隔離演説とは? わかりやすく解説

隔離演説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/13 21:25 UTC 版)

隔離演説(かくりえんぜつ、:Quarantine Speech)または防疫演説(ぼうえきえんぜつ)とは、アメリカ合衆国フランクリン・ルーズベルト大統領1937年10月5日シカゴで行った演説である。

概要

当時の米国において一般的であった中立・不干渉の政治的風潮に代わるものとして、国際的な「侵略国の隔離」を要求した。演説は米国の孤立主義的風潮を煽り、不干渉主義者や介入者による抗議を招いた。演説の中で特定の国が直接名指しされた訳ではないが、ドイツイタリア及び日本(後の枢軸国)を指すものと解釈された[1][2]。ルーズヴェルトは、強硬ながらもあからさまな攻撃よりは直接的でない反応として、「経済的圧力の行使」を提案した。

演説に対する世間の反応は様々であった。著名漫画家4コマ漫画スキッピー英語版」の作者のパーシー・クロスビー英語版は、ルーズヴェルトを痛烈に批判してきた人物であるが、彼はニューヨーク・サンの広告枠を2ページ分購入して演説を攻撃した[3]。さらに、演説はウィリアム・ランドルフ・ハーストが所有する数々の新聞社シカゴ・トリビューンのロバート・R・マコーミックから酷評されたが、のちに一部社説が示したところによれば、米国のメディアは概して演説を認めていた[4]

参考文献

脚注

関連項目

外部リンク


隔離演説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 04:22 UTC 版)

フランクリン・ルーズベルト」の記事における「隔離演説」の解説

1937年には、最高裁改革の失敗労働争議頻発景気後退さらにはまたルーズベルトと同じ民主党保守派議員が、ニューディール阻止為に共和党との超党派ブロック結成するなどして、ルーズベルト孤立し議会対す影響力低下させており、その様子はまるで「まったく棄てられ指導者であったといわれる1937年8月30日中華民国国際連盟に対して日本行動不戦条約および九ヶ国条約違反する主張し措置を取るよう提訴した9月6日ルーズベルトは「世界政府間の平和のためにアメリカ先頭立って 大掃除をする準備ができていることを公にする」と財務長官ヘンリー・モーゲンソー国務長官コーデル・ハル語り1937年(昭和12年)10月5日世界で行われつつあるとする侵略行為非難するために「病人」になぞらえて隔離演説(隔離声明防疫演説)(en:Quarantine Speech)をシカゴ行った。 「世界の九割の人々の平和と自由、そして安全が、すべての国際的な秩序と法を破壊しようとしている残り一割の人々によって脅かされようとしている。(中略不幸に世界無秩序という疫病広がっているようである。身体蝕む疫病広がりだした場合共同体は、疫病の流行から共同体の健康を守るために病人隔離することを認めている」[要ページ番号] 演説直接には特定の国家名指しすることはなかったものの、一般に従来棍棒外交あらため否定しドイツイタリア日本など国政実行非難するルーズベルト政策理念表明する演説考えられている。演説のなかでは、「宣戦布告警告も、また正当な理由もなく婦女子をふくむ一般市民が、空中からの爆弾によって仮借なく殺戮されている戦慄すべき状態が現出している。このような好戦的傾向漸次他国蔓延するおそれがある。彼ら平和を愛好する国民共同行動によって隔離されるべきである」とも語られた。なおハル証言では、アメリカ国務省作成した演説原案には「隔離」の部分はなく、演説直前ルーズベルト自身入れた。 翌1938年10月6日には国務省声明発表し中華民国における日本行為を、アメリカ九カ国条約ケロッグ-ブリアン条約パリ不戦条約違反とみなし、声明国際連盟の決議沿うものとして、日本明確に名指した。ただし、アメリカはその加盟国ではなかった。

※この「隔離演説」の解説は、「フランクリン・ルーズベルト」の解説の一部です。
「隔離演説」を含む「フランクリン・ルーズベルト」の記事については、「フランクリン・ルーズベルト」の概要を参照ください。

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