自民党内の保守派を「ガス抜き要員」などと敵視すれば、ほくそ笑むのはサヨクだけ
拙ブログで連日書いている選択的夫婦別姓制度について、早ければゴールデンウィーク明けあたりに国会での審議がスタートするとか。この制度を推進する側の目的が、家族の破壊はもとより、世界に冠たる日本の戸籍制度の破壊があることは、随分と以前から指摘されてきた。
国という単位すら破壊しようとする連中にとって、今まで日本を支えてきたすべての単位が邪魔なのだ。産経新聞は2020年の「共産主義者は家族を破壊する」という記事で、このように指摘している。
旧体制を憎み社会主義革命を企てる人々は決まって家族を壊そうとする。国の歴史、文化、伝統などを受け継ぎ、次代に伝えるのは家族だからだ。彼らは家族間の密告を奨励し、「子供は社会のもの」として親から子供の教育権を奪う。こうして家族は切り離され、それぞれは寄る辺ない原子状態に置かれる。
さもありなん。実際のところ、社会を構成する単位をことごとく破壊しようとするのが共産党や立民党ならまだしも、党として夫婦別姓制度に反対しているのは日本保守党と参政党だけで、今の国会の党派構成は極めて危うい状態にある。
そんななかで、SNSでは「ガス抜き」というフレーズが頻出する傾向にある。昨年末に投稿した通り、捨て台詞のようなものも含め、青山繁晴氏のYouTubeや高市早苗氏、有村治子氏、小野田紀美氏らのSNSには、かなり辛辣なコメントが寄せられている。
気持ちは痛いほどわかる。あれだけ保守派の猛抗議が殺到したLGBT法は、党議拘束をかけられ、造反したのは青山繁晴、山東昭子、高鳥修一氏の3名のみにとどまった(杉田水脈氏は欠席。)。そのうえで、夫婦別姓制度など通されたら、怒りの矛先が党内の保守派に向かうのは自然の成り行きなのだ。私自身、彼らをかばうつもりは1ミリもない。だが、党内の保守派を敵視して、我々が得られる利益はあるのか。
もちろん、彼らが党内で戦うことが前提だ。しかし、いわゆる裏金問題と非公認など、ただでさえ石破や森山裕らによって弱体化させられた保守派を見放せば、自民党は党内左派の思うがままになるだろう。
自民党には明らかに逆風が吹き荒れている。今度の参院選も厳しいだろう。だが、彼らがどんなに負けたって、彼らが比較第一党の立場を維持することは間違いない。自民党は、選挙の際に集票マシンとなる“組織”を全国に持っている。だから、どんなに逆風が吹こうと、ある程度の議席は確保できるのだ。そんな政党の中の、数少ない保守派を好戦的に敵視して、自民党がサヨクの牙城と化すのは好ましくない。
最も危惧すべきは、政権担当能力を持った純サヨク政党の政権である。石破をおしたところで、もっと左巻きの政権ができてしまえば元の木阿弥。我々国民は、岸田から石破という流れで、それを経験したはずではないのか。保守派は党を割って出るべきだと主張する向きもあるが、そうなると組織もカネもすべて党内左派の懐に入ることになる。
もちろん、保守派には頑張ってもらわねばならない。しかし、戦はこれからだというのに、味方となるべき陣営の兵糧を削いでしまう言説には賛同できない。自民党を見限るのは簡単だ。しかし、見限ってしまったとき、誰が彼らに取って代わるのかまで考えなくてはならない。自民党に対する批判は容赦なしにぶつければいい。だが、「ガス抜き」、「エセ保守」などと、味方まで敵視することには賛同できない。
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