祭りの後
自分もかつてはギャラリーで絵画を描いていた。変なおっさんにとっつかまってしまい、美大卒でもないのにギャラリーで一生懸命売れない絵画を描いていた。
売れるからという甘言にほだされて、全然興味のない絵画を8年描いていたが、個展を開いても絵は1枚も売れず、8年間で唯一売れた絵がデュシャンの便器を女体化した絵だけという惨憺たるのもだった。
自分なりに一生懸命ブログで宣伝してきたものの、当然のことながら自分の友人知人に絵画を買えるような金持ちもいなかったので、泥舟のような大船で乗り出した個展は絵が一枚も売れず、最初で最期の個展は大爆死で終わった。
作業所でも年に2回ほど絵の仕事をもらえるようになったので、ばかばかしくなってしまった自分は、個展の終了と同時に絵画を描くのをすっぱりやめてしまった。
ギャラリーで8年間絵を描いてきて唯一売れた絵がデュシャンの肉便器だけだったので、ギャラリーで絵を描いていた8年間は完全に徒労というか時間の無駄だったわけである。
個展の最終日に売れなかった絵を壁から外しながら思った。祭りはもう終わったんだな・・・。
ギャラリーで個展をやっても一枚も絵が売れなかった自分は、手間はかかるのに売れない絵画を描くことにすっかり嫌気がさしてしまい、便器で物議を醸したデュシャンのように絵画からもギャラリーからも足抜けして、絵筆を折ってペンタブに持ち代えて、攻殻機動隊GISの草薙素子のようにインターネットの大海原に逃亡してしまった。
ギャラリーで変なおっさんにとっつかまって絵画を描いていなければ、自分はブログもツイッターもやることもなく、ひとりで細々と同人誌を作っていたように思うが、その方が幸せだったように思う。
個展の宣伝のためにブログを開設していなければ、自分は今でもアナログで絵を描いていたように思う。
皮肉なことに個展の宣伝のために始めたブログが、結果的に絵画に見切りをつけるきっかけになってしまった。
デジタルの利便性を知ってしまってからは、デジタルならワンタッチで色を塗れるのを、アナログだとちまちま塗らなければならないという過程に耐えられなくなってしまった。
絵画は自分から若さも時間も創作意欲も何もかも根こそぎ奪っていった。
後には過ぎ去った時間だけが残った。
脱け殻のようになってしまった自分は、力石亡き後のジョーのように祭りが終わった後の空蝉の世界に生きている。
ひと月遅れの誕生日プレゼントでしたが、タクミン先生がツイッターで紹介してくれました。
ご紹介ありがとうございました。
フォロワーさんからいただいた、台湾のパイナップルケーキとかもめの玉子✨✨
— 小林拓己 (@kaerunba49) November 9, 2019
あて、台湾のパイナップルケーキ好きなんよーー!
んー❤️
中のパイナップルの甘酸っぱさと、ネチッて触感がたまらん!
来年は台湾総統選挙もあるし、やっぱあては食べて応援やろ👍✨#たくミシュラン #全国おいしいもの pic.twitter.com/7QDccBUjpA
やはり自分の送った誕生日プレゼントをファンの先生に紹介してもらえるのは嬉しいものですね。
幸せはこういった日常の何気ないやりとりのなかにあるのかも知れませんね。
それでは今日もおやすみっこ(つ=^ω^=)つニャン
祭りの後は淋しいよねッッと思った方はポチッとお願い(つ=^ω^=)つニャンッッ