バッファー【buffer】
バッファ
【英】buffer
バッファとは、コンピュータが即座に処理しきれないデータを一時的に保持しておくための記憶領域を指す意味で用いられる語である。ビジネスシーンでは、「いざという時のための資源的予備・余裕・ゆとり」のような意味で用いられることも多い。
バッファという言葉はIT用語(PCの操作において目に触れる言葉)として比較的よく知られている。
コンピューターにおけるバッファは、日本語では「緩衝域」などとも表現される。これは入出力処理において入力と処理との間に生じるタイミングのずれを補うために用いられる記憶領域である。入力される(データを受け取る)側の機器で処理しきれない分のデータは一旦、バッファに保持される。そしてデータを処理できる状態になってから、バッファに留め置かれたデータが受け取られて処理される。
入力されたデータを逐次処理していくタイプの機構において、処理可能な限度以上のデータを一気に受け取ってしまう場合があると、データを順序どおり正しく処理できなくなる可能性がある。バッファはそのような事態を防ぐための、データの一時的な貯留地のような役割を果たす。
PCをプリンタに接続してデータを印刷する場面は、バッファが活用される典型的な例といえる。PCからプリンタへ印刷データを送信する速度と、プリンタが実際に紙へインクを出力する速度には、明らかな差がある。PCからどんどん送られてくるデータを直に印刷することは難しい。プリンタにはバッファ用のメモリ(記憶装置)が搭載され、そこに印刷データを保持しておく。PCから送られてくる印刷データはバッファメモリに保持しておき、印刷の進行状況に応じてバッファからデータを取り出す。こうすることによって、印刷データの送受信と実際の印刷が齟齬なく円滑に遂行できるようになっている。PC側もプリンタの印刷速度(の遅さ)に影響されることなく処理を完了できる。
動画の再生においては、PCやデコーダーの処理性能(あるいはストリーミング再生におけるダウンロード速度)が満足な水準に達していない場合には、映像として見るに堪えない途切れ途切れのデータ再生となってしまうため、デコーディング済み(あるいはダウンロード済み)の映像データをバッファ領域に貯めてから再生する形が取られる。もっとも、昨今はPCの性能もインターネットの接続環境も十分に高速化しており、動画再生でバッファが機能していると意識させられる場面はそう多くない。
IT用語の他にも、「衝撃を和らげる装置・部品・機構」を指す用語としてバッファという呼称が用いられてる。むしろこちらが本義であり、IT用語としてのバッファも広い意味ではこちらの語義に包含される。
代表的な例としては鉄道の接続部分に設けられた機構が挙げられる。鉄道車両におけるバッファは、前後の車両との間に生じ得る衝撃を緩和する役割を持つ。
エレベーターの上下に設置される衝撃緩和装置もバッファと呼ばれる。エレベーターにおけるバッファは、上昇しすぎて天井にぶつかったり、吊り下げ機構の呼称で落下してしまい地面にぶつかったりした場合に、その激突の衝撃を和らげる役目を果たす。
ビジネスシーンでもバッファという語がしばしば用いられている。意味はおおよそ「時間や人員の《余裕》」と解釈できる。
たとえば、4時間あれば終わる(と見積もられた)作業があったとして、その作業にきっかり4時間だけ割り当てたとすると、作業の中に難航する部分があったり、途中でやむをえず他の用事を挟んだりした場合に、4時間の予定を超えてしまうことになる。そのような事態が生じることを見越して、あらかじめ設けておく多少の時間の余裕は、バッファと呼ばれることが多い。
あるいは、会議や催し事で配布するための資料などを用意する場合、ぴったり参加予定の人数分だけ用意しておいたのでは、直前になって参加者が増えた場合に配る資料が足りなくなる。資料の一部が汚損した場合にも不都合が生じる。そのような事態が生じることを見越して、あらかじめ設けておく多少の余裕は、バッファと呼ばれることが多い。
バッファ buffer
バッファ
【英】:buffer
待ち行列モデルなどにおいて, サービス処理能力を超えたサービス要求を一時的に待避させて, スムーズに処理が行えるにようにする場所. 待ち行列が形成されるのもここである. 単一の待ち行列モデルでは "待合室" と呼ばれることが多いが, 直列型待ち行列モデルをはじめとする待ち行列ネットワーク, 通信やコンピュータなどの応用分野では, バッファと呼ばれることも多い.
待ち行列: | ダムモデル ハースト定数 バケーション バッファ バークの定理 フォークジョイン待ち行列 フラクタルブラウン運動 |
バッファ
バッファ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/14 00:39 UTC 版)
情報処理機器におけるバッファ・緩衝(域)[1][2](英: buffer)とは、記憶単位間のデータ転送において一時的にデータを記憶することを指す[注釈 1]。2つの記憶単位が同期されていなかったり、それぞれの処理速度が異なる場合によく用いる[1]。
註釈
出典
- ^ a b JISX0011 1989, 用語番号11.01.17.
- ^ JISX4311 1996, 表4.
- ^ 外来語の表記 留意事項その2(細則的な事項) 文化庁、1991年(平成3年)6月28日
- ^ 古いJIS Z8301によって、長音符「ー」を付けない流儀があったが、現在のZ8301:2019では、原則として長音符を付けると規定する内閣府告示に準拠することとしている。
- ^ bit 編集部『bit 単語帳』共立出版、1990年8月15日、181頁。ISBN 4-320-02526-1。
- ^ ASCII 1982年10月号, p. 61.
バッファ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 16:31 UTC 版)
「とんがりボウシとおしゃれな魔法使い」の記事における「バッファ」の解説
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「バッファ」の例文・使い方・用例・文例
- ライオンたちはバッファローに襲いかかった
- 彼らはバッファローの皮で作ったテント小屋に住んでいた。
- 全てのバッファ(メモリーバッファ)が消耗された。
- バッファーについて質問があります
- 外国人労働者は日本経済のバッファーであってはならない。
- 何百というバッファローが湖のほうへ移動した。
- 以前は無数のバッファローが大草原を歩き回っていたものだ.
- メモリ・バッファをクリアする
- バッファ(解決)を加える
- 様々な大型有胎盤哺乳動物の子、例えば、クジラ・キリン・ゾウ・バッファロー
- 国内牛とアメリカバッファローを掛け合わせた事による頑丈な種類
- 牽引用の動物としての使用のためによく家畜化されたアジアのバッファロー
- 上方へ曲がったホーンのある南アフリカの大きくしばしば獰猛なバッファロー
- 常に更新される、専用のバッファ記憶装置として当てられるRAM記憶装置
- バッファローに関する、または、バッファローに類似する
- 画素ごとに画像の内容を蓄えるバッファ
- コンピュータがそれらに応答する準備ができるまで、キーストロークの経過を追跡するバッファ
- プリンタが準備ができるまでデータを格納するバッファ
- その話は、バッファローを屈従させるというつまらないものだった
- アルバニーのハドソン川とバッファローのエリー湖を結ぶ人口水路
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