丈競山~浄法寺山周回 1日目
念願の残雪期白山ハイクを終えたが、気持ちは既に「今年の白山テン泊では何を食べようかな?」と山バカ度が止まらない(笑)
明日(5/28)からは先週までの好天から一転し、しばらく曇りや雨マークの予報。
まだ中1日しか経っていないが、久しぶりの連休を貰ったので、テン泊に向けてのトレーニングとしてどこか1泊でのハイクをしよう。
山頂に避難小屋があって、そこそこ登り甲斐がある山といえば…
そうだ! あの山に登ろう!
丈競山(南丈競山:1045m)
一昨年(2011年)の9月に一度、永平寺町の浄法寺山青少年旅行村側から登っているが、今回は周回コースのある坂井市の龍ヶ鼻ダム側から登ることにする。
じょんころ新道と2009年にできた冠新道を使うと、北丈競山~南丈競山~浄法寺山を周回することができる。
R364で旧丸岡町竹田地区に向かい、標識に従い龍ヶ鼻ダム方面へ。
ダム湖にかかる橋を渡って進んでいくと、
10:32 じょんころ広場(標高約200m)
竹田地区に伝わるじょんころ節から名付けられたそうで、哀調を帯びたひなびた節回しとアラ ドッコイサ ノサッサ…と腰を低く落としながら身をくねらせる優雅なしぐさが特徴の踊りで、坂井市の無形民俗文化財にも指定されている。
誰もいない広い駐車場に車を停めさせていただく。
もしかして今日は私一人だけ?(寂)
今日も急登が待っているようなので、ドーピング剤を摂取。
また今回は小屋泊まりなので、久しぶりに80Lザックの出番。
かなり荷物を減らしたつもりだが、シュラフにコンロ・食器類、水5L、ビアや食材、その他もろもろで総重量は15kg(汗)
山頂を目指す以外にも1周2.5kmのハイキングコース(森林浴コース)もあるようだ。
先ほどダム湖を渡ったすぐ先に登り口を見かけたが、それが周回コース(旧道)のようだ。なお現在はもっぱら冬道として使われているらしい。
広場から舗装路を3分ほど歩いていくと、
10:45 丈競山登山口(じょんころ新道)(標高約212m)
なおこの先は林道が続いており、林道を1時間ほど歩いていくと冠新道登山口に至る。
看板には南丈競山まで2時間30分とある。
あれ? 丸岡山の会のHPでは、参考コースタイムは3時間10分とあったが。。。
今回悩んだのが、じょんころ新道と冠新道、どちらから登るかということ。
丸岡山の会のHPでは、冠新道は改良整備中なので登りで使った方が良いとあり、昨年秋に周回されたブロ友のJH9IRLさんが登られたのも冠新道。
だが1周約11㎞のこの周回コース、目的地の南丈競山までは、冠新道から登る方が約7㎞と距離が長い。15㎏の歩荷を背負っていることもあって、距離の短いじょんころ新道をチョイスする。
登山届を提出しようと思ったら、用紙がなかった。
最近は携帯からでも提出できるが、ブックマークしていないのでパス。良い子は真似しないように(笑)
クマの出没多発エリアなので、クマ除け鈴とラジオを鳴らしハイク開始(10:47)
堰堤の脇を抜けて登山道へ。
ここも富士写ヶ岳同様、のっけから急斜面にとりつきながら登っていく。
ヒーヒー言いながら登っていると、突然3mほど先の草むらからガサガサと音を立てて飛び出す黒い塊。
(な、なんだ!?)
