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信州・下諏訪「諏訪大社下社あたりをブラリ散歩」の巻その1

いやぁ、蕎麦屋の「謎の切り絵」から入りました今回の信州シリーズ
いよいよ本題のご紹介になります(笑)
(幸いにして、無理難題にお怒りになった方はいませんでした!)
本編スタートです(*^^*)!!


信州・下諏訪(しもすわ)
「諏訪大社下社あたりをブラリ散歩」 その1
下社春宮(しもしゃはるみや)は唐獅子だらけだぁ!

撮影:2022年6月6日 Canon PowerShot G3X

1 ▼下諏訪 「諏訪大社 下社 春宮」の鳥居 ご覧の通り、今回は下社の「春宮(はるみや)」をドド~ンとご紹介していきます。相変わらず無駄に写真が一杯ありますので、どうぞすっ飛ばしてご覧になって下さいね。でも、幣拝殿の彫刻を多くアップしましたのでどうぞお楽しみください(自画自賛!)
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※諏訪大社は「上社(かみしゃ)」と「下社(しもしゃ)」に分かれ上・下社各2社、計4社あります。ここ下諏訪町には、下社である「秋宮(あきみや)」と「春宮(はるみや)」があります。全国各地にある諏訪神社の総本社であり、国内最古の神社のひとつとされています。歴史は大変古く「古事記」にその起源が、「日本書紀」には持統天皇が勅使を派遣した、と記されています。諏訪神社は古くは風・水の守護神で五穀豊穣を祈る神。また武勇の神として広く信仰され現在は生命の根源・生活の源を守る神として多くの方が参拝に訪れます。(下諏訪町観光スポット地図解説より引用)

2 ▼春宮駐車場にあった散策マップ
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※今回のブラリ散歩は、もともと富士見高原八ヶ岳全国クロスカントリー大会の翌日に「霧ヶ峰・八島湿原」辺りを散策しようという計画でした。ところが、翌日の6日の天気予報は1日冷たい雨が降るというものだったので、予定を変更して下諏訪の「諏訪大社」巡りに変更しました。という事で、雨傘をさしながらの参拝・写真撮影となりましたぁ。雨粒が一杯写っていますがご勘弁下さいね。

3 ▼鳥居の先の狛犬と神楽殿
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4 ▼狛犬もなかなか堂々としたものでした
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5 ▼奉納された「諏訪の銘酒」の数々!端から味見したい(笑)
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6 ▼神楽殿の後ろ、左右に御柱(おんばしら)、右が「一の柱」、左が「二の柱」です。
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※御柱祭:奥山の大木、里に下りて神となる
諏訪大社では七年に一度、寅と申の年に宝殿の造営と、各社殿の四隅に巨木を曳き建てる神事を行います。これを「式年造営御柱大祭(しきねんぞうえいみはしらだいさい)」、通称「御柱祭(おんばしらさい)」と呼び、諏訪地方の6市町村21万人の氏子がこぞって参加する天下の大祭です。祭りでは、長さ約17m、直径約1m、重さ10tを超えるモミの大木を山から切り出し、人力のみで道中を曳き、最後に各社殿を囲むように四隅に建てます。柱を山から里へと曳き出す「山出し」が4月に、境内までの道中を曳き、御柱を各社殿の四隅に建てる「里曳き」が5月に、4社それぞれで行われます。(下諏訪町観光スポット地図解説より引用)



8 ▼とても背の高い石灯篭
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9 ▼春宮の神楽殿は、屋根もシンプルで全体に装飾性は控えめ。壁もガラス張りですね。秋宮と比較してみてください。
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10 ▼神楽殿の軒下に下がる「注連縄(しめなわ)」は巨大で重そう!
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11 ▼春宮一の御柱です。御柱は拝殿の右から時計周りに1・2・3・4と4本立っています。
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12 ▼上諏訪社(右)と若宮社(左)
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13 ▼諏訪大社下社の春宮と秋宮は、ほぼ同じ造りになっていて、境内中央に「神楽殿」、その後ろにある拝殿は、中央の「幣拝殿(へいはいでん)」と両側にある「片拝殿」になり、「本殿」はない。ちなみに「幣殿(へいでん)」とは、参拝者が幣帛(へいはく)を捧げる社殿のことだそうだ。さらに幣帛とは「みてぐら」ともいい神に捧げる木綿、麻、布、玉等の供え物。
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※諏訪大社下社は春宮と秋宮よりなり、祭神は春秋の半年毎に遷座される。両社とも本殿はなく、幣拝殿や左右片拝殿の形式、配置はおおよそ本宮に類似しながら、幣殿、拝殿が一棟の楼門形式となるなど、下社特有の形を示している。春宮と秋宮の社殿の形式、配置は基本的には同じであるが細部などに多少の差異がある。
 春宮と秋宮の現社殿は相前後して建立されたもので、前者は諏訪藩御大工の流れを組む大隅流柴宮長左衛門、後者は立川流初代富棟の手になる。地元を代表する大工が競い合い、流派の面目をかけた建築であり、華麗な彫刻などみるべきものがある。
(文化遺産オンラインより引用)



