白馬岳1泊2日ハイク 1日目その1
5時、携帯のアラームで目を覚ます。
曇っていたが、予報通り雨はまだ降っていない。
夜通し走ってきたので4時間足らずしか寝ていないが、久しぶりの北アルプスということでアドレナリンが出ているせいだろうか、あまり眠気は感じない。
でも行動時間7時間超のハイク、果たして大丈夫だろうか。。。
猿倉荘(標高約1240m)
山荘前では登山者が準備をしている。急いで車内で朝食をかきこみ、ハイクの準備をする。
3分ほど降りたところに臨時駐車場もあるが、台数に限り(70台)があるので、
土日はすぐ満車になり、麓の八方ターミナルからバスや乗り合いタクシーを利用せざるをえないケースもあるそうだ。
前日の大失態により、テン泊から山小屋泊に変更を余儀なくされたので、
巨大なツェルトと化したテントとシュラフをザックから取り出す。これで3kgは軽くなったかな?
でも出発前に量ったら23kgあったので、まだ20kg近くあるはず。
ガスコンロ、コッヘル、鍋、フライパン、メスティンといった調理器具類に加え、水3L、行動食と2日分の食材に各種調味料、そしてアルコールが3kg超。(←コレが余計!)
他にカッパ、フリース、ヘッデン、緊急グッズ、アイゼン等々の必需品も加えると、この重さになってしまった(笑)
小屋泊まりなので、重量のある調理器具や行動食以外の食材、過剰なアルコール類を
置いていけば、おそらく半分以下と格段に軽くなるはずで、普通の方はほとんどそうするだろう。
でも山上で山めしを楽しむことも私にとっては重要で、むしろこちらの方が比重が大きい(笑)
また高地とはいえ、真夏の車中に食材を残していけば、用意した大半(肉・野菜類、チルド食品)は駄目になってしまう。
テン泊はできなくなったが、せめて食事だけでも自炊して気分を味わおうと、敢えて全部背負っていくことを決意する。もちろんアルコール類もww
猿倉から白馬岳山頂までは標高差約1700m、片道約7.5㎞。
※クリックすると拡大します。
白馬村観光局の標準コースタイムでは約7時間。
ヘタレの上、小屋泊まりでありえない重装備な私の場合、7時間でもキツいかも。
健脚な方はなんと、3時間半程度で登られるそうだ(汗)
出発前のドーピング剤を忘れずに摂取。
今回は4袋持ってきました(笑)
少し雲が取れて、稜線が見えてきた。あれが白馬岳なのかな?
山荘前の登山相談所に登山者カードを提出。
今回は事前に自宅でダウンロードし、記入してきた。
大雪渓を登るには最低、軽アイゼン(4本爪)が必要だが、
忘れた方は猿倉荘や白馬尻小屋で購入(1000円)できる。
5:45 白馬岳猿倉登山口(標高約1240m)
山荘脇の登山口からハイク開始。今日も”小股でチョロチョロ作戦”に心掛けよう(笑)
まずはゆるやかな登山道を登っていく。
でもあえて担ぐと決めた20kg弱のザックが両肩に重くのしかかる。
ヤマアジサイ
5:54 林道出合(標高約1283m)
10分ほどで林道に合流。ここからしばらくなだらかな林道歩きとなる。
6:00 鑓ヶ岳登山道分岐(標高約1312m)
林道を5分ほど進むと、鑓温泉へ向かう登山道と分かれる。
計画では明日縦走してここへ降りてくる予定だが、果たして??
林道からも白馬岳の稜線が見えてきた。
あんなところまで登るんだ。。。
6:14 長走沢(ながしりさわ)(標高約1340m)
林道が沢を横切っているので、流水時は木橋を渡った方が良い。
6:34 林道終点(御殿場)(標高約1410m)
ここで林道が終了。ここからは再び登山道となる。
なお数台車が停まっていたが、小屋関係者や遭対協の方たちのようだ。
登山道にはご覧の通り、木橋や
木道が設置されているので、比較的歩き易い。
前方に白馬尻小屋が見えてきた。
7:10 白馬尻小屋(標高約1550m)
他の山ブログでよく見かける石碑が出迎えてくれる。
小屋前の広場からは、念願の大雪渓がようやくその姿を現す。
イメージではもっと白くキレイだと思っていたが、なんかえらく汚い感じがする。
ここまでは1時間25分と標準タイムだが、既にもうバテてきた。
テントやシュラフを抜いて、重量バランスが悪い状態のまま担いできたからなのかも。ザックの中身を一旦出して、再度詰め直す。また大雪渓からの天然の冷風のせいだろうか、かなり肌寒い。
ベンチでご一緒になった初老の単独行の女性と談笑。
彼女は2泊3日の小屋泊まりで、私と同じ白馬三山縦走をされるとのこと。
同じ小屋泊まりなのに私の大きなザックを見て、持たせて欲しいと言われ差し出すと、
「こんなに重いザックを担いでいるの!?」と驚かれていた。
ちなみに彼女のザックは、私の普段のハイク時の半分ほどの重さだった(笑)
中休止した後、出発(7:30)
汗で濡れたシャツが冷えて肌寒いので、カッパの上着を着用する。
ここから先は登山ゾーンになるため、大雪渓に入る前の注意事項が掲示されている。
なお午後2時以降の入山(大雪渓~稜線)は、危険防止のため禁止されている。
キヌガサソウ
白山でも御馴染みのお花で、小屋からすぐのところに咲いていた。
7:34 大雪渓入口(標高約1555m)
ここでアイゼンを装着。
例年なら白馬尻から10~20分登山道を歩いたところから大雪渓が始まるようだが、
今年は例年より残雪が多く、かなり手前から雪渓となっていた。
待望の大雪渓への1歩を踏み出す(7:40)
序盤はなだらかに登っていく。
ここからも焦らず、小股でチョロチョロいこう。
ところで大雪渓ケルンはどこに? どうやらまだ雪に埋まっているようだ。
雪渓表面にはスプーンで削ったような跡が無数にある。
かなりガスが出てきたが、コース上には目印のベンガラ(紅殻)が撒かれている。
コース脇にはこのような看板も。
これらの石は全て落石で、コースの脇やコース上に無数に落ちている。
また今年は4月に降った新雪と6月の長雨で、至るところにクレバスがある。
さすがに飛び越えられないので、虎ロープの指示に従い迂回していく。
天然の冷蔵庫の中に居るようで、カッパを着ていても寒いぐらい。
半袖や長袖でも薄着の方が多かったが、みんな寒くないの?
