抽出後のコーヒー豆をパンに、ネスカフェ原宿で限定販売へ

記事のポイント


  1. 抽出後のコーヒー豆を麹にして製パンにする取り組みがある
  2. 仕掛けたのは、ネスレ日本など43社・団体が参画する有志団体だ
  3. 廃棄されるはずのコーヒー豆をアップサイクルし、循環経済を推進する

一般社団法人アップサイクル(大阪市)はこのほど抽出後のコーヒー豆を麹化して製パンにする取り組みを始めた。抽出後のコーヒー豆の多くが焼却や埋め立て処分されており、有効活用が課題だった。ネスレ日本が運営する「ネスカフェ原宿」店で数量限定で販売を行う。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

ポリフェノールたっぷりパン(フルーツ)は650円(税込)

一般社団法人アップサイクルは、ネスレ日本や日清紡グループのニッシントーア・岩尾(東京・中央)など43社・団体が参画するプラットフォームだ。各組織が自社のリソースを持ち寄り、アップサイクルでサーキュラーエコノミーの推進を目指す。2023年2月にできた。

一般社団法人アップサイクルでは、これまでに使用後の紙資源や間伐材を紙糸にアップサイクルするプロジェクト「TSUMUGI(ツムギ)」を展開してきた。今回、同団体としては二つ目の柱となるプロジェクトを始める。

それが、食品副産物を麹にアップサイクルする取り組みだ。参画企業のフジワラテクノアート(岡山市)が持つ固体培養技術を使い、本来廃棄するはずの食品副産物や搾りかすから麹を作り、醸造以外での活用方法を模索する。プロジェクト名を、「Enz Koji(エンゾコウジ)」と名付けた。

ネスレ日本が協力し、抽出後のコーヒー豆を発酵させて麹化したものを原料の一部とし、製パンを開発した。開発したのは、神奈川県海老名市にある栄屋製パンだ。ポリフェノールを多分に含んだパンなので、「ポリフェノールたっぷりパン」という商品名だ。

ネスレ日本が運営する「ネスカフェ原宿」店で、11月28日から数量限定で販売している。一般社団法人アップサイクルの瀧井和篤・事務局長は、「ポリフェノール豊富で栄養価の高いパンを味わって頂きたい」と話した。

Enz Kojiの第一弾はコーヒー豆を麹にしたが、今後はコーヒー以外の食品副産物を麹にして新しい商品にアップサイクルする取り組みを考えている。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ副編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ副編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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