南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)をめぐる情勢の緊迫度が高まっている。中国が滑走路の建設などのために大規模な埋め立てを続けていることに米国が猛反発。中国と東南アジア各国との間のローカル・イシューだった南沙諸島問題が、一気にグローバル・イシューに性質が変わってしまった。
南沙諸島を含めた南シナ海にある島嶼の領有権問題は、一般にメディアで書かれるように「1970年代に海底資源が見つかって以来、対立が深まった」という時間軸と図式で考えようとすると、その理解は局限的になってしまう。米中や東南アジア諸国が戦わせている「言語」を深く読み解くためには「中国近代と南シナ海」の経緯を知っておく意味は小さくない。
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