公明党、高市早苗新総裁に動揺広がる 「学会内に連立離脱の声も」
自民党の新総裁に高市早苗氏が選ばれたことで、連立を組む公明党内に動揺が広がっている。政治とカネの問題への向き合い方や歴史認識に対し、党内や支持者の間に懸念があるためだ。高市氏が連立の枠組み拡大に前のめりであることも、公明の焦りに拍車をかけている。
「我が党の支持者からも大きな不安や懸念があることを率直に申し上げ、解消なくして連立政権はないということを伝えた」。4日午後、高市新総裁との初の会談に臨んだ公明の斉藤鉄夫代表は会談後、記者団にこう語った。その表情は硬く、祝賀ムードからはほど遠いものだった。
斉藤氏が挙げた懸念は、派閥の裏金問題のけじめ、企業・団体献金の規制の明確化▽靖国神社の参拝▽外国人政策だ。懸念が解消されなければ自公関係に変化があるのかと問われると、「まさにそうだ。政策、理念の一致があって初めて連立政権が成立する」と語り、連立離脱の可能性をちらつかせた。
斉藤氏の発言は、支持母体・…
- 【視点】
斎藤鉄夫公明党代表は、温厚な人柄ですが、生命尊重、人間主義、平和主義という公明党創立者である池田大作創価学会第三代会長の価値観にとても忠実な人です。斎藤氏が自民党の高市早苗総裁に対して伝えた要望を自民党は真剣に受け止める必要があります。 <「我が党の支持者からも大きな不安や懸念があることを率直に申し上げ、解消なくして連立政権はないということを伝えた」。4日午後、高市新総裁との初の会談に臨んだ公明の斉藤鉄夫代表は会談後、記者団にこう語った。その表情は硬く、祝賀ムードからはほど遠いものだった。 斉藤氏が挙げた懸念は、派閥の裏金問題のけじめ、企業・団体献金の規制の明確化▽靖国神社の参拝▽外国人政策だ。懸念が解消されなければ自公関係に変化があるのかと問われると、「まさにそうだ。政策、理念の一致があって初めて連立政権が成立する」と語り、連立離脱の可能性をちらつかせた。 斉藤氏の発言は、支持母体・創価学会の意向を受けたものだ。党幹部は「学会内では連立を離脱した方がいいという話も出ている。『高市氏は自分たちのことを何とも思っていないだろう』という意見がある」と語る。>(10月7日「朝日新聞」デジタル) 自民党が「公明党は、権力の座から離れることはないだろう。こちらが強気に出れば、最終的に公明党は折れる」と考えているとするならば、大きな間違いです。自民党との連立を解消した上で、少し時間をかけても公明党は再び与党になる道を切り開きます。 公明党が価値観政党であることを高市氏がどの程度認識し、斎藤氏に対してどのような回答をするかによって、今後の政局が大きく変化します。
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- #高市新総裁
- 【視点】
もう四半世紀以上も自民党と公明党は「もちつもたれつ」の関係を続けていて、特に選挙の集票の面で離れがたくなっている。が、同時に自民党の保守志向と公明党(あるいは支持母体の創価学会)の中道・リベラル志向は齟齬があると常々指摘されてきた関係でもある。 2006年に(右派で知られた)安倍晋三氏がはじめて自民党総裁に選ばれる際も、「公明党は平和の党だ。[集団的自衛権行使や憲法改正を]全面的に出してくるなら、臨時国会前の連立政権協議はタフな協議になる。にわかにイエスとは言えない」と公明党幹部が牽制していた(朝日新聞2006年8月22日)。だが、このときは結局、形式的な連立協議を行っただけで、あっさり連立継続が決まった。それは公明党にとって「与党の政策実行力」と「選挙協力」が魅力的だったからだ、と当時の報道にある(朝日新聞2006年9月26日)。 今回はどうなるか。公明の「裏金問題」重視と高市氏の「裏金議員起用」は分かりやすく矛盾するから、曖昧な解決を許さないかもしれない。この問題を上書きできるようなメリットを公明党に提示できるか、が自民党側の焦点になる。もしここで公明党が離脱すれば、歴史的だ。その場合、自民党はもはや割り切って右の方向に舵を切っていくことになろう。
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