていく。「Neo Culture Technologyという言葉がかっこよすぎる!」と、SF心をくすぐられたこともNCTを好きになった理由なのだが、スクリーンに映る「Neo Culture Technology」の文字を見ながらやはり「かっこいい!」と昂ぶる。

・The 7th Sense(NCT U) 「音楽にノる」というよりも「音楽の上をたゆたう、流れる」ような、とてつもなく抑制されたNCTのデビュー曲。舞台装置なしのスタジアムの広い舞台に5人だけが佇む贅沢な空間。緩急の効いた一挙一動は、広いスタジアムの舞台で意味を増しながら、空を切っていく。エネルギッシュに動くわけではないのに、とてもフィジカルを感じて痺れた。

・無限的我 (무한적아; Limitless)(NCT 127) イントロのうねる低音、NCT的世界観の拡張と始動。「ム! ハン! チョ! ガ!」の掛け声、一生に一度は叫びたかったので存分に。

・无翼而飞 (Take Off)(WayV) ウィンウィンのいる威神Vをようやく見ることができた。とくに初日はその感慨でいっぱいに。会場も同様で、ウィンウィンが映るたびに大歓声があがる。歌い出しを担ったのはヘンドリー。テンさんがセンターで率いるダンスブレイクも、メンバー全員キマっていて最高。今の威神Vの形を見せつけてくれた。

・BOOM(NCT DREAM) その声を聞くために、数小節前から5万5000人が静まり返るナ・ジェミンさんの "ice cream♡"。青髪で登場のロンジュンさん、初日の濃いメイクはいつもと異なる印象で目を惹く。

・Black on Black  猛獣の咆哮で始まる曲、「変すぎる!」と「かっこいい!(厨二病的な意図で)」という感情が交互にやってくる。なんといっても、リリース当時にはまだNCTではなかったシャオジュン・ヘンドリー・ヤンヤンの登場。「まかせておけ」とでもいうような、ものすごい顔圧で加わる新ヒーロー。その後、3人の勢いを引き継いで、一人で舞い、NCTの"N"の文字を両手で作り、会場を振り返るテンさんの姿……。すべての画角がキマっている。全員に見てほしい。メンバーを率いて中央に立つジェノと、マンネ(最年少)チソンにも痺れる。咆哮にあわせて、陣形を組んだメンバーが一つの生き物のようにうごめき運動する光景、すごいです。

・Interrude: Oasis 夕暮れの到来にぴったり。チョンロさんの歌声の安定感と安心感。

・WITHOUT YOU ドヨンさんのどこまでも伸びていく圧巻の歌声。ドームで見たときにもその伸びやかさに感激したのだけれど、そのドームすら狭かったのだと思わされるほど。この歌声が聞けただけでも、スタジアムでライブを見られてよかった(なおさらテイルさんの歌が聴きたくなった)。ジェヒョンさんの声量はメンバー随一。歌い回しもかっこよくて、ジェヒョンの歌はコンサートで聞くのがいちばん映える。そして、"I need you"と歌うクンさん。脊髄反射で歓声が出てしまった。

・Round & Round〜Know Now〜Vroom 『Universe』の中でも、メロウでいい曲たちのゾーン。「Round & Round」は声とハーモニーの個性を堪能できる曲。わたしはテンさんの歌のバイブスからテンペンを自覚しはじめたこともあり、「きれいだ……」とハワハワしながら歌声を噛み締める。「Know Now」、ジェノが歌い出すと、ジェノの声の特別さにハッとする。

・Kangaroo 『Golden Age』の中で、声の響きになぜか泣けてくるのがこの曲。チョンロとチソン、ヤンヤンとロンジュン、クンさんとテイルさん、よくこのメンツを揃えてくれました、と言いたくなる夢のメンツで披露される、夢のようなコレオグラフィー。両日ともに背中を向けられていたので、チョンロさんの足が動くさまと、かわいさの無双状態を正面から浴びたかった。

