アジピン‐さん【アジピン酸】
アジピン酸
アジピン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/22 09:34 UTC 版)
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物質名 | |
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Hexanedioic acid
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別名
Adipic acid |
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識別情報 | |
3D model (JSmol)
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バイルシュタイン | 1209788 |
ChEBI | |
ChEMBL | |
ChemSpider | |
ECHA InfoCard | 100.004.250 |
EC番号 |
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E番号 | E355 (酸化防止剤およびpH調整剤) |
Gmelin参照 | 3166 |
KEGG | |
PubChem CID
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RTECS number |
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UNII | |
国連/北米番号 | 3077 |
CompTox Dashboard (EPA)
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特性 | |
外観 | 白色の結晶[1] 単斜晶系プリズム[2] |
匂い | 無臭 |
密度 | 1.360 g/cm3 |
融点 |
152.1 °C, 425 K, 306 °F |
沸点 |
337.5 °C, 611 K, 640 °F |
水への溶解度 | 14 g/L (10 °C) 24 g/L (25 °C) 1600 g/L (100 °C) |
溶解度 | メタノール、エタノールによく溶ける アセトン、酢酸に溶ける シクロヘキサンにわずかに溶ける ベンゼン、石油エーテルに溶けない |
log POW | 0.08 |
蒸気圧 | 0.097 hPa (18.5 °C) = 0.073 mmHg |
酸解離定数 pKa | 4.43, 5.41 |
共役塩基 | アジピン酸塩 |
粘度 | 4.54 cP (160 °C) |
構造 | |
単斜晶系 | |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−994.3 kJ/mol[3] |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS |
GHSピクトグラム | ![]() |
GHSシグナルワード | 警告(WARNING) |
Hフレーズ | H319 |
Pフレーズ | P264, P280, P305+P351+P338, P337+P313 |
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
引火点 | 196 °C (385 °F; 469 K) |
発火点 | 422 °C (792 °F; 695 K) |
半数致死量 LD50 | 3600 mg/kg (ラット) |
関連する物質 | |
関連するジカルボン酸 | グルタル酸 ピメリン酸 |
関連物質 | カプロン酸 アジピン酸ジヒドラジド 塩化アジポイル アジポニトリル アジポアミド |
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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アジピン酸(アジピンさん、adipic acid)は、ジカルボン酸の一種。IUPAC命名法ではヘキサン二酸 (hexanedioic acid) と表される無臭の無色結晶性粉末である。
性質
水への溶解度は、15 ℃において 1.4 g/100 mL と小さく、エーテルにも難溶。アセトンには可溶であり、エタノールには易溶。加熱により分解して吉草酸などを生じる。酸解離定数は、pKa1 = 4.42, pKa2 = 5.42 である。
製法
シクロヘキサンを酸化することによって得ることができる。古くより、シクロヘキサンをまずシクロヘキサノール、シクロヘキサノンとしてから、硝酸酸化でアジピン酸とする方法がとられてきた。アジポニトリルの加水分解でも得られる。
用途
ヘキサメチレンジアミンと共に6,6-ナイロンの原料として工業的に重要とされる。 共に6,6-ナイロンの原料となるヘキサメチレンジアミンは、アジピン酸からアジポアミド、アジポニトリルを経由して得られる。また、オキソアルコールとのエステル化で得られるアジピン酸エステルは、可塑剤として用いられる。
アジピン酸あるいはそのエステルは,水素化して 1,6-ヘキサンジオールとなり,これは主としてポリエステルとポリウレタンに用いられる。
出典
- ^ Mac Gillavry, C. H. (1941). “The crystal structure of adipic acid”. Recueil des Travaux Chimiques des Pays-Bas 60 (8): 605–617. doi:10.1002/recl.19410600805.
- ^ “Adipic Acid”. The Merck Index. Royal Society of Chemistry (2013年). 2017年3月2日閲覧。
- ^ Haynes, W. M., ed (2013). CRC Handbook of Chemistry and Physics (94th ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. ISBN 978-1-4665-7114-3
参考文献
- 熊本卓哉「アジピン酸の工業的合成とその利用(基礎化学品製造の実際と高校での教育実践)」『化学と教育』第60巻第6号、日本化学会、2012年、266-269頁、doi:10.20665/kakyoshi.60.6_266、 ISSN 0386-2151。
「アジピン酸」の例文・使い方・用例・文例
- アジピン酸という化合物
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