一瞬クマかとビビったが、よく見るとニホンカモシカ。
もう脅かすなよ~ もっとも向こうもそう思っているかもしれないが(笑)
写真を撮ろうとしていると、カモシカくんはあっという間に、急斜面をかけ上がってしまった。
その脚力を分けて欲しい。
10:53 じょんころ滝
ここにもクマ出没注意の看板。どうか出くわしませんように。
今日も最高気温30度の予報。あぢぃよ~
またふくらはぎに乳酸が溜まってきて、足が悲鳴を上げている。こないだの白山で出会った山岳部の生徒たちのツラさが身に染みて分かる(笑)
ヤブデマリ
同じスイカズラ科ガマズミ属のムシカリに似ているが、葉の形が細めで葉脈のシワもやや少なめ。
タニウツギ
スイカズラ科タニウツギ属で、この花が咲くと梅雨が近いそうだ。事実この日、九州から四国・中国地方が梅雨入りしたそうだ。
ようやく急斜面を登りきり、たまらずザックを降ろして小休止(11:16)
ここから先はなだらかに尾根上を登っていく。
11:25 カモシカ岩
この辺りはカモシカが多いからなのかな?
11:36 周回コース(旧道)分岐点(標高約445m)
左にいくと龍ヶ鼻ダム方面に戻る。この周回コース、ハイキングにしちゃハード過ぎると思うが。
しばらくならだかに登っていくと前方に大きな岩が見えてきた。
11:47 夫婦岩
登山道脇の斜面に大きな岩が2つ並んで埋まっているので、こう呼ばれるらしい。ここでも小休止して水分補給。
中盤はなだらかな稜線歩きとなる。
丈競山域にはこのような大岩が多い。
ここで本日3度目の小休止(12:28)
もう500mlのペットボトルが空になってしまった。
ようやく前方に北丈競山(964m)が見えてきた。
ハナニガナ
花弁が9枚程度のモノで、5枚程度のモノはニガナという。
12:46 小ピーク(標高約700m)
目的地の南丈競山はまだあんな先か(汗)
振り返ると、3週間ほど前に登った富士写ヶ岳(942m)
ツクバネウツギ
果実がプロペラ状の萼片をつけ、羽根突きの「衝羽根」に似ていることに由来する。
ここから先は再び樹林帯の中へ。
傾斜がキツくなり始め、ロープのある箇所も。
時折覗く北丈競山。ここからが正念場だ。
急登の階段を登るたびに、額から汗が滴り落ちる。
階段を登りきり頂上かと思いきや、道が続く。
コバノガマズミ
この辺りでよく咲いていた。
今度こそ山頂か?
また道が続く。Orz
この三段構えの登りは堪えた(笑)
三度目の正直、こんどこそ山頂であってくれ~
13:42 北丈競山山頂(標高964m)
タイムは2時間55分。予想通り山頂には誰もいなかった。
記念の三角点(三等・丈競)タッチ。
山頂に着く少し前辺りから曇ってきて、次第に風も出てきた。
写真ではほとんど分からないが、一昨日登った白山を微かに遥拝することができた。
背後には小倉谷山(910m)と富士写ヶ岳(942m)
うっすらではあったが、文殊山も確認できた。
予定ではここで昼食にするはずだったが、火が消えそうなのでレーションで済ます。
栄養補給を済ませ、今日の目的地、南丈競山に向かう(13:59)
今夜の宿営地、丈競山避難小屋も見えている。
マルバアオダモ(ホソバアオダモ)
ミヤマザクラ
丈競山は双耳峰で、麓からだと高さを競っているように見えることから命名された。
両者の標高差は約80mだが、不惑新道と同じく間に鞍部(標高約890m)があるので、
70mほど下って、150mほど登り返さないとならない(滝汗)
先日ブロ友のあつぷりさんが浄法寺山から北丈競山まで足を延ばされたが、
この登り返しには、健脚のあつぷりさんも後悔したそうだ(笑)
確かに急な登りだが、北丈競山への急登から比べると思ったほどツラくなかった。
日差しが弱まり、風が出てきて幾分涼しくなったせいだろうか?
避難小屋が見えてきた。
14:38 南丈競山山頂(標高1045m)
北丈競山から39分、登山口からは3時間51分で、目標の4時間をクリアできて満足。
遅い時間帯のせいか、山頂には誰もいなかった。
浄法寺山頂と同型の山座同定用の表示盤。
前回登った時もあったかな??