・Coming Home〜My Everything〜Good Night〜From Home 夕暮れとともに、バラードが続く。テイルさんの不在を感じながらも、それぞれが役割を真っ当する。わたしは、シャオジュンさんが大事そうに大事そうに歌う姿が大好き。「Good Night」の映像、歌唱メンバーの顔が輪郭のぼけた正方形にトリミングされて夜空に浮かんでいて、ちょっとおもしろいな、という記憶が……。3か国語で歌われる「From Home」は、もう一つのThat's NCTの形。

・SHALALA(TAEYONG) NCT大隊長、イ・テヨンさんのおでまし。クールさ、キュートさ、ギークさ、ユニークさ、キッチュさ、奇天烈さ……。あらゆる形容詞がこの人の身の上で成り立つのではないかと思うことがある。モンスターや怪物の雰囲気すらまとえる人はそう多くないと思う。唯一無二。

・Perfume(NCT DOJAEJUNG) しっとりとした雰囲気での登場にもかかわらず、掛け声大会になるほどの盛り上がりは予想外で最高。"yeah, yeah that's me"からのジェヒョンさんのスムースな歌唱とダンス、見ていて本当に楽しい。声ひとつで質感を変えてしまうジョンウの歌声は宝。

・Broken Melodies〜ISTJ〜(MC)〜Best Friend Ever スタジアムをどのユニット、グループよりも自由に使っていた印象があったのがドリム。陽が沈む間際の「Broken Melodies」は待っていた瞬間! 個人的には夜明けの音楽で、チクチクする青春の痛みと、悩み抜いた夜を超えた明け方の痺れと甘さを感じて、大好きなindie popを思い出す。日本語曲「Best Friend Ever」も眩しくて眩しくて。発表当初のドーム公演ではまだまだ反響の少なかったこの曲が、時間を経てシンガロング曲になっている光景も含めて、眩しくて美しかった。ロンジュン・へチャン・チョンロの声、ドリム固有のハーモニー。

・Kick Back 完全な夜の到来とともに登場する威神、完璧。ロックバージョンに編曲されており、重たく歪んだ低音が響く。ウィンウィン、ヘンドリー、ヤンヤンによるサビ前の"tic toc tic"の決まり具合が強烈。ダンサーとメンバーをかき分け、満を持して中央に登場するシャオジュンのプリコーラス、感動と興奮で泣いてしまいそうになる。配信で見た東京公演最終日、日本公演4日間でのものすごい大化けを目撃して慄いた。

・Love Talk(2日目: Nectar) 歓声後の一瞬の静寂の空気を切り裂くように響く"I can hear it callin'"のテンさんの声。仁川公演を見て「次はNectar」と準備していたので、この日最大の「ギャァァ!」が出てしまい、それ以降の記憶がない。

*2日目の余談:ドリムのときに降りはじめた雨がどんどんと強まり、「Nectar」で豪雨に。それまで雨に打たれなかったスタンドなかほどにも大粒の雨が入り込む。意地で応援の姿勢を崩さずにいたのだけれど、さすがに厳しくなるほどの雨。仁川公演に続き、トラブルに直面する威神の姿に、「なぜ困難ばかり……」と心がグシュンとなってしまったが、シャオジュンさんのシャオジュンさんらしいユーモアと思いやりに和まされた。天候の様子見のためか長引くMCタイムに、客席にも不安がじんわりと広がっていたように思うが、その様子を感じ取り、先導をとってなんとか明るい方に進もうとするシャオジュンさんのひたむきさ。(かわいいモーメントもたくさんあったけれど、稲光も見えるスタンドにいると普通に心配で、「おい、威神を危険な目にあわせるな!(+メンバーが舞台にいると観客も身を守る判断がしづらいし)」という怒りも感じました)

