「水」が病気予防や健康維持に有効なのは本当なのか
ここ40~50年の間で、日本人の健康意識は大きく変わったという印象があります。病気予防や健康維持をはじめ、アンチエイジングなどにも関心を持つ人が増えていますし、実際、野菜の産出額が2兆2294億円(2022年)なのに対して、健康食品・サプリメントの市場規模は約1兆2400億円(24年度)で、1人当たりの購入金額は右肩上がりを続けているとされています。
そうした健康意識の高まりの象徴が「水」でしょう。言うまでもなく、水はわれわれが生命を維持するために欠かせません。ヒトの体は全体重の約60%が水分で構成されているうえ、摂取した水分は血液、尿、汗などの体液として全身を循環し、栄養素や老廃物の運搬、体温調節などさまざまな役割を担っています。そのため、水分摂取はわれわれの健康にとってとても重要なのです。
そして、われわれが日頃から摂取する水分は、ここ40~50年で大きく変わりました。かつては井戸水を飲んでいる家庭もありましたが、上下水道が整備されてからは蛇口をひねれば出てくる水道水が一般的になりました。さらに近年は、水道水が含む塩素や不純物を除去する家庭用の浄水器や整水器を使う家庭が増え、ポット型や蛇口直結型などさまざまな形で広く普及しています。また、ペットボトルのミネラルウオーターや、家庭用のウオーターサーバーなど「水を購入して飲む」という習慣も当たり前になりました。