14 ▼春宮一之御柱
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15 ▼同解説板
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16 ▼「幣拝殿」を見上げる・・・・しかし、スゴイ雨だぁ(^▽^;)
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17 ▼ここから幣拝殿に施された様々な装飾彫刻を観ていただきます。春宮を担当したのは諏訪藩御大工の流れを組む大隅流柴宮長左衛門。完成は、安永8年(1779)と考えられるそうです。間口柱間は一間、奥行きは二間、背後の壁面には扉口。二階は四方が吹放ち、屋根は切妻造・平入の桧皮葺、正面は軒唐破風です。
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※大工棟梁は、高島藩に仕えた大工棟梁伊藤儀左衛門の弟である柴宮長左衛門矩重。
幣拝殿の建築様式の特徴は、各所につけられた建築彫刻の数の多さとその躍動感にあふれた表現である。正面の腰羽目の波、虹梁(こうりょう)の上の牡丹、唐獅子・唐破風(唐破風)内部の飛龍・一階内部の小壁の牡丹・唐獅子・扉脇の竹・鶴で名作が多く、県陸彫刻の名手である柴宮長左衛門の腕前がよくうかがえる。(現地解説板より)


18 ▼虹梁(こうりょう)の上の「唐獅子と牡丹」
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19 ▼同上
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20 ▼同上
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21 ▼唐破風(からはふ)内の「龍」
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22 ▼木鼻(きばな)の「唐獅子」
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23 ▼二階虹梁の上の「獏(ばく)」
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24 ▼二階軒下の出組(でぐみ)・組物(くみもの) 
IMG_5913_2022100419013159a.jpg※社寺建築の組物の一つ。斗栱(ときょう)の一形式。軒を大きく先に出したいときに用いる工法で、組の数を増やすと見た目にもボリュームが出て重厚感の演出にもなります。


25 ▼唐破風(からはふ)下の「飛龍(ひりゅう)」
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※26~28は、彫刻がダブっていたので割愛します(-_-;)

29 ▼一階虹梁の側面彫刻
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30 ▼木鼻の「唐獅子」
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31 ▼同上
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32 ▼正面の腰羽目(こしはめ)の「波」
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33 ▼一階木鼻の「唐獅子」と手挾(たばさみ)の「牡丹」の透かし彫り
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幣拝殿の内部の彫刻も撮影したかったのですが、参拝者が次々と訪れるので遠慮しましたぁ!
まぁ、雨も本降りだったので(^▽^;)!!


34 ▼「片拝殿」
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35 ▼左手にある「二之御柱」
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36 ▼左手方向から眺めた「片拝殿」と「幣拝殿」
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37 ▼「筒粥殿(つつがゆでん)」 下社独特の神事である「筒粥神事(つつがゆしんじ)」の神粥炊き上げを行う建物だそうだ。
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38 ▼同解説板
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39 ▼新緑が美しい境内の大木。 御神木は幣拝殿の奥にある「杉」の大木です。諏訪大社には本殿がないのですね。ちなみに秋宮の御神木は「いちい」だそうです。神楽殿脇にある杉の木は「結びの杉」と呼ばれ、いわゆる御神木ではございません。(撮影していなかったぁ!)
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40 ▼境内の解説板。
諏訪の神については、とても面白い本が出ていてます。「諏訪の神さまが気になるの」北沢房子著です。それによると、中世の諏訪の神様は、「諏訪明神」だったそうです。上社・下社と呼ばれる神社も別々の神様を祀る神社だった。ところが、色々あって(笑)解説板にあるように建御名方神(たけみなかたのかみ)と八坂刀売神(やさかとめのかみ)が主祭神となるのですが、背景には、明治政府の神道国教化政策があり、上社と下社が統合されて主祭神も固定化されたそうです。しかし、地域の人々に育まれた信仰心は変える事ができなくて、独特の神事を今も継承しているのが「諏訪大社」なのだとか!実に、奥深い信仰の世界です。

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※諏訪大社は建御名方神(たけみなかたのかみ)と八坂刀売神(やさかとめのかみ)を祀り、上社は建御名方神(彦神)を、下社は八坂刀売神(女神)を主祭神としている。
 下社の祭神は、二月から七月まで春宮に鎮座し、八月一日の御船祭で秋宮に遷座し、翌二月一日に春宮に帰座される。
(解説板より引用)


※「諏訪大社下社あたりをブラリ散歩」次回は、春宮の脇にある「万治の石仏」などをご紹介しますね~(*^^*)
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コメント

Re: No title

ろっきーさん!こんばんは!