・Phantom 威神Vのリーダー、クンさんによるリミックスをついに。赤い光に照らされて、怪しげにうごめく白い布。その下から姿を現したのは、玉座(玉!座!)に腰掛けるヤンヤン。中華の音階を存分に盛り込んだダンスブレイクを経てやってくる、ヤンヤンのラップの気迫は世界一! そのあとのブリッジ部分も、原曲以上に壮大に響く楽曲構成。「こんな威神Vが見たかった」が叶えられていて、それがリーダーの手によるものであることに納得と驚きを覚える。現在の威神Vチームの結晶。Phantomのテンさんのダンスは畏れ。全員に見てほしい(2回目)。

・영웅 (英雄; Kick It)〜Chain〜2 Baddies イリチルの覇気が大大大好き。かます気合いがいつだってある。ジャニさん、悠太さんのコンサートならではのバイブスに宿る自信と余裕。「Kick It」終盤にターンを決めてセンターにかちこみ、視線をかっさらっていくヘチャン、何度見ても最高。最終兵器感。

・New Axis いちばん楽しみといっても過言でなかった。なんてったってテヨンとマークというNCTの大看板に食らいつくヤンヤン。わたしはヤンヤンのラップの語尾の音が大好き。大阪2日目は、初日以上にかます姿を見れたこと、後ろ向きに被ったキャップ姿に拍手喝采。もちろん、テヨンとマークの強烈すぎる個性は見事。

・The BAT〜Faded in My Last Song〜OK!〜PADO 情緒の波が怒涛すぎるゾーン。「The BAT」、ある種の方向に振り切れていて笑ってしまう。テンさんの声が印象的な「Faded〜」、終盤のチソンさんの低音に「ワ〜オ」と思っているうちに「PADO」。このあたりはトロッコとサイドステージ曲で、わたしの席からは背中の鑑賞大会になってしまい……。

・Ally Oop〜Misfit 普段、大きなキラキラした目で前を見つめるヘンドリーの眼光がギッと鋭くなったことに震えた。思えばヘンドリーさんの目の表情や演技は、昔からずっとすごい。ライブならではの煽りも鋭くて、ジャニさんと悠太さんのパフォーマンスの系譜にいるのがヘンドリーさんだとは想像しなかった。これからの威神がもっともっと楽しみ。全ウェイゼンニ・シズニが待ち望んだ「Misfit」は、はちゃめちゃに盛り上がる一曲に。 

・Baggy Jeans  NCTデビューメンバーの再集結。変な曲だが、ダンスも歌唱もかっこよく魅せるのは並大抵の力では無理そう。マークの"Yeah boy(発音的にはヤッ ヴォォォォォォォォイ)"のかっこよ具合に問答無用にアガる。最新のテンさんが、いつだって一番最高! を更新。

・Baby Don't Stop〜Call D あまりに強烈な二人が並び、それぞれに強烈な光を放つ。強烈な「個」を一つに束ねるなんて到底無理で、どうしてもと言うなら一体化するしかない。そりゃ「Call D(ドッペルゲンガー)」ですワ……。そんな思想すら見てしまうテヨンとテンの登場。「Call D」のテンさんの歌い出し、可憐で特別。前を向かせてくれる歌声。

・Universe (Let's Play Ball) わたしはこの曲のセンターで真っ直ぐに前を見つめて、力強く踊るジェミンさんが大好き。なんてセンターがはまる人なのだと思う。"Let's play ball Let's play ball / Yo, you're my universe(バースバースバース)"という謎の歌詞で、これだけ盛り上がるのおもしろすぎると思う。MVは野球モチーフなのに、いつの間にか映像はバスケットボールモチーフになっているし……。大阪初日、裸ジャケットで登場したシャオジュンが歓声をかっさらう。このスタイルへの憧れはたびたび口にされていたので、ニンマリ顔で見守った。歌声はもちろん、こうしたシャオジュン自身の魅力が観客に伝わって、大阪2日目ではより多くの歓声を受けていたし、東京最終日ではさらに大歓声を受けていた。シャオジュンさんは、本当に本当に素敵な人だから。曲終わりには、ジェミンさんが腕ガトリング(?)をぶっ放すと同時に火花が散り、 BOSSの登場。なんか……やりたい放題で最高かも……。

