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<ソリューション>
顕微ラマン分光装置を用いて正極表面を測定しました。充放電サイクルの繰り返しによる劣化で、酸化コバルトが生成されていることが分かりました。
酸素・窒素・水素分析装置を用いて、各種正極材を測定しました。含有酸素量から電極の組成変化を知る手がかりを得られます。
<ソリューション>
電極材の粒子径は電池反応性にも影響することが知られています。レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて電極材の粒子径を測定できます。
<ソリューション>
X線分析顕微鏡により、電池材料に混入していた数十μm程度の異物は、鉄を含むことが分かりました。
■電極材スラリー混錬状態の評価
正極スラリー中の粒子径は、リチウムイオンの出入り、充填率、凹凸などに影響を及ぼすため、スラリー中の粒度分布評価が求められています。従来のレーザー回折式粒度分布計評価手法では、数千倍の希釈が必要であり、希釈せずに測るには、前処理が必要なうえ、局所的な情報しか取れず、電極スラーに集電体を塗布する前の状態観察としては課題がありました。そこで、レーザー回折式粒度分布のオプション高濃度セルを使うことで、光路長で透過率を調整するため最低限の希釈率で粒度分布測定を試みました。結果、レーザー回折式粒度分布と電子顕微鏡画像分析に相関がみられ、最低限の希釈でスラリーの粒度分布評価をすることができました。
■固体電解質中のLiの偏析を確認
固体電解質に対して、表面から100μmまでの軽元素分布を一括で評価できる分析手法が少なく、また、測定ダメージによるリチウムイオンのサンプル中移動が生じるため、元素偏析などの評価が難しいとされてきました。そこで、深さ方向への元素分析手法であるGD-OESとオプション機能である「大気被曝露トランスファーベッセル」、「パルス熱緩和スパッタリング」、「酸素混合ガス分析手法」を用いることで、熱ダメージの軽減やサンプル中のリチウムイオンに対して反応性酸化トラップを行い、安定したスパッタを実現し、固体電解質の極表面にのみLiの濃縮が存在していることが確認できました。
■塗工前のスラリーの凝集分散状態を可視化
従来、塗工する前に混錬条件を変えて固体電池電極スラリーの凝集分散状態を確認するためには、粘度などの間接的なパラメータでの判断で詳細に分析できる手法が求められていました。そこで、ラマン分光法を用いたスラリー成分の状態マッピングでの混錬状態の違いによる成分分布比較、および粒子解析ソフト Particle Finderを組み合わせることにより、各成分の粒子サイズやヒストグラムを数値化することができました。
■充電状態に応じた組成変化を可視化
Liイオンにおいて充電・放電状態に応じた組成変化や組成分布を観察することは、原材料の特徴を知るうえで重要な要素です。そのためには、電池を生きた状態で測る必要があり、大気非暴露下で非接触・高精度・応答性の高い面内マッピングができる技術・装置が必要となります。
そこで、充放電セルとSmartSamplingTMを用いて、ラマン分光法によって短時間で面内マッピングを行うことで、分析時間を短縮しSOC状態に応じた組成変化を観察しました。その結果、電圧の低下とともにLiC6(緑)の分布がカーボン(青、赤)に置き換わっていく様子を確認することができました。
■高分子膜中のセリウム分布観察
燃料電池のMEAに用いられている固体高分子膜には、膜の化学劣化を抑制しOHラジカル発生を抑えるために、セリウムなどのラジカルクエンチャーをドープする研究が進められています。セリウムは発電(運転)中に燃料電池内部で移動することが課題であるため、均一もしくは狙った場所にセリウムがドープされているかを管理することが重要です。しかしながら、一般的にセリウムの分布を確認するために電池顕微鏡とEDXを用いられるが、観察範囲は狭いうえに大きなサンプルを装置に入れることができず、含水サンプルが測定できないなどの課題がありました。
そこで、微小部X線分析装置で最小10 μmまで絞ったX線を用いて、最大5 cm×5 cmのマッピングを試みました。その結果、5 cm×5 cmサイズの試料をサンプル前処理なしにチャンバーへ投入し、ドープしたセリウムラジカルクエンチャーの分布が確認できました。