地元ならではのコメントありがとうございました。

多分、下社の彫刻は解説では見るものの、実際の彫刻を丁寧に観終わる観光客も少ないのではと思います。

御柱は大社だけではなく、地元の地さな社でも行われ、街のあちらこちらで見かける解説板もにぎやかです。

柱が取り持つ地域の財産なのかもしれないです。(*^^*)

No title

こんばんは。

大社の彫り物はやっぱり立派💛 精巧で見事なものですね。お宮さんに行ってもじっくり見ることがないので(すいません!)今よくよく見て改めて感動。大社は4社ありますがそれぞれに空気が違いますね。

それと御柱。有名なのは大社の御柱ですがそのあと次々行われる各地域の小宮の御柱も力が入っています。沿道の飾りつけもそれぞれ趣向を凝らし華やかで大社と同様に御神木の見立てから縄づくり、山出し、木造り、里引きと行われます。。そして各家大勢のお客様を迎え大賑やかです。今の時期毎週どこかで御柱を曳いています。
‥‥コロナでお客様もなく曳行も車を使うとか今回の御柱は寂しかったですが次回こそは!!
(いや、正直らくでよかったという声もある笑)

Re: No title

大原かずのりさん!こんにちは!

諏訪大社の彫刻は聞いてはいましたが、これほど立派とは思いませんでした。今回は雨で写真もイマイチの出来なのですが、それでも大きくしてみるとやはり迫力があります。力作ですね。(*^^*)!

御柱祭についても、木落の場面しか印象に無かったのですが、実際の祭りは、木を伐り出すところから、曳きまわし大社や町内の神社にも柱を立てまくる?!勇壮で大規模な街を上げての壮大なお祭りであることを知り驚きました。

おっしゃる通り、木造建築の文化を長く続けてきた国土だからこその神事なのではないでしょうか。どこにでも森があり大木があった、環境に育まれた文化でしょうか。(*^^*)

Re: No title

たいやきさん!こんにちは!

たいやきさんが乗りたかったというのも驚きですが、岡本太郎は特別に乗った?というのもさらに驚きでした。(◎_◎;)

諏訪神社と生贄の件は、知りませんでしたが、以前訪問した際に、知人に教わり鹿食免(かじきめん)のお札をいただいたことがあります。

蕎麦やウドンが大好きなのですが、どんな「麺(めん)」類かと思ったらまるで違う話で面白くてゲットしました。

ちなみに、知人によると諏訪の地元では「ハルピンラーメン」という麺類がソウルフードとも言われるほど有名だそうです。

もちろん、食べに行きました(笑)(;^ω^) あっ「生贄」から離れちゃった!

Re: No title

バケツさん!こんばんは!

神楽殿に目が行きましたかぁ!!!(^▽^;) いやぁ、お目が高い!

そうなんですねぇ。解説板によると江戸時代前期天和年間(1681~1684)頃落成したものらしいのですが、

もちろん当時はこんなガラス張りではないでしょうが。本当に壁が無い。

春宮の神楽殿の構造についての記事が見当たらないので??詳細は不明です。

ちなみに、諏訪大社上社本宮の神楽殿の写真を探してみたのですが、こちらも壁が無く太い柱だけで支えています。

神楽殿の性質から、神様に踊りを見てもらわないといけないので壁を作らなかったのでしょう。

春宮のものは内部保護のために、ガラス張りにして風雨が入らないよう近代に作り替えたものと思われます。

(参考:上社本宮神楽殿)
https://www.tripadvisor.fr/LocationPhotoDirectLink-g1021311-d1388895-i457249656-Suwa_Shrine-Suwa_Nagano_Prefecture_Koshinetsu_Chubu.html



No title

こんにちは。
春宮の神楽殿
がめっちゃ気になるのですが(笑)
全面ガラス張りなんですか?
屋根の重さとしめ縄の重さに
木造の建具とガラスで支えられるとは思えないなぁ。
実は鉄骨造だったり、壁が二重になってて
部屋に柱が建っているんだろうか。
ふむ~っ気になる~(笑)
違う所に注目してしまう自分のアホさ加減も
いいかげんにしたいところですが、
やっぱり気になる~
だって、カッコいいじゃーん♪

No title

雨の中の参拝&撮影、お疲れさまでした!
雨は厄介ですが、緑は一層映えたのではないでしょうか。
彫刻群はやはり素晴らしいですが、大工が競い合って建築したとは知りませんでした!

そして諏訪と言えば御柱。やはり神霊降臨のための依代なのでしょうか。
そういえば法隆寺や法起寺塔は心柱の伐採年代が塔本体より100年以上古く、最初は心柱だけが建っていたという説がありましたね。柱を立てる、これは日本文化にとって最重要の何かがあったのかもと思ったりします。

No title

御柱祭り、昔は何とかして参加できないだろうかと思ていました。
岡本太郎が特別参加している写真を見て、僕も柱に乗ってやろうと思ったわけです。
今、本当に乗ったらおそらく命を落としてしまう気がします。
若気の至りですね。
諏訪の神様は生贄が大好きと聞いたことがあります。
もしかすると、御柱の風習も生贄の思想からきているのではないかと思ったことがあります。
ところが実際に行くと本当に静かなんですよね。
荒々しいところは全くない。
それがここの二面性なのかもしれません。

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季節の野草や身近な自然の写真のご紹介、トレイルランやポタリング、マウンテンバイクの記事、掘り出しモンCDアルバムなど音楽の話題、美味しい日本酒や蕎麦について、最近は庚申塔・石仏・富士塚・力石など石や塚などにも興味津々!とりとめのない記事ばかりですがよろしくお願いします。

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