・BOSS   ラスト直前に披露されるに値する、クールな質感と青い熱意。初めから終わりまで極上。白眉はやはり、この曲でデビューを飾ったジョンウ。質感を変える特別な声としなやかな動き。ジョンウはいつもライブで強い印象を残してくれる。

・RESONANCE 舞台にたった一人残り、顔を顰めたマークが群衆を前に放つ"Ay yo listen up / No matter what they say / No matter what they do / We gon' resonate resonate"。このときの感情だけは、ここまでの数時間を体験しないことには伝わらないかもしれない。ここまで最多の出演曲数のマークが見せる「ヒーローの苦悩」のような表情、真でも演技でもどちらでもすごい。第2集『RESONANCE』収録の4曲をリミックスした怒涛の一曲。ゆえにキリングパートしかなく、全場面に歓声をあげてしまう。花火も惜しみなく打ち上がり、音がすれば反射的に声があがる、祭りというか、儀式のような時間だった。一度見ればわかると思う。見どころしかないので、見てほしい。

・Beautiful 初日はトロッコが2メートルほど先を通ったことで、テン・リーの輝きの記憶しかない……。ありがちな語彙だが、人は発光するんだな。かつてないほど全力でネギ鈍器(ペンライト)を振った。 

・Golden Age とにかく体を揺らして楽しんだ記憶ばかり……。初日はヤンヤンが通ったとき、周囲のウェイゼンニたちと「ヤンヤーン!」の声が共鳴した。変な曲で、最高〜。20人20色の声。

■そのほか: ほぼ雑念

・「RESONANCE」が始まる前、メンバー全員の名前が順にスクリーンに表示されるのだが、テンションが完全にできあがっていてすべてに昂っているので、「XIAOJUN / HENDERY / YANGYANG」の威神マンネラインの名前そのものに「かっこよすぎる!」とブチあがってしまい、自分で自分が怖かった。

・テンさんの歌のバイブス、トーン好きとしては、「RESONANCE」でソンチャンに代わり披露した、「クラシィーーク」、「ヴィ〜」に大痺れした。ソンチャンのフロウの雰囲気が残っているように感じたのもよかった。

・テンさんの威神パートの衣装が大好き。スカートやフリルがダンスに合わせて舞う様子だけで泣いてしまう。

・アンコール、みんなメイクがかわいくて最高。ファンシーなシールを顔に貼られていたり、ファンシーなクリップが頭についていたり、こういういわゆる「女の子的」なものを素敵に纏われているのがうれしくて。テンさん、初日はいつものようにクロップド丈のTシャツをお召しになっていてニンマリしたが、2日目はオーバーオールでの登場、最高!!!!!!

・わたしはテンさんに、身体の自由さ・可能性を教えてもらった。軽やかで、たおやかで、可憐なのに、絶対にブレることのない芯。花にも水にも鉄にもなる。わたしは運動音痴で頭でっかちなこともあって、これまで自身の身体性に一切興味がなく、意識もせず、信用もせずに生きてきたので、テンさんの踊る姿は衝撃だった。ダンスのことはまったくわからなくて、言葉にできないのが悔しい。

・MCにふれる体力がない。ジェミンさんがいつも、自分の言葉で日本語を話そうとする姿を大切に大切に覚えている。

・初日のイリチルのMCタイム、凱旋公演である悠太さんの番になり、スクリーンに顔が抜かれた瞬間から、なかなか歓声が鳴り止まないのも印象的だった。「嘘ではない言葉」をいつも探して届けてくれる。「いいことだけ言うのでは、本当に聞こえないかもしれない」と思ってしまう気持ちはよく分かる。かといって、マイナス面の話題を茶化すでも、自虐するでもなく(わたしはこの辺をやってしまいがち)、シリアスにでもなく、真正面から誠実に爽やかに届けられるのは、悠太さんだから成せることかもしれない。「RESONANCE」はどうしても不在メンバーの存在を意識してしまっていたのでなおさら。かっこいい。

