長崎県長崎市の平和公園で9日、「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれ、岸田文雄首相らが出席した。長崎市の鈴木史朗市長がイスラエル駐日大使を招待しなかったことで、米、英などの日本以外の7か国(G7)と欧州連合(EU)の大使が欠席した。

 イスラエル駐日大使を招待しなかった問題が国際的な騒動に発展。特に原爆投下の当事者である米国の大使が欠席したことに衝撃が走った。その米国駐日大使であるエマニュエル氏は同日、東京・増上寺の「長崎原爆殉難者追悼会」に出席。イスラエルのコーヘン、英国のロングボトム両駐日大使も一緒だった。

 米国政府はエマニュエル氏の式典不参加を問題視していない。米国務省のミラー報道官は「われわれはイスラエル大使が他国の大使と同様に招待されることが重要だと考えた」と話している。

 このミラー氏の会見が海外で話題となっている。式典に米国駐日大使が参加しないことについての記者とミラー氏のやりとりがX(旧ツイッター)で拡散。ミラー氏が平和祈念式典を「セレブレーション」と言ったというのだ。

 留学経験者にやりとりを聞いてもらうと、「確かに『セレブレーション』と言っています。祈念式典に祝賀会という言葉を使われるのは日本人として違和感がありますね」と話した。

 念のため、米国務省の公式サイトにある会見録を確認すると、「No country should have been singled out to not be invited to this celebration(この祝賀会に招待されない国が一つもあってはならない)」とあった。ちなみに質問者は「アニバーサリー」を使用し、公式には「セレモニー」を使っている。

 先述のXの投稿には英語で「祝賀会?」「祝賀会と呼んだことに彼の立場が分かる」「なぜ祝賀会と呼ぶのか」と疑問の声が寄せられている。単純な言い間違いだったのか、うっかり本音が出てしまったのか。