いつも汗だらだらで暑さに弱い私だが、今日はなんかおかしい。
前方の残雪がない部分に先行者たちが登っていく。
みんなあそこで休憩するのかな?と思いきや、クレバスの迂回コースだった(笑)
迂回コースはガレた岩が多いので、アイゼンを装着していると滑り易いので要注意。
小股でチョロチョロ作戦を実行しているが、息が上がってきたので小休止(8:48)
脇にこんな看板がありますが(笑) なお雪渓上で休憩する場合は、常に上方からの落石に注意。
やはりザックの重さのせいか足取りが重く、どんどん後続者に道を譲っていく。
既に150人近くは抜かれただろう。やっぱりもっとザックを軽くするべきだったがもう遅い。今回ビア大小3本に加え、奮発して日本酒の純米大吟醸酒(4合瓶)まで持参したのが大きな間違いだったのかも(笑)
少しガスが取れて全体が見通せるようになったが、依然としてヘロヘロモード。
実は第4番目の選択肢として、日帰りハイクも頭の中に考えていたのだが、今日の調子の悪さですっかり雲散霧消。
むしろここで引き返そうかなと弱気になりかけたほどバテていた。
大雪渓上で2度目の小休止(9:48)
この区間、既に2時間以上かかっている。レーションで栄養補給。
先行者たちはどんどん大雪渓を抜けていき、
振り返ると後続者もまばらになってきた(汗)
雪渓上部に近づくにつれ、杓子岳側から崩れる落石の音が頻繁に聞こえてくる。
終点が見え始めてきた頃、突然轟音ともに先行者たちの大声が響き渡る。
ラク‼ ラク‼
100mほど先の右手の山肌からガラガラという音を立てて巨大な岩が落下。
その破片がまさに私のいるコース上めがけて勢いよく滑り落ちてきた。
(おいおい、ウソだろう~!?)
こういう場合焦って動きがちだが、それはかえって逆効果。途中で進路が変わる恐れもあるので、ある程度近くになるまで落下コースを見極め、それから逃げた方がいいと本能的に判断。
いつでも動き出せる様体勢を整え、じっくり落石の進路を見極める。まさに辺りの空気が凍りつく。
いよいよ来るぞ!と身構えると、20mほど手前で停止。
まずはほっとひと安心だが、若干拍子抜けしたかも(ウソ)
この落石、幅60㎝以上はあり、落下スピードもかなり速かったので、
万一避けきれずにぶつかっていたら、シャレにならなかったかも。
大雪渓の恐ろしさを改めて感じさせられた。
11:07 大雪渓終点(標高約2155m)
長かった大雪渓もようやく終了。抜けるのに3時間27分もかかってしまった。情けない。。。
登ってきた大雪渓を見下ろす。
ここからはしばらく登山道が続くので一旦アイゼンを外し、ここでお昼にする。
なお岩場際に座っていると、時折上を歩く登山者が落とす浮石が降ってくるのでご注意を。
この先は一段と急登が待っているようなので、本日2度目のドーピング剤を投与。
登山開始から5時間22分が経過。登山口からここまでで標高差約900m、歩行距離約4.3㎞なので、まだ半分を少し過ぎた辺り。
このペースだと山小屋に着くのはいったいいつになることやら。。。
白馬岳1泊2日ハイク 1日目その2 につづく
(この区間の行程)
5:00猿倉荘5:45~5:54林道出合~6:00鑓ヶ岳登山道分岐~6:34林道終点(御殿場)~7:10白馬尻小屋7:30~7:34大雪渓入口7:40~11:07大雪渓終点
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