・威神V、カンペが書かれているウィンウィンの手のひらを開き、カメラに映そうとワイワイする姿、「威神だ〜〜〜!」と感激した。

・大阪2日目の最後の最後、ステージの最後の1〜2人になるまで舞台に残るウィンウィンさん。ウィンウィンのための大歓声を一身に受ける姿を見て、ちょっと泣いてしまった。その瞳が、あまりにキラキラとしていて……。

・5月の横浜に続き、今回も公演後のヤンヤンのInstagramの言葉が美しかった。いつも自分の言葉を紡いでくれる、紡ごうとしている感じがする。(以下の投稿、豪雨の様子も見れます)

YangYang 양양 on Instagram: "大阪のファンのみなさん!お疲れ様でした。 みなさんの愛がしっかり伝わってきましたよ。今日は雨がたくさん降っていましたが、みなさんの情熱は最後まで最高でした。また会いましょう!WayZenNi、シズニ、大好きです!"

*1:9月26日、本人たちの口から10月のカムバックが予告された。祝杯!

*2:一人です。WayZenNi、シズニなかま募集しております……

230603 ZENERATION, 230627 OO-LI

■6月上旬

THE BOYZ 2nd JAPAN TOUR「ZENERATION」の神戸公演に行く。「2023年はできるだけ軽率に現場に行く」が目標なので行くかどうかを迷っていたのだが、一般発売のありかを探す労力を惜しんでぐだっていたところに、たまたま後輩から空いた同行枠への誘い。表立った反応はなくても、アイドル応援ストーリーをちまちまあげていてよかった。

推しているグループが全員違うオタクたちとの同行となり、現実のオタクに直接会うのがはじめてなのでビビりながら合流。結果、現実世界ではじめて、「テンさんはほんとうにヤバくて……」、「こんなに下まつ毛の長いかわいい人見たことがないんですよ!(シャオジュンのこと)」と言葉を発することになった。

会場では、勢いにのまれてペンライトを購入。あわせて、現場ではいつも、記念とおみくじのような思いでランダムの紙もの(保管しやすいステッカーやトレカなど)を買いたくなるので、今回も購入。買ったすべてからソヌが顔を出し、周りから「レート高いので、持っておきましょう!」と言われる。会話のほとんどが普段はあまり口にしない言葉なので、「これが誰かと行く現場……」といちいち感激する。

やはり実際に姿を見ると、パキパキと目の前でメンバー一人ひとりの輪郭がはっきりとする。いわゆる解像度が上がる感覚。人を楽しませることはむずかしく、しかしながら、楽しませて魅せるというゴールに向かって、一秒一秒をさまざまな表現でまっとうする魅力と底力。受け止めきれないほどの輝き……。

舞台上では生身の人間から歌、踊り、ふるまいなどのなにかしらが出力されており、そこにわたしは積み重ねられた時間と歩み、努力や磨いたセンス、はたまた思いを勝手に見る。アイドルの本心まではけっしてわからないが、わたしは身体表現の雄弁さを信頼している。だから、「ステージがすべて」であるコンサートが大好きだな〜。

・今回のディスプレイグランプリ(スクリーンに写るステージ仕様のアイドルの美しさに異様におののく現象、そのおののき度合いを勝手に……)はヨンフンさん。

・好きかもしれん、と思いながら見ていたのもあるが、ジュヨンさんが踊ると目線が一気に引き寄せられてしまう。白い衣装や服が似合いすぎではないですか?

