これが事実だとしたらとんでもないことだ

買うのと買われるのとどっちが恥ずかしいんだろうかね(H-Yamaguchi.net)
http://www.h-yamaguchi.net/2006/04/post_b89c.html

「太田氏のキャバ嬢過去に厳しい声…松戸市市長『恥ずかしい』」なんていう記事を見かけた。「松戸市の川井敏久市長(63)も自民党の斎藤健氏の応援演説の中で『キャバクラ嬢が選挙に出て戦っている。私は松戸市長として恥ずかしい』と厳しく批判していた。」のだそうだ。


なぜ松戸市長が「恥ずかしい」と思ったのか具体的な理由がわからないが、職業差別と受け取られかねない発言である。


これが事実だとしたらとんでもないことだ。


しかし、冷静に考えてみると、何か変だ。
俺はこの衆院千葉7区補選にあまり関心がなかったので、ニュースもそれほど見ていたわけではない。
だが、民主党小沢新体制後初の選挙ということもあって、マスコミでの注目が高かったことは知っている。
それなのに、この『問題発言』について報道しているのは、ここで引用されている「サンケイスポーツ」の記事だけしか見当たらない。
少なくとも俺は、これで初めて知った。一体どういうことであろうか?


俺が知らなかっただけで、選挙期間中にも知られていた有名な話なのであろうか?
だとすれば、この『問題発言』は、選挙に大きな影響を与えたとみられる。
選挙結果は、わずか955票差であった。わずかな落ち度が当落を左右する。


この『問題発言』は、(たとえ内心思っていたとしても)口に出してはいけない類の発言である。
そして、得をするのは「差別した」側の自民党ではなくて、「差別された」側の民主党候補だったはずである。
「理不尽な」批判を浴びた側に同情が集まることは、よくあるパターンである。
いくら俺が関心無かったといっても、こんな超ど級の『問題発言』があれば、マスコミが見逃すはずはない。喜んで食いついてくるはずだ。
民主党候補者も、「私はこんな差別を受けました」と声高に叫ぶはずである。敵の『問題発言』は悲しむべきことではなく、むしろ(表面上悲しむ振りをして)歓迎すべきことである。
ところが、この『問題発言』が問題になったことを俺は知らない。


全く不思議な話である。


もちろん、本当に松戸市長はそういった発言をしたのかもしれない。
(一応マスコミで報道されたわけだから、ブログの怪情報よりはその可能性は高い。)
しかし、「サンスポ」の記事だけで、信用するわけにはいかない。
(もし、事実そういった発言があったのだとしたら、選挙期間中、沈黙していたマスコミの報道姿勢も大問題ということになるはずであるが)


ましてや、「サンスポ」の報道姿勢に疑問を持っている人が、その部分だけ信用するなど、おかしな話である。
信用したわけではないと言われるかもしれないけど、その場合、まずは事実確認が先である。
そこをすっ飛ばして、「自民党はどうこうと」言うのは先走りすぎである。


以上のような考えは、すでに、
■「きっこの日記」とメディアリテラシー
http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20051219/1135009128
で書いたことであるが、そのケースに当てはまると思われるので改めて書いておく。


お前が無知なだけだと言うのなら遠慮なく指摘してほしい。