万博の運営費、230億~280億円の黒字見込み 建設費は別
大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は7日、万博の運営費の黒字が230億~280億円になる見通しだと発表した。収入の柱である入場券の売上高が計画より約200億円上回るほか、公式グッズや飲食店の売り上げから協会に入る納付金なども30億円、計画より多くなる見込みだという。
開幕前には運営費の赤字を懸念する声もあった。開幕後にSNSを通じた口コミなどで評判が上がり、黒字基調となっていった。協会の十倉雅和会長(経団連名誉会長)は「ご来場いただいたみなさま、関係者のすべてに心より感謝を申し上げたい」と述べた。石毛博行事務総長は「赤字を残さないということを達成できた」と話した。
協会が予算計上した運営費は1160億円。協会職員の人件費や会場清掃、イベントなどにつかっている。全周2キロの大屋根リングや会場などをつくる建設費2350億円は、運営費とは別で、こちらには黒字赤字の収支はない。
また、警備費250億円も国が負担した。協会の財務責任者の小野平八郎副事務総長は「黒字が250億円を超えないと、本当の黒字とは言えない」と話す。
協会によると、入場券を1800万枚売り、運営費の8割にあたる969億円をまかなう計画だったが、10月初めまでの販売枚数は2200万枚と想定を大きく上回った。十倉会長は「好評をいただき、たくさんの方々にチケットを買っていただいたことに尽きる」。費用も最大50億円、予算より抑えられる可能性があるという。
黒字額が確定するのは、会場の解体などを終え、協会が解散する2028年3月末以降。その使い道は、万博の成果を検証し、どんな遺産(レガシー)を残すか、国が関係者や有識者と話し合う場をつくり、決めていく。
リングは全体の1割(200メートル)を残すことで国や大阪府・市、経済界が合意している。大阪府の吉村洋文知事は、運営費の黒字をリングの維持管理などに使えないか提案している。
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