・ソヌを見ると、「オールラウンダー」とはこういう人のことをいうのか、と思わされる。パフォーマンスはもちろん、MCタイムでも抜かれるたびに、「できる人すぎる」と驚く仕上がり。

・あまりいい例えではないのは承知で、「ドボイズ杯──わたしはいったい誰を推すのかダービー」が脳内で開催された。というのも、終盤のハンニョンのまくり上げがすさまじく、「まるで、最終コーナーに入り、後方から伸びてくる競馬を見ているときの感覚だ」と思ってしまったからだった。かわいすぎる!!! 結果は以下の通り。

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・だったのだが、帰宅後に公演を反芻していると、ソヌの魅力と才能の底知れなさが妙に気になっている。

・音楽が好き、または音楽を楽しむアイドルが好き、ということでニューさんのことはずっと気になる。コンサート前日にマイケル・ジャクソンのドキュメンタリーを見ていたケビンさんも!

・KeePerの記憶が鮮明で、終わってからずっと聞いている。中盤のD.D.D周辺の怒涛感、楽しかったな。

・キービジュアルでもあるDNAの二重らせん、メンバーごとに違うのがかわいい。ニューさんのDNA、ハートで構成されているのすごすぎ、よすぎ。

・演出はSMエンタ御用達の会社がやっているのですね! 衣装も全部よかったな。ジュヨンさんの異常なまくり上げられ方をしたクレージュのTシャツの左袖、事前にチェック済みだったので、登場の瞬間「きたー!!!!!」と思った。

・認識しはじめたのは、ニュー・キューが青髪・赤髪で「なにこのキャラクター!」となり、さらにティザーあれこれがかわいかったTHRILL RIDEだったので、実際に見れたことによろこぶ。一列になって蛇行する箇所でなぜか感極まる。


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・NCTのことは全員を孫のような気持ちで眺めているのだが、ドボイズの面々の「ない記憶」を呼びだす大学生感…3日間ぐらい熱に浮かされる感覚でした。

■6月下旬

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WOODZ WORLD TOUR OO-LI in Japanの大阪公演に行く。突然にWOODZにやられてしまったのが3月の話。タイミングよくワールドツアーが決まり、超新規の看板を背負いながら大阪公演に赴く。

終演後すぐに「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜最ッッッッッ高!!!!!!!!」と叫び出したいほどの充実感。ライブハウスで生バンド、ラストまで出続ける信じられないほどの声量。

冒頭2曲は楽曲群のなかでも指折りのロック曲ということもあり、あまりにもロックミュージシャン然とした姿で、どう盛り上がるべきか自分の中ですこし戸惑ったのだが、3曲目「Love Me Harder」で掛け声をしているうちに気がついたら没頭。観客の声援を受けて笑みをこぼすスンヨンさんの姿、水を飲むだけで「かゎぃぃ……」、「キヨウォ……」の声が漏れる会場のMOODZ(ファンネーム)の空気に包まれ、以後、いちどの曇りもなく、最後までずーーーーーーーーっと楽しんだ。

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2023年上半期にいちばん聴いたのはWOODZだった。「ABYSS」を聴きながら、「あなたのつくる曲が大好きなんだ、大切なんだ」ということがどうにかスンヨンさんまで伝わればいいと願ったし、それが目に見える形で伝わればとたくさん歌った。会場全体がそうだったと思う。

終始盛り上がりに欠けることがなかった(すごすぎる)のだが、「On my own」〜「Sour candy」〜「BUMP BUMP」の流れでボルテージが突き抜け、そのままラストまで続いた印象。どれだけ合唱しても、スンヨンさんの声量には太刀打ちできないのがわかり、アンコールの「I hate you」〜「Hope to be like you」はさらに悔いがないほどに声を出しながら踊った。「Hope to be like you」で1秒間に3つほどのハートをつくりながら、ときおりイヤモニを外し、会場の合唱をうるうるとした瞳で聴くスンヨンさんの笑顔を見ていると、「ABYSS」を聴きながら感じた願いが届いたように思った。