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ペトレンコ・ベルリンフィル『ブルックナー5番』ライヴ配信を聴く

ベルリン・フィル 2024/2025年シーズン開幕演奏会

ベルリン・フィルと首席指揮者キリ ル・ペトレンコの新シーズンが開幕 しました。今シーズンのプログラムの 核となるのは、開幕公演数日後に生 誕200周年を迎えるブルックナーの 作品。彼は交響曲第5番でもって、世 間の評価を得ようと務めました。耽美的な旋律、荘厳なコラール、対位法的な構造を統合し、交響的な記念碑を作り上げるという、音楽による 建築家としての才能を開花させた作 品です。

【鑑賞日時】2024.8.24.20:00〜

【会場】ベルリンフィル・デジタルコンサートホール(ライブ時間差配信)

【管弦楽】ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

【指揮】キリル・ペトレンコ

【曲目】ブルックナー『交響曲第5番変ロ長調』

 

(曲について)

ブルックナーが遺した全交響曲の中で、この第5番は生涯後期に書き上げられた第8番と並んで規模の大きな部類に入る。

 最も親しまれる存在となる『第4番「ロマンティック」』の第1稿を完成させた翌年、1875年の2月に当楽曲の作曲に取りかかる。作曲開始から1年余り経った1876年5月に全曲の一応の形を仕上げるも、そこから丸1年経過した1877年5月に再度推敲を開始。この再推敲では数多くの改訂が為されたが、その際にチューバも必要楽器編成の一つとして追加している。この試みは彼の交響曲に於いては初めての試みとなった。そして最終的に1878年1月4日に完成となった

特徴として、対位法の技法が活用されており、音の横の流れを多層的に積み重ね、あたかも壮大な音の大伽藍を築き上げるかの如くの作風となっていることが挙げられる。また、コラール主題を象徴的に用いるということも為されており、これらによって、当楽曲の根本に宗教的意味合いや神への畏敬の念が存在すると解釈されている。加えて循環手法により全曲の論理的流れをフィナーレのクライマックスに収斂させるという設計方も作品全体に為されており、全ての事象を絶対的且つ超越的な神に帰す固い信仰を表現しているとも考えられている。

当楽曲は、ブルックナーが遺した交響曲の中では珍しく、完成後に何度も改訂を重ねるには至っていない。

 

【演奏の模様】

楽器編成:Fl.2、Ob.2、Cl.2、Fg.2、Hrn.4、Trmp.3、Trmb.3、Bas-Tuba1、Timp.1

弦楽五部16型(16-14-12-10-8)

 

全4楽章構成

第1楽章Introduktion: Adagio - Allegro

第2楽章Adagio. Sehr langsam

第3楽章Scherzo. Molt vivace, Schnell - Trio. Im gleichen Tempo

第4楽章Finale. Adagio - Allegro moderato

 

 

今日のコンマスは樫本大進&ヴィネタ・サレイカ=フォルクナーのTWO TOP。その他Fl.のパユ、Hrn.のドール、第2Vn.首席のマレーネ・伊藤、等フルメンバーの模様で、Cl.奏者、Vc奏者、Fg.奏者、Timp.のTOPにも良く見慣れた顔ぶれが揃いました。ついで指揮者の登場です。

第三楽章


第4楽章


楽団員が去った後も鳴りやまない拍手に、ソロカーテンコールに応えるペトレンコでした。

 

 今回の5番の演奏を聴いて特に感じたことは、ペトレンコはかなりG.P.を長短の差は有っても多用していたことと、やはり金管、木管、弦楽各部門のレヴェルの高さが、その相乗効果として和声やらフーガやら通常旋律奏に於いても混然一体の繊細な響き、及び迫力満点の響きを作り出していたと思います。 常にその団員の素晴らしい力を余すところなく発揮させる、ペトレンコの手腕にも改めて敬服しました。又是非日本ツアーに来て下さい。前回聴いた生演奏の感動をもう一度日本でも!