2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

徳川家康正妻はなぜ「築山殿」と呼ばれるのか?(その2)

本当は今日続きを書くつもりでなかったのだが、新情報が続々と見つかるので。 当初俺は築山殿惣持尼寺説を疑っていた。今も疑っている。だが調べていくうちに、惣持尼寺と縁がある築山稲荷に関しては、これこそが築山殿と呼ばれた理由の可能性が高いように思…

徳川家康正妻はなぜ「築山殿」と呼ばれるのか?

徳川家康正妻に関する同時代史料は極めて少ない。我々は彼女のことを「築山殿」と呼んでいるけれども、彼女の生前にそう記録された史料は無いのではないかと思われる。また家康在世中にも無かったのではないかと思われる。そのことはもちろん彼女が築山殿と…

雑記:もう一人の「次郎法師」

大河ドラマが井伊直虎に決まったというニュースが流れて以降「女城主は他にもいるよね」という話題をしばしば目にした。割と有名なのは立花宗茂の妻とか、岩村城のおつやの方とか。俺が前々から関心があったのは曳馬城の飯尾豊前の妻で江戸時代には直虎(と…

『井伊家伝記』は正しく読まれているのか?(その4)

昨日も引用したけれど 両親御なげきにて、一度は亀之丞と夫婦になさるべきに、様を替え候とて尼の名をは付け申すまじき旨、南渓和尚に仰せ渡され候故、次郎法師は最早出家に成り申し候上は是非に尼の名付け申したきと、親子の間黙止難く、備中次郎と申す名は…

『井伊家伝記』は正しく読まれているのか?(その3)

昨日も少し触れたが 両親御なげきにて、一度は亀之丞と夫婦になさるべきに、様を替え候とて尼の名をは付け申すまじき旨、南渓和尚に仰せ渡され候故、次郎法師は最早出家に成り申し候上は是非に尼の名付け申したきと、親子の間黙止難く、備中次郎と申す名は井…

『井伊家伝記』は正しく読まれているのか?(その2)

『井伊家伝記』において、南渓和尚が出家する井伊直盛の娘に「次郎法師」の名を与えたのは、 両親御なげきにて、一度は亀之丞と夫婦になさるべきに、様を替え候とて尼の名をは付け申すまじき旨、南渓和尚に仰せ渡され候故 一度は亀之丞と夫婦になるはずであ…

『井伊家伝記』は正しく読まれているのか?

⇒直虎は「女城主」ではなかった? 別の男性とする新史料 新史料の信憑性についてはわからないけれど、この問題についての議論で気になっているのが『井伊家伝記』は正しく読まれているのか?ということ。『井伊家伝記』はもちろん二次史料であって信用性は劣…

「独逸」について(その3)

新たに見つけた情報 ⇒「独逸」メモ | taggaの日記 | スラド 『泰西図説』とは ドイツ人ヨハン・ヒュブネルの著『古今地理学問答』(1693年刊)のオランダ語訳本は、蘭学者の間で『ゼオガラヒー』(オランダ語で地理学のこと)と呼ばれていました。『泰西図説…

「独逸」について(その2)

中国ではドイツを「紱意志」と書く。日本では「徳」は「トク」だがピンインでは「dé」。 ふと「獨」はどう読むのかと思って調べたら「dú」だった。そして「逸」は「yì」となる。そして「都」は「dū」。すなわち「獨逸都」は「dú-yì-dū」。これでは「ドイツ」…

「独逸」について

⇒東京新聞:「独」国名の当て字やめて 漢字愛するドイツ人・八王子のシュミッツさん:首都圏(TOKYO Web) <京都大人文科学研究所付属東アジア人文情報学研究センターの安岡孝一教授(人文情報学)の話> 国名の当て字の由来ははっきりしない部分が多いが、ドイ…