トレイルの先には、明日縦走する浄法寺山(1053m)
先ほど居た北丈競山の背後には、火燈山(803m)と小倉谷山(910m)
丈競山避難小屋
風が一段と強くなってきたので、小屋に入ろう。
かんぬきが閉まっていたので、誰もいないんだろう。
一部2階建てのログハウスで、1階は約12坪。タンク式のバイオトイレもある。
1階には石油ストーブも設置されている。
なおストーブを利用する場合、1回100円(泊まりは500円)のカンパが必要。
小屋裏を利用したロフト部分も2箇所ある。
2階には毛布や銀マットも置いてあった。
丈競山であった不幸な遭難死亡事故をきっかけに、平成11年に完成。
地元の丸岡山の会の方々の献身的な活動によって運営されている。ありがとうございます。
お腹が空いたので、早速遅い昼食にしよう。
今日の山めしは野菜坦々麺。
調理している間に、缶詰の簡単おつまみでビアをいただく。
かー う、うめぇ~
食事を終え、コーヒーでまったりしていると、ガタガタ入口がうるさい。
通常住宅の玄関扉は雨仕舞いを考えて外開きが大半だが、山小屋の場合、外開きだと冬期の積雪時に開かなくなるので、ほとんどが逆の内開きになっている。
吹きつける強風がちょうど入口にぶつかり、風圧で木製の重い扉を押し開けようとしているのだ。
扉の内側にもかんぬきがあればいいのだが、何もないので玄関脇にあった角材を重し替りにして、扉の下に設置。これで大丈夫だろうと思っていると、しばらくするとまたガタガタとして角材ごと扉が開き始め、その都度角材を元に戻すことがしばしば。
最初はまぁ仕方ないかなと思っていたが、ますます風が強くなり、扉がほぼ開きっ放し状態。
そんな時ふとこんなことを思いつく。
もし、クマさんが通りかかって、半開き状態の扉から中に入ってきた場合、風が弱まって扉が閉まるとどうなるでしょう?
クマさんは出られませんよね。。。 (((( ;゜Д゜)))ブルブル
慌てて玄関に行き、ほかに何か重しになるモノはないか探してみる。
(え~っと、あ、これがいい!)
ちょうど水が満タンに入った灯油のポリタンクが2個ある。また先ほどまで抑えにしていた角材より5倍ほど重そうな角材も。これらを全て扉の内側に置いて、重しにしよう。全部で50kg近くあるはずなので、これならなんとかなるかも。
ひと安心して晩飯の準備にかかる。今日の夕飯はカレー春雨。
なんか俺、食って飲んでばかりいるな(笑)
ロウソクの下、ラジオを聴いていると、どうやら強風警報が出ているようだ。
ラジオから首相公邸の幽霊話も流れてきた。そんな話題、やめてー!
幸運なことに雨は降っていないが、風はますます強くなりほとんど台風並の状態。
頑丈なログハウスがミシミシときしんでおり、風で屋根が飛ばないか不安になるほど。
扉の隙間から冷たい風が入ってくるので、室内もだんだん寒くなってきた。
ストーブを使わせて貰おうと思ったら、灯油はカラッポ。備蓄のポリタンクも全てカラ。なんてこった!
仕方ないので2階の毛布をお借りし、毛布に包まって寒さをしのぐ。
携帯もずっと圏外(A社)だし、まさに避難状態(笑)
また時折、ガタっと玄関から音がするので、もしかしてと恐る恐る内扉を少し開けてみると、先ほどの重しが押されて扉が少し開いている。
50kgでも抑えきれないとは。。。 これテン泊だったら間違いなくテントが飛ばされているだろう。
轟音鳴り止まぬ強風の中、窓の外には福井市街の灯りが煌いていた。
なんでこんな日に、山小屋に1人いるんだ、俺。。。
2日目につづく・・・
北丈競山(964m)・南丈競山(1045m)(じょんころ新道)
標高差833m
登り